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No.159_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~県南支部7月例会~

経営者の仕事とは?

中村あさみ氏の写真

中村あさみ氏

7月25日(火)小山市民活動センターゆめまちにおいて県南支部例会が開催された。報告者は新会員である株式会社ボーダーレス(金属切削加工業)の中村あさみ社長。今回の報告記事では、例会報告とその中で私が感じたことの2つの点について書かせて頂く。

中村社長は全くの親族外承継の後継社長。元々は同社の事務員。前社長に「あなたが継承してくれなければ会社はたたむしかない」といわれ、何もわからないまま2018年に代表交代。先代との伴走期間はわずか3年。先代の急逝により指導者を失う。さらに営業部長、工場長、経理担当者というブレーン3名も相次いで失う。

先代の「経営者の仕事はみんなが働ける環境を整備してあげること」という言葉を意識しひとり孤独に悩みながら奮闘しつづけ、助けを求めるように栃木同友会にたどり着いた。

最初に顔合わせしてから、氏はいつでも謙虚で、不安を抱えてみえた。報告を聞きながらこの状況でよくがんばってこられたと驚嘆した。しかし会社は売上を維持して利益を出せているという。きけば新規開拓も見積りも氏が自ら行っているようだ。サポートもない中でそれらをこなし、利益をだしている事に非凡な経営者の素質を感じた。しかし経営課題も山ほどある。日々心は休まらないことだろう。

その後は氏から出された疑問から2つの問いかけを座長がピックアップし掘り下げるという形で議論。

Q1.「経営者の仕事とは?」参加者からは「喜び探し、考える、捨てる、経営指針をつくる、継続、信じて任せる、決める、見守る、兵站」といった回答が。その意図を確認し掘り下げを行った。

続いてQ2.「同友会で何が学べるのか? 実は何が良いのかまだわかっていないんです。」これを聞いたときに支部幹事としてドキッとした。

ここからは私が感じた事について書かせて頂く。常連会員は忘れがちだが、新会員の方は同友会の魅力がまだわかっていない。氏も期待してくれているがまだ得られていない。それが表れていた。

実は先日別の会員から「会の魅力がわからない」と相談された事も思い出された。これはオリエンテーションで説明を訊けば解決する浅い問題ではないだろう。この日の参加者は全員後継経営者。過去の同友会では創業者が多かったと思うが現在は違う。当然ニーズも抱える悩みも違う。経験、知識、価値観も違う。現在の参加主体者の課題に着目しその解決を目的に例会のつくり方やテーマ設定などを再構築する時期にきていると感じた。さらに諸活動と会員のニーズをマッチングできるわかりやすさも必要と感じた。

間もなく会費の値上げ時期になる。私は会費以上の価値を知っているが、新規会員でも感じられなければダメだろう。深く入って学ぶほど奥深いという玄人向けの面白さだけでは会の維持拡大は難しい。謙虚にしかし貪欲に学ぼうと自ら門戸を叩いてくれた中村社長のような会員に応えられる栃木同友会で有るために変革の必要性を感じた。

[文責]タカマチ産業株式会社 代表
山嵜俊也

No.159_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 04 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部7月例会~

地域に暮らす人々の繋がりを楽しみながら
実感する取り組み

令和5年7月の鹿沼・日光支部の例会はNPO法人福聚会・ソーシャルワーク事業所そえしあの松本佑司氏の報告となった。松本氏は令和5年6月に入会いただいたので、入会直後の報告となる。

松本氏は前職でソーシャルワーカーとして病院で働くが、患者様の命を救えても社会的には救えない現実を実感し、たくさんの人の繋がりがある地域づくりを目指し独立。目の前にいる人たちに寄り添い、幸せを感じることができるようにソーシャルワーク事務所そえしあを令和4年4月に開設した。

同事務所が行う事業は①個別支援(市民向け総合相談、成年後見等受任、事務委任契約・死後事務委任契約)、②地域住民向け、③専門職・事業者向けである。松本氏によれば、個別支援は河川の下流での支援でありその時の選択肢は限られていることから、上流で流れを変えたり環境整備をすることでその後の選択肢を増やすことができる。その環境整備に有効なのが「コミュニティコーピング」である。

これは人と地域資源をつなげることで「社会的孤立」を解消する協力型ゲームである。高齢化に伴って地域社会で発生する人々の悩みに対して、一人ひとりの本当の悩みを明らかにし、専門家や地域の繋がりを処方することで、プレイヤー同士で力を合わせて地域社会の崩壊を防ぐことを目指して、楽しく遊ぶことができる。松本氏によると、県内の高校や自治会、社会福祉協議会でコミュニティコーピングの開催実績があるとのこと。

例会では、松本氏の体験報告の後、コミュニティコーピングを参加者で体験し、地域の人々の役を果たしながら、徐々に人々の繋がりを増やしつつ悩み事がある地域の住民の悩みを解決していくことを楽しむことができた。松本氏の取り組みがより多くの場所で多くの人に伝わることで、地域問題を“自分ごと”と思う主体者が増えるのではないだろうか。

鹿沼・日光支部7月例会 開催の様子

[文責](株)ウィステリアコンパス
斎藤秀樹

No.158_目次

発行日:2023年 7月30日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.158_News Topic:全国のNEWS

News Topic 01 全国のNEWS
~女性経営者全国交流会 in 福岡~

Welcome “CHANGE”
新しい時代の創造 共に生かし合い、育ちあい 進化する未来へ

6月22日から23日、福岡県北九州市小倉にて女性経営者全国交流会が開催された。47すべての都道府県から、907名の参加があり、女全交としては、過去最高の参加者数であった。1日目は9つの分科会が開催された。

