『 商い話 』カテゴリーの投稿一覧

No.180_目次

発行日:2025年 5月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:https://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.180_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~新年度に向けての抱負 小岩圭一新代表理事より~

5月30日の総会を経て栃木県中小企業家同友会の2025年度の活動がスタートします。

「経営の畑を耕し、種まき、根を張る1年 ~1年では終わらない経営の畑づくり、3年は企業づくりを~」を合い言葉に、皆様の期待に応えられるよう責任ある理事者として多くの会員を巻き込みながら企業づくり、地域づくり、同友会づくりに励んでいきたいと思います。

栃木同友会としてこの1年の間、多くの課題に向き合い、これを少しづつ解決しているなかで、そこに関わっている他の理事者や会員の行動、考えを目の当たりにして、私も多くの気づきを得ました。そして、これまでの「何をしなくてはならないのか」という義務感から、「何をやりたいのか」へと次第に考えが変わってきました。

そこには、自分の仕事や自社の経営はもとより、同友会活動も自分の「生き方」に直結する素晴らしい活動なんだという考えが生まれたのと同時に、「同友会に集う仲間達で切磋琢磨し、同友会を永続性のある強い組織とし、家族や地域で自慢できるような誇りを共有したい」という理想を持つことが出来たからだと思います。

皆さんの人生や会社を含む社会を一番深いところで動かしているのは「理想」です。「より良くなりたい、より良くしたい」という思いや行動の原動力ともなるものです。

もちろんすぐには実現できません。

しかし、理想はこれを失うことなく持ち続けているだけで現実的な力として働きかけてきます。こうなりたいという理想を現実にしようと、もがいている日々はもう既に理想なのではないかとさえ最近は思えるようになってきました。

一方で、「しょせん現実なんてそんなもの」、「何をしても変わらない」と理想と現実とを分断したとたん、まさにそれが現実となります。

理想を現実とするか、手の届かないものとするかは自分次第なのでしょうね。

私が体験してきた「関わり合い、認め合い、学び合い、支え合い」ながらの同友会での活動は、様々な気づきを与えてくれ、自分への問いかけを通じて経営理念をはじめとする理想の実現に大きく貢献してきました。

次は更に学びを深め、皆さんと共有していくのが私の役割だと思っています。

この先どんな外部環境の変化が起ころうともしっかりと乗り切り、それぞれが持つ人生の理想や経営理念、そして会の理想である「同友会理念」を共に実現していきましょう。

[文責]代表理事
小岩圭一

No.180_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~新年度を迎えるにあたっての抱負 斎藤秀樹代表理事より~

令和6年5月の定時総会で代表理事に就任してから1年が過ぎた。

昨年度は、栃木同友会の運営の安定化のため数ある課題に一つひとつ向き合うことを最優先事項と、まだ課題は残るものの、ある程度の区切りをつけることができた。

令和7年度においては、栃木同友会の運営の改善から、会員の皆様にとっての価値を高める活動の質を高めていくことに、力点を移していく年になる。

外部環境を見渡すと、わが国内における少子高齢化による人手不足や最低賃金の上昇に加えて、「トランプ関税」によりわが国を含む世界の経済が不安定な状態となっており、個々の企業行動においては消極的にならざるを得ない傾向がある。

企業等に勤務する社員の皆さまも、企業が支払う給与・賞与の支給水準だけでなく税金・社会保障費といった控除項目により、手取り額が増えていく見通しが立ちにくく、消費動向も弱さを見せている。

この点は、内閣府が行っている「消費動向調査」(令和7年4月分調査)でも「今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識を捉える消費者態度指数は、4月は前月と比較し2.9ポイント低下、5か月連続の低下となった」といった調査にも表れている。

このような環境でわれわれはどの様にすべきか。中小企業家同友会は、経営の勉強を行う団体であり、勉強する最初の目標は、どんな環境においても社員の皆さまの生活を守るために、中小企業を何がなんでも生き残らせることにある。

そのために必要なのは、社員の皆さまとの信頼関係を基礎として、さらに時代を超えるために、所属する地域や産業の課題の解決につながるよう、事業を少しずつ変えていくことが必要である。

そしてこれを実現させるためにも、われわれ経営者はもちろん、社員の皆さまと共に学び合う社風を作っていくことが求められる。

そのために栃木同友会としても、会員の皆さまが時代の変化を知りそれにどう対処していくかを考えることができる場を提供し、また、対処していくにあたって必要な、経営者と社員とが共に学び合う社風づくりを学べる場を提供していきたい。

さらに、このような経営者と社員が共に学び合う場に、これから社会人になろうとする若者にも参加して頂き、社会人になっても学び続ける大切さを伝えていける場を、提供していきたい。

そして私自身も、これらの場で学んだことを自社に持ち帰って実践し、その実践した結果を例会のグループ討論の場などで発信し、また、会員訪問を昨年度以上に行いながら、「経営の畑を耕し、種まき、根を張る一年 ~1年で終わらない経営の畑づくり、3年は企業づくりを~」を令和7年度のスローガンとして掲げ、会員の皆様や社員の皆さんと、毎日一歩ずつ成長し続ける令和7年度にしていきたい。

[文責]代表理事
斎藤秀樹

No.180_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~県例会 in 県南支部~

「良い経営者には何が必要?」

令和7年4月16日に小山市民交流センター「ゆめまち」にて4月県例会(in 県南支部)が開催され、県例会復活の先陣を切りました。

テーマは「良い経営者には何が必要? ~求められる知識や能力は何だろう~」。

進行は、県南支部長であるタカマチ産業株式会社 代表取締役 山嵜俊也氏。参加者14名で活発な意見が交わされました。

同友会理念の一つである「三つの目的」には「良い経営者を目指す」とあります。

良い経営者には何が必要? との問いには、知識と情報収集能力・発想力・勇気・リーダーシップ・決断力・数字・実行力・正直さと心意気・謙虚さ・相談相手がいる・社員思い・お金を生み出す能力・明るさ・合理性・嫌われる覚悟・社員に夢を見せる能力・自分を分析する能力・芸術的センスと審美眼・コミュニケーション能力・公平性等が上げられました。

