『 No.145 』カテゴリーの投稿一覧

No.145_目次

発行日:2022年 6月30日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.145_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~県央支部5月例会~

従業員の運転管理と車両管理について学ぶ

5月17日に今年度最初の県央支部例会がハイブリッド形式で開催された。

4月より改正道路交通法施行規則の施行をうけ、一定台数以上の白ナンバーの自動車を保有する企業でのアルコールチェックが義務化された。

このタイミングで、一般貨物自動車運送事業を営む(株)こぶし 代表取締役 山中重雄氏と(株)メディカルネットワークサービス 代表取締役 手塚和江氏の両名から、自社におけるアルコールチェックの具体的な運用や運転・車両管理の実践に関して報告を受けた。

厳しい法規制に対応されている両名の報告からは、我々白ナンバーの企業でも取り組むべき課題、特に車に関心のない若手社員が増えてきているなか、日常の車両点検や事故時の対処方法等の教育の必要性に気づかされた。

さらに、企業における車両交通トラブルのリスクに関して弁護士法人宇都宮東法律事務所 代表社員 伊藤一星氏から報告を受けた。社員が起こす交通事故で思わぬところから会社に損害賠償請求が来る可能性があることもわかり、業務時や通勤時のいずれにおいても社用車及び社員の自家用車に注意を払い、車両に関する社内規定の整備や従業員の任意保険等の加入確認等が必要であると気づかされた。

事業を行っていく以上、車両は会社の重要な機能の一部であるとの認識を持ち、機能をフルに発揮するうえでもしっかりとした運転・車両管理を実践していきたいと感じた報告であった。

県央支部5月例会会場での開催の様子

[文責]株式會社総研
小岩圭一

No.145_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部5月例会~

「様々な社員にとって働きやすい環境をつくる」

仲田知史氏の写真

仲田知史氏

2022年5月26日に、鹿沼商工会議所とZOOMのハイブリット形式で鹿沼支部例会が行われた。

今回の例会は「様々な社員にとって働きやすい環境をつくる」~価値観の多様性に向き合い、共に成長していく~のテーマで(株)TNプランテーション 代表取締役 仲田知史氏に報告をして頂いた。

仲田氏は父親が経営する(有)仲田園芸に勤め、現場・経理・人事に関わっていたが、当時製造業に労働者を取られ思うように採用できなかった。そんな中、社会福祉法人から要請を受けたのが、代表を務める法人設立のきっかけとなった。

最初はA型事業所から始めたが雇用契約で必要な働く習慣が守れない人がおり、それぞれの人に合った労働環境を作っていった結果、現在4事業所まで拡大した。まさにこのプロセスが今回のテーマである。

障がい者を雇用するに当たり、社員も初めてでありトラブルもたくさんあった。その中で「この仕事が出来て当たり前」という意識から「出来ない」を「どうしたらその人が活躍できるか?」を社員が考え、自分の仕事を見直すようになった。

今回の報告のテーマである意識のギャップとは「意識→働く価値観、哲学」の「ギャップ→ズレ、食い違い」であり、どうしてそれが生じるのかを就労準備性ピラミッドで、社員の立場(新入社員~幹部~経営者)によって求めるものの違いをマズローの5段階欲求の図でそれぞれ説明して頂いた。

(株)TNプランテーションでは「人が環境を創り、その環境が人を育てる」の考えのもと、心理的安全性を一定程度確保した環境・情報が伝えやすい環境・不安を取り除く環境を創ることに取り組み、意識のギャップが少ない環境こそが理念の共有・目的達成のために必要と考えている。

まとめとして童話「3人のレンガ職人」の話があった。仕事に対して目的を持たなかったり、ただ単に生活費を稼ぐ為に働くのではなく、働くことにより社会に貢献することが重要で、仲田氏も今回の報告の内容は途中経過であり、これからも企業理念である「福祉と農業の融合」を追及していくとのことであった。

今回の報告は多様性が謳われる中で、障がい者福祉や会社経営だけではなく様々な場面で応用できる内容であったと思う。

最後に穏やかな話し方が仲田氏の人柄を表し、この会社なら皆が働きたいと思わせるとても良い例会でした。

鹿沼・日光支部5月例会開催の様子

[文責]株式会社コメノイ
浅野敏一

No.145_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~県南支部5月WEB例会~

「同友会の真髄から経営者の責任を見つめ直す!」
~「労使見解」の読み合わせ例会~

労使見解表紙画像

2022年5月25日に会員8名で、恒例の同友会理念の基本である「労使見解」の読み合わせを行った。例年以上に盛り上がり、短い文章ではあるが、8章のうち1章で時間が来てしまった。

「とりまく情勢や環境はきびしさを加え、その中で中小企業経営を維持し発展させることは並大抵のことではありません」などは、70年代とまったく同じだと一同納得した。

運送会社の社長は、過剰労働や過当競争を改善するには、運送会社が多く、人口減少から、行政が淘汰の方向に動いているとの情報を、今から8年前に掴んでいた。そして、コロナでそれが加速、倒産等も増えてきて、その流れがはっきりと見えてきた。しかしその会社は、戦略的に体制を構築してきたので、上昇気流に乗りつつあるとの話がでた。

