『 商い話 』カテゴリーの投稿一覧

No.193_目次

  • 発行日:2026年6月30日
    発行者:栃木県中小企業家同友会
    〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
    TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
    E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
    URL:https://www.tochigi.doyu.jp/
    企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.193_News Topic:全国のNEWS

News Topic 01 全国のNEWS

東京同友会荒川支部あいのり例会

6月17日に開催された東京同友会荒川支部例会にZoomで参加しました。

今回のテーマは、『情報を知恵に変え』激動を生き残れ~幸せなグローバリゼーションの明暗と「新しい中立企業立国への道」~でした。世界はすでに変わっています。あなたの会社はこの変化に対応できていますか?

講演では、イラン情勢をはじめとする地政学リスクや資源価格の高止まり、経済安全保障の重要性、AIの急速な進化など、私たちを取り巻く外部環境の大きな変化について学びました。その中で特に印象に残ったのは、「無関心は危険である」ということです。変化そのものよりも、変化に目を向けないことの方が企業にとって大きなリスクになるのです。

また、AI市場は今後さらに拡大し、多くのホワイトカラー業務が効率化されていく一方で、人手不足や賃上げへの対応は企業の生存戦略になっていくとの話もありました。世界の変化は決して遠い場所で起きていることではなく、私たち中小企業の経営にも確実に影響を与えていることを惑じました。

グループ討論では、「自社の現状を顧みたうえで、どんな展開を考えることができるか」をテーマに意見交換を行いました。AIによって仕事の進め方が大きく変わる中、人を増やして成長するという従来の考え方に疑問を感じるという意見や、AIを活用することで作業は効率化されるが、その分経営者は将来を考える時間を持つことが重要になるという意見がありました。また、映像制作の分野ではAIによる価格破壊が始まっている一方で、人と直接向き合い、手間をかけて取材するからこそ生まれる価値があるという意見もありました。効率化が進む時代だからこそ、非効率の中にある価値や、人間だからこそ提供できる価値を見つめ直すことが必要だと思いました。

中小企業は小さいからこそ変われる強みがあります。大企業と同じことをするのではなく、自社ならではの独自価値を磨き、その価値を高めるためにAIを現場改善の道具として活用していくことが必要だと思いました。

目の前に起きていることだけを見るのではなく、その背景に何があるのかを考え、現場と情報を結び付けながら知恵に変えていくことが、これからの経営者に求められているのではないでしょうか。

[文責]中村 あさみ
株式会社 ボーダーレス

No.193_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
県南支部6月例会

「時代の変化に対応して…」

6月17日(木)、小山市の大谷市民交流センター「あいとぴあ」にて、参加者7名で県南支部例会を開催した。テーマは「皆で、労使見解を読もう!」。

県南支部では前期1月にも同様の例会を開催したが、今後も継続して労使見解を学ぶ機会を設けることとなり、今期最初の例会でも取り上げることとなった。労使見解(正式名称「中小企業における労使関係の見解」)は1975年に発表され、昨年は発表50年の節目を迎えた。同友会運動の根幹をなす考え方として、現在も多くの経営者に読み継がれている。

例会では、まず参加者全員で内容を確認した後、第4章「賃金と労使関係について」を中心に意見交換を行った。近年、賃上げへの関心が高まる中、単に賃金を上げるだけではなく、その原資となる付加価値や粗利益をどのように生み出していくかについて議論が広がった。社員の生活を守りながら会社の持続的な成長も実現するためには、長期的な視点で経営基盤を強化していくことが重要であることを改めて確認した。また、参加者からは価格転嫁や生産性向上、人材育成など、それぞれの現場での課題や工夫も共有され、活発な経営体験交流となった。

また、労使見解第1章の「経営者である以上、いかに環境がきびしくとも、時代の変化に対応して…」という一節に関連し、各社のAI活用事例も話題となった。経営者自身の生い立ちや創業への思いをAIで漫画風の資料にまとめ、社員との対話に活用した事例が紹介されたほか、日頃から経営や人事、法令相談の相手として活用しているAIに自画像を描かせた事例も紹介された。同じ人物を描かせても利用するAIや対話の積み重ねによって全く異なる結果となり、参加者の関心を集めた。