私は第3分科会に参加し、NPO法人発達障害者サポートセンターピュアの檜尾めぐみ氏の報告を聞いた。檜尾氏は、障害を持つお子さんの子育てに困惑し、わが子が生きる場所を作ると起業した。行政(東大阪市)と連携し、障害福祉分野で様々な役割を担うことになるが、経営がわからない。初めて正規雇用した社員のために経営を学び法人を大きく発展させなければとの想いを持つようになる。同友会に入会し経営を学ぶ中で、数値目標は大切、想いだけでは経営できないと気付く。「人を生かす経営」を目指し、社員と共に指針をつくり、ブラッシュアップしていく。社員と共に同じ方向を目指していくために、ビジョンを視覚的にわかりやすいものにした。

今ではスタッフがビジョンを語り粘り強く活動してくれているという元気が出る報告だった。参加して一番驚いたのは、グループ討論だった。女性6名男性1名のグループだったが、全員がグループ長なのかと思うくらいに話が弾んだ。1回目のグループ討論が30分、2回目が90分と長い討論だったが、時間が足りないくらいだった。

2日目の記念講演は、「100年、200年続く企業にカギは多様性」というテーマで、(株)西日本新聞社執行役員北九州本社代表の甲木正子(かつきまさこ)氏の報告だった。男女雇用機会均等法以降2代目の女性記者として入社した甲木氏は、女性記者の草分け的存在。長らく男性社会だった新聞社で結婚、育児にキャリアアップと道なき道を拓き続けた。

アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)をたくさん浴びながら、すべての人が自分らしく生き、働くために、前例のない様々なことにチャレンジしてきた。昭和から平成そして令和と、時代の移り変わりと共に考え方も変化してきたが、男性だから女性だからというアンコンシャスバイアスに敏感に気付き、社会に発信してきた事と、100年以上続くビジネスモデルでもある新聞業界の今後も見据えた報告だった。

子育てや家事、介護などに積極的な男性に出会うと、「すごいな。素敵だな」と思ってしまっていたが、それもアンコンシャスバイアスなのだと気付かされた。このような気付きの積み重ねが、世界を変えていくのかもしれない。

甲木正子氏 報告の様子

[文責]NPO法人 CCV
神戸真弓

No.158_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県央支部6月例会(第71期北海道同友会 同友会大学 公開講座Ⅱサテライト参加)~

「克ち進む経営」

加藤明彦氏の写真

加藤明彦氏

2023年6月27日、県央支部6月例会が行われ、宇都宮市東市民活動センターを会場に6名、ZOOMにて2名が参加した。この例会は、北海道中小企業家同友会/同友会大学同窓会共催の第71期同友会大学公開講座Ⅱに、栃木県中小企業家同友会が受講する方法で参加となった。

「人を生かす経営」の総合実践で、共に未来を拓く! ~『生き残る』経営から、『克ち進む』経営へ~ をテーマに、愛知県中小企業家同友会相談役理事 加藤明彦氏(エイベックス株式会社)の熱い報告を拝聴させていただいた。加藤氏は、自動車関連部品製造をはじめ、高精度精密な研磨・研削加工を行う会社の2代目社長を経た後、現在は代表取締役会長となり、中同協副会長としてもご活躍されている。別名「ミスター同友会!」と呼ばれているとのことで、同友会理念と「人を生かす経営」を総合的に実践、強靭な経営体質の強化、新しい仕事づくり等に取り組まれている。

冒頭、経営者としての反省点、リーマンショック以降の危機的な経験談、社員を死守すべくとった生々しい行動や会社経営の立て直しに奔走する様子が語られた。金融環境の状況が一変、経営上財務上の問題を抱えると己以外の利害関係者を疑ってしまい、その結果であろうか、社内に救いを求めても答えが返ってこない状況であったという。

その当時を「自分が一番会社を知っていて、一番努力をしていると思っていた」と振り返る。疑問疑念を抱きながら同友会活動を続けているうちに、『社員との関係性を強化すること(労使見解の認識)』『その考え方を社内で実践すること(労使見解の展開、浸透)』 の大切さに気付いたそうだ。

その後数年間、社員一人ひとりの成長が会社発展の原動力になるとの想いで会社経営に取り組む一方、経営理念の実践をはじめとする人を大切にする経営、外部環境や需要の変化を見据えた中長期の経営計画策定などをわかりやすく社内全体に浸透させてきた。また、自社の強み弱みを徹底的に分析し、世に役立つ『克ち進む経営』を戦略として展開されている。

『常に成長する会社=社員が誇りに思える会社=税収や地域貢献で必要とされる会社』つまり、同友会活動と労使見解の考え方を如何に自社に落とし込めるかが重要なのだと、最後に加藤氏は語ってくれた。

私自身、同友会に入会し8年目を進行中であるが、今回の例会に参加し、加藤氏の熱く人間味あふれる報告を拝聴できたことは、非常にありがたく、有益な経験となった。人として尊敬できる人がまた一人増えた。非力ながら、経営者として更に己を磨く決意を持つことができた大変貴重な例会であった。

ここで、今回このような企画していただいた県央支部石綱氏に対し、感謝の思いをこの場を借りてお伝えしたい。石綱氏は、この第71期同友会大学の今期受講生であり、そこからの情報共有を基に今回の支部例会へとつながった。コロナ禍に於ける会議セミナーなどへのオンライン参加が通例となる中、われわれ参加者としても、WEB上でこのように容易に、また遠距離での開催講座に参加できたことを素晴らしく思うと共に、このような企画を今後も取り入れながら、栃木県中小企業家同友会の発展に繋げていきたい。

[文責]U-TEC 株式会社
臼井 進

栃木県中小企業家同友会

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