ドラッカーによると、「正直さと謙虚さは生まれつきの特性であり、後天的に身につけることは難しい。しかし、責任感は後天的に育むことが可能であり、これは反応能力の向上に繋がる」のだそうです。

反対に悪い(かわいそうな)経営者の要素は、後ろ向き・相談相手がいない・言ってる事とやってる事が違う・やる気を削ぐ・欲が無い・挑戦しない・後回しにする・約束を守らない・嘘をつく・他人のせいにする・人任せ・自己都合でルールを変える・公私混同・法律を無視する・人の話を聞かない・会社を潰してしまう・人を育てない・ハラスメントをする・いじめる・優柔不断・引き際が悪い・自分は死なないと思っている・自分は事故を起こさないと思っている・情報を鵜呑みにする・他人を尊敬しない・蔑む・お金を返さない・イライラする・八つ当たりをする・お金に対して悪いイメージを持っている等が上げられました。

私自身ドキッとするものがいくつかありました。みなさんはいかがですか?

求められる知識には、基本的知識と教養があり多岐に亘ります。

例えば数字では、P/L・B/Sのその理由やメカニズムであったり、法律では税法・会社法・労働三法等。国内外の情勢を知るには、歴史観や世界観も必要であり日本史や世界史、近代史も含まれます。考え方では、雇用する側される側の両方に立つことも必要です。常識からモノを測る力も必要で、例えば50年ローンを考えてみてください。

会の終盤では、「必ず冬が来るので備えよう!」というメッセージに参加者は共感しました。

良い経営者をめざすには、常に学び続け、自己成長を追求する姿勢が大切だと改めて感じた例会でした。

今年度の県南支部活動方針は「小さな不離一体」です。多様な経営者の知見を活かし学び合える同友会活動は、正に自社経営と「不離一体」なのではないでしょうか。

県南支部4月例会 開催の様子

[文責]株式会社ボーダーレス 代表取締役
中村あさみ

No.180_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 04 栃木のNEWS
~第5回経営基礎講座~

なんで会計が必要なの?

最近、アルファードのようなミニバンをよく見かける事はないだろうか? 若い家族が600万円から1000万もする車に乗れるようになる、それだけ給与が上がったのだろうか。そう思い違いをする。そんなに給料が上がっているわけではない。実は、これにはカラクリがある。

残価設定型クレジットだ。5年間で支払う金額 + 乗り終わったあとにその時の車の価値(残価)で買い取ってもらうタイプのものだ。残価は車の状態で変わる。事故で大破してしまえば、残価分の金額は払わなければならない。

無事故と状態がいいことを前提に組まれる大雑把な見通しで買われる車。これに住宅ローンも入ればどうなるか。長い間に収入は変化する、その変わり方はだれもわからない。

でも、ローンの支払いは確定した未来。多くの若い夫婦はその意味を知らない。

経営指針をつくる会の事前学習として、第5回経営基礎講座が片平税理士によって、5/10 (土)、5/17(土)の2回にわたって行われた。この講座では会計の基礎、損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)を学ぶ。1年間にどれだけ利益が出たかを見るのがPL、創業してからの財産の積み上げを見るのがBS。この2つを経営判断するときの指標として使う方法の基礎がレクチャーされた。

会計は大きく分けて3つあるという。税金を決めるための税務会計、会社の価値を伝えるための財務会計、経営者が経営判断するための管理会計。よく、会計は会社のスピードメーターだと言われる。中小企業の経営で一番使われないけれど、一番重要な、管理会計がスピードメーターにあたる。会社運営をはかるには、とにかく毎月の状況を確認する月次決算が欠かせない。

管理会計的に見るために架空会社の税務会計決算書の組みかえをおこなった。ブロック図、ストラック図と呼ばれる形にする。決算書を数字だけではなく図であらわすことで、会社の状況をひと目でわかるようになる。いくら儲かっているか、どういう構造で儲かっているか、どこに注意を払わなければならないか。大きな括りで項目をまとめることで収入と支出のバランス、もっている資産の状況が目で見てわかりやすくなる。

それらを実務で使うときは毎月の収入と支出の確認をするために月次試算表をつくる。このときに、必ず守らなければならない大切なことが1つある。会計上のルールに則った、正しい数字をつかうこと。誤魔化した数字は判断を間違えさせる。

書き換えた会計を行うと、裏帳簿(真の帳簿)でも作らない限り、人は書き換えたことすらも忘れてしまう。5年10年と長い間にたまった誤情報は、経営判断をするときに足かせになる。

受講生たちはそういったことを改めて学んでいった。会計を理解すれば、銀行や株主との交渉、設備投資できるかどうかの判断に役に立つ。経営者は会計、決算書の意味を理解して使う必要がある。自社をどう運営していくのか、そのための指標としての会計は経営の基礎である。

お金の使い方や支払いの計画は、会社でも家庭でもとても大事だ。長期的な視点を知らない若い夫婦は一歩間違えれば、今後ローンのためにはたらくことになる。

我々経営者がそうならないようにするためには、基礎である会計、特に管理会計を実務で使える程度にはわかっていないといけないな、と考えさせられる講座だった。

[文責]株式会社共立 代表取締役
専務理事 石綱知進

栃木県中小企業家同友会

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