私は今回、その話で、「経営者の責任」には、「時代の先を掴み、行動していくことが必要」との気づきを得た。

誰かが「経営者は知らなかったことが罪になる職務」とつぶやいたのは印象的であった。

「人を生かす経営~中小企業における労使関係の見解~」

1975年に中小企業家同友会発表。同友会活動との原点で、定価500円。
問い合わせは事務局まで。

[文責]八木 仁
(株)シンデン

No.145_特集コラム

特集コラム

「私と同友会」

2022年度栃木同友会役員の皆様のご紹介もかねて、役員の皆様に同友会で何を学んだか、同友会を自社の経営に活かすためにどう活用すればよいのか…等々をご自身の体験を踏まえて、コラムを書いていただいております。
今回は八木・山中両代表理事のコラム「私と同友会」をご紹介いたします。

【私と中小企業家同友会1】栃木同友会 代表理事 山中重雄
同友会で学んだ判断力・忍耐力・記憶力

1998年6月22日「この激震時代、不況をどう乗り切っていくのか。現状を見直し生き残りを掛けた戦略を本音で語って頂きます。自らの経営の内と外、経営者自身の内を問いながら英知と情熱を持って成しうる限りの不況対策を実行。参加者全員で指摘しあいながら我が社の策を見直してみましょう。」とのふれこみの例会に、フカサワ会長から招待を受けてオブザーバー参加し、そのまま入会いたしました。

入会当初は報告者のお話など頭に入らないのが現状でした。当時の自社は、会社に帰ると支払いに追われ、動脈にナイフを突き立てられているような毎日でした。

その後、同友会の勉強の中で経営計画書を作成、宇都宮で土地を購入し、倉庫、整備工場を建設するなど、皆さんの意見をいただきながら何とか創業30年を迎えることができました。

私が同友会で学んだことは、判断力、忍耐力、記憶力です。この言葉の一部を入れ替えれば、人は判断力の欠如によって就職し、忍耐力の欠如によって退職し、記憶力の欠如によって再就職するとなると思います。退職と再就職を何度も繰り返しながら少しでもレベルアップしていない人を見ていると、なんとなくそんな感じがしてきます。

また、人は判断力の欠如によって独立し、忍耐力の欠如によって倒産し、記憶力の欠如によって再起すると思います。なぜ倒産したかを冷静に振り返らないまま再起し、再び倒産した経営者を何人も見てきました。判断力も忍耐力も理性の力が必要です。感性が勝りすぎては方向を誤ります。また記憶力も同様でしょう。

しかし実際には人間の思考は70%感情で判断しているそうです。半面理性がでしゃばりすぎても冷たさを感じます。失礼なことも申し上げましたことお詫びいたします。

私は今でも同友会で学んだことは実践をしております。

私が入会した例会(1998年6月22日)

【テーマ】
不況を乗り切る 我が社の経営戦略
【コーディネーター】
有限会社メディア 館野社長
【パネリスト】
有限会社翔建築設計 中村社長
株式会社フカサワ 深澤社長
株式会社ワタナベプレス 渡辺社長

[文責]代表理事
(株)こぶし 山中重雄

【私と中小企業家同友会2】栃木同友会 代表理事 八木 仁
「経営者の事業承継と企業家の事業承継」

事業承継について、経営者の事業承継と企業家の事業承継は違うのではないかと思っている。同友会に入会して、なぜ「企業家」を使っているのかと疑問に思っていた時があり、少し当たってみたが、よくわからなかった。

そこで、漢和辞典で字を調べ、「企業家」と「経営者」を並べて比較してみた。

「企業家」と「経営者」比較図

【業(ぎょう)】も、【営(えい)】もニュアンスは少し違うが、要するに「仕事」だ。

経営者の【経】は織物の経糸を表している。当社でも生地を加工することがあり、経糸の方向を「流れ」といっている。つまり、今までの流れにそって仕事をしていくのが、「経営者の事業承継」だ。一方、企業家の解釈だ。

まず【者(しゃ)】に対する「か」だが、【家(いえ)】という字を使っている。その使っている場面を想像すると、歴史と、広がりを、背負っている場面が上がる。

たとえば「八木家」と言った場合は、先祖代々、一族郎党を称するような場面に使われている。柔道家、茶道家なども伝統という歴史を背負った方々を称するときに使われる言葉だと思っている。

企業家の【企】は、「企てる(くわだてる)」、つまり「考えていく」とか「もくろむ」という意味合いがあると同時に、「つま先立つ」という意味があった。

埼玉同友会の久賀きよ江さんの講演で、立教大学の山口義行先生に「隣接異業種」「新規性5%」という言葉を教えてもらい、それを実践してきたという話を聞いた。その話を聞いて、自分のつま先立った高さを測定したら、ちょうど5%であった。

人込みの中、遠くを爪先立ってみるように、われわれ企業家は、事業の将来性をすこしでも高いところから遠くをみて、考えていくことが、企業家の事業継承であろうと思った。

当社は、息子が入ったので、事業承継の準備が始まった。

当社だけでなく、栃木県中小企業家同友会の事業承継は、ただ先代の事業を流す「経営者の事業承継」でなく、自分の立ち位置と進むべき方向を見定めながらすすむ、「企業家の事業承継」であってほしいと考えている。

当社では、父親たちは、自社を「【各種発泡体の特殊加工】を行う会社」と言ってきた。

私は、社長になった時、今までお客様であった会社と競合するようにもなって、加工領域を広げてきた。

ちょうど「癒し系」ということばが流行っていた時期で、それにならって、私は、「【柔らか系樹脂の熱成型】を行う会社」と称した。

そして、次の【企業家】には、これまでの歴史を意識しつつ、新たな事業の存在領域を見つけ、進んでもらいたいと考えている。

[文責]代表理事
(株)シンデン 八木 仁

栃木県中小企業家同友会

e.doyuバナー
バナー
バナー
アクセスカウンター

▲Pagetop

Powered by WordPress / CIC