さらに、情報収集の手段が従来の検索中心から対話型AIへと広がりつつある中、今後はホームページも「人に読まれる」だけでなく「AIに見つけてもらう」ことが重要になるのではないかという意見も出された。ホームページ制作そのものについても、AIを活用することで中小企業でも取り組みやすくなる可能性があり、大きな変化の時代ではあるが、変化を理解し活用することで新たな経営機会につながる可能性も感じられた。

労使見解を切り口に、各社の経営努力や時代の変化への対応が垣間見える例会となった。
※本稿もAIを活用して構成管理および校正をかけました。

[文責]八木 仁(&ChatGPT)]
株式会社シンデン 代表取締役

No.193_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
第11回経営指針をつくる会

「第11回経営指針をつくる会が始まった」

「戻ってきた」というのが、この日、私が惑じた素直な気持ちだ。

6月6日、宇都宮市にある栃木県教育会館で「第11回経営指針をつくる会」が開講した。私はサポーターとして2回目の参加となる。今年は、受講生2名、サポーター6名の体制で、午前10時から午後5時まで学びを深めた。

最初の自己紹介では、それぞれが参加した目的や自社の課題を語った。経営者や経営幹部が抱える悩みや問題意識が率直に共有され、この半年間の学びのスタートにふさわしい時間となった。

午前は、タカマチ産業株式会社の山喘氏による「栃木の経営指針の方向性と考え方」の講話が行われた。経営指針づくりの目的は、自社の経営を確認し、現状を客観的に認識した上で、自社でやれること・やりたいことを整理することにある。そのためには、現状認識に基づいた理念や経営計画が欠かせないという。

また、栃木同友会の特徴として重視されているのが「自己の深堀り」だ。経営者も一人の人間であり、考え方や価値観は変化していく。だからこそ、自分は何を実現したいのか、どのような経営者でありたいのかを見つめ直すことが重要になる。自分自身への理解なくして、社員に伝わり共惑される理念は生まれないという言葉が印象に残った。

午後は、株式会社共立の石綱氏による「なぜ外部環境・内部環境分析が重要か」の講話が行われた。企業経営には理念だけでなく、会社というシステムをどう機能させるかという視点も必要である。物価高騰や国際情勢の変化、AIの急速な進化など、先行きが見通しにくい時代だからこそ、自社の内部環境と外部環境を正しく認識することの重要性を改めて学んだ。

その後のワークでは、自社の仕入れから販売までの流れや組織の構造を付箋に書き出し、模造紙に貼り付け、可視化した。受講生からは多くの質問が出され、サポーターも一緒に考えながら議論を進めた。他社の事例や考え方に触れることは、自社を見つめ直す良い刺激にもなった。

サークルアップでは、受講生から不安や戸惑いの声が聞かれた。しかし、それは真剣に自社と向き合っている証である。異なる価値観や経験を持つ仲間と学ぶことは簡単ではないが、その分得られる学びは大きい。私自身も、この「つくる会」に期待と不安を惑じている。サポーターとして受講生を支えながら、自らも学び、成長していきたいと思う。

[文責]千野 武久
株式会社下野テレビ映像 代表取締

No.193_コラム

コラム

無関心でいることの怖さ
ー経営者がいま見なければならないもの一

経営者にとって、本当に怖いものは何か。

失敗することではない。反対されることでもない。新しい技術にすぐ慣れないことでもない。本当に怖いのは、無関心であることだ。

先日の例会で、強く心に残る話を聞いた。新しい技術が出てきたとき、人の反応は三つに分かれるという。積極的に取り入れる人、はっきりと拒否する人、そして無関心な人である。このうち、最後に大きく遅れ、時代から脱落していくのは誰か。それは拒否した人ではない。無関心だった人である。

拒否する人は、少なくともその技術を見ようとする。調べ、何が気に入らないのかを自分なりに考える。しかし無関心な人は違う。見ない、調べない、考えない。そして世の中が変わっていることにさえ気づかない。

無関心とは、知らないということである。そして知らないということは、対応できないということである。では、何を知らないことが命取りになるのか。税制を知らなければ会社の金を守れない。法律を知らなければ会社を危険にさらす。技術を知らなければ仕事の形が変わっていることに気づけない。市場を知らなければ顧客が離れていく理由もわからない。経営者にとって「知らなかった」は言い訳にならない。それでは社員も会社も未来も守れないのである。

今、世の中は表面だけが変わっているのではない。土台そのものが変わっている。商品が少し変わる、流行が少し変わる、便利な道具が少し増える。そういう程度の変化ではない。仕事の仕方が変わる。産業の形が変わる。国と国との力関係が変わる。人間の役割そのものが変わる。大きな変数の一つがAIである。

今、AIといえばOpenAI のChatGPT、GoogleのGemini、AnthropicのClaudeなどが知られている。これらは主にアメリカの企業が開発している。これに対し、中国のAIも急速に力をつけている。中国ではオープンソースという形で、企業だけでなく大学生や研究者、一般の開発者までもが開発に参加できるAIが広がっている。多くの人の知恵を集めてAIを育てているのである。これから世界は、アメリカ型と中国型のAIに分かれて進んでいくかもしれない。そのとき日本はどこに立つのか。我々中小企業は、どの技術を使い、どの市場で生き残るのか。これは遠い世界の話ではなく、経営者の目の前にある問題である。

製造業の面で、日本はすでに厳しい状況にある。かつて日本はものづくりが強い国だと言われてきた。しかし今は多くの部品がユニット化され、世界中で同じような部品が手に入る時代である。その中で中国は、安く、速く、大量に作る力を持っている。同じ1,000円でも、中国ではものが作れるのに、日本では作れないという風になってしまっている。経営者であるなら現実を見て、次の手を打たなければならない。

昔は「勉強ばかりすると馬鹿になる」などと言われた時代もあった。しかし今の世の中を動かしているのは、間違いなく学び続け、考え続け、技術を使いこなしている人たちである。その人物が好きか嫌いか、良い人か悪い人かより先に、経営者がまず見なければならないのは、その技術がどんな力を持っているかである。自動車が生まれた時代に、牛車のほうが安心だと言い続けていたらどうなったか。世の中が自動車で、自分だけが牛車では競争には勝てない。AIも同じである。好きか嫌いかの前に、まず知ること。使うか使わないかの前に、まず理解すること。理解しなければ、判断すらできない。

ィンターネット検索によって、調べる時間は大きく短くなった。そして今、AIによって、その時間はさらに短くなっている。調べる、まとめる、比べる、文章にする、考えを整理する。こうした時間短縮の延長線上にAIがある。つまり今の時代は、時間の使い方をめぐる競争なのである。同じ一日でも、AIを使う人と使わない人では進む距離が変わる。この差は、やがて会社の差になり、利益の差になり、生き残る会社と取り残される会社の差になる。

では、これから人間の仕事は何になるのか。経営者の仕事は、決めることである。AIは情報を集め、文章を作り、案を出し、比較もする。しかし最後に決めるのは人間であり、最後に責任を持つのは経営者である。どの道を選ぶのか、誰に任せるのか、どこに金を使い、何をやめ、何を守り、会社をどこへ向かわせるのか。これを決めるのが経営者の仕事である。AIがそう言ったから、世の中がそうだから、誰かに勧められたから—それでは経営者の責任を果たしたことにはならない。情報を菓め、技術を知り、人の意見を聞き、そして最後は自分で決める。それが経営者である。

無関心でいることは楽である。知らないふりをすることもできる。しかし、それでは会社も社員も未来も守れない。無関心は、静かな衰退の始まりである。

だからこそ我々経営者は、まず知ることから始めなければならない。経営者こそ、最初に関心を持ち、最初に学び、最後に責任を持って決める。それが、これからの時代に会社を残すための、最低限の覚悟である。

[文責]石綱 知進
栃木県中小企業家同友会 専務理事

栃木県中小企業家同友会

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