『 No.130 』カテゴリーの投稿一覧

No.130_目次

発行日:2021年 3月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.130_News Topic:全国のNEWS

News Topic 01 全国のNEWS
~第51回 全国研究集会 3月13日(土)ZOOM開催~

第51回 中小企業家同友会全国研究集会 from 福島
~東日本大震災復興シンポジウム~

強い絆のもと我ら断じて滅びず
あれから十年
幾多の試練を乗り越えて
~中小企業家の志が日本の未来を拓く~
門田隆将氏

門田隆将氏

「第51回 中小企業家同友会全国研究集会 from 福島」(以降 全研)に参加して強く感じたことは、3.11の大震災、その後の各地の震災を経験して、周りからの同友会への評価が高まってきていること。そして各地同友会が「地域づくりとは、地域を牽引する企業づくりであり、地域社会のリーダーとなる同友会づくりである」ことを強く意識していることであった。

全研の開催意義は、以下の通りである。

  • 東日本大震災から10年が経過する中、被災地の現状を共有し、東日本大震災の教訓などを改めて確認するとともに、コロナ禍を乗り越える知恵と力を学び養い、 実践に踏み出す機会とします。
  • コロナ禍や災害が多発する時代における同友会と中小企業の役割を確認し、今後のあり方を学び合う場とします。
  • 持続可能な社会をめざして、「中小企業家エネルギー宣言」や「中小企業家の見地から展望する日本経済ビジョン」を実践的に深める場とします。

第1部の東日本大震災復興シンポジウムは「Fukushima 50」原作者 門田隆将氏から「福島第一原発事故は日本人に何を問いかけたのか ~新型コロナ問題や頻発する自然災害対応へ教訓とすべきこととは~」というテーマで記念講演をいただいた。

門田氏が強調していたことは、「多くの人は原発事故で福島の人に同情はするが、感謝をしていない!」ということであった。

原子炉の爆発事故がおこり、放射能の拡散を拡散してしまったけれど、本当は東日本が壊滅状態になってもおかしくない状況であった。それを防いだのは、原発で働いていた地元の人間の決死の働きがあってのことであった。と話された。

その「決死の働き」に「原子力発電という巨大なエネルギーを東北・関東に送り出し、巨大であるがゆえに日頃、細心の注意をはらい訓練・作業を代々してきた自分たちにしか、この難局に対処できない」という使命感を感じた。

続く、被災三県の代表によるパネルディスカッション “東日本大震災「あれから10年」” では、直後の状況と現状が報告された。

各代表は、「地域の課題が、自社の課題。」「地
域がなくなってしまったら、我々は存在しない。」と言っていた。その地域を支えているのは、各企業であり、同友会の活動であった。

その後、各地同友会が中心的存在となり地域に振興条例を制定させた。またこれまで原子力発電に依存しすぎていたエネルギーについても、世界的にはどうなのかという視点で海外視察を行い、「エネルギーシフト」という再生可能エネルギーへの代替と消費を増やさない動きを提唱するに至った。

続く第2部は、3名の各地会員による実践報告であった。これら事例報告と第一部の話に共通していることは、経営指針の重要性と、その各々の事業に、しっかりとした科学性、人間性、社会性のバランスのある考えがあったことだ。

レジュメの最後に「地域づくりとは、地域を牽引する企業づくりであり、地域社会のリーダーをなる同友会づくりであった」と綴られていた。私は同友会会員であることへの使命感を意識した。

三県の代表パネルディスカッションの様子

被災三県の代表

[文責]八木 仁 代表理事
(株)シンデン

No.130_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~事業再構築補助金に関する緊急ZOOM例会~

事業再構築補助金説明会の資料と乾氏

事業再構築補助金説明会の資料と乾氏

3月24日(水)事業再構築補助金に関する緊急ZOOM例会が行われた。今例会にあたっては栃木県よろず支援拠点の乾泰夫コーディネーターが説明にあたっていただいた。

説明会終了後「ぜひトライしたい。」「『よろず』という相談窓口があることが分かって良かった」などの感想をいただいた。申請に向けてのわかりやすい説明及び審査側の観点を聞くことによって補助金申請に向けての壁が低くなったようだ。

今回の補助金の特徴は「ものづくり補助金よりも使いやすい」「すぐに使える」「同じ事業でなければ、もの補助と併せて申請できる」さらに「『補助金事務局』が設置され相談しやすくなった」とのことで1兆円を超える予算を始め、行政側の大いに活用していただきたいという姿勢が感じられる。募集については「概要」と「手引き」でほとんどのことが説明されているが最終的には公募要領が発出されているので(3月29日発出)、それを確認してほしいとのことだった。(経産省HP参照)

また、主要申請要件としては「売上が減少(過去6か月のうち任意の3か月でコロナ以前対比△10%)」「事業再構築に取り組む」「経営革新等認定支援機関と事業計画を策定する」の3点だ。予算枠としては通常枠として補助額100 ~ 6,000万円、補助率 2/3。また1か月あたり売上が30%以上減少している企業は3/4が補助される。

最後に補助金申請の際におさえるべき3つのポイントを教授いただいた。補助金の申請書は、事業計画書そのものなので、以下の点に留意してほしい。

  1. 補助金申請では、記載のポイントを明確にすべき
    • (1)何にいくら使いたいか?
    • (2)効果はいくらか?
    • (3)なぜ、会社にそれが必要か?
  2. 事業計画書の観点から
    • 上記(3)が、会社の経営方針、会社の進む方向になっているか?
    • 上記(2)が、目標・成果を金額で表せるか?
    • 上記(1)が、実行計画(何を、誰が、いつまでに)になっているか?そして1.と2 . が整合しているか?
    • 経営者の意思が反映されているか?
    • 経営者として育てたい人材に成長の機会として考えさせる。
    • 社内で不足している部分について、専門家の助力を得る。

約2時間に及ぶ説明会だったため、ここに全文を掲載することができないので、興味のある方はぜひ、よろず支援拠点を訪ねていただきたい。

「概要」と「手引き」及び「公募要領」が必要な方は同友会事務局にご連絡ください。

No.130_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~交通システムが変わる(株)こぶし取材記事~

株式会社こぶしに3月12日法令や基準に完全適合したEV(電気)バスが納車された。

栃木県が奥日光地域を「環境にやさしい観光地」としてブランド化する。その一環として、県有バス化更新事業が行われ、納入されたEVバスは「日光駅」→「いろは坂」→「中禅寺湖」のルートを4月中旬から11月まで運行する。株式会社こぶしはこのEVバスの点検・整備・車検・11月から4月までの保管を行う。まったく新しい事業への挑戦だ。

EVバスの製造の一部が宮城同友会の株式会社ヴィ・クルー(代表取締役 佐藤全氏)で行われ、同社が栃木で冬季の保管及びメンテナンスを行える会社を求めていたことから、同友会のネットワークで株式会社こぶしにこの運営が委託された。

このバスの運行にはIMS(インテリジェントモニタリングシステム)というバスの状態をリアルタイムで監視するシステムが採用された。通行中のパラメータもリアルタイムで把握され、心臓部であるバッテリーは各コアの状態を監視することができる。全ての情報は株式会社こぶしの宇都宮本社にて管理され、そうすることで予防保全ができるという。まるでSF映画のワンシーンのようだ。交通システムが大きく変わる予感がした。

EVバスと山中社長写真

EVバスと山中社長

[取材]事務局

No.130_特集コラム

特集コラム

「人間らしく生きる」

「生きる、暮らしを守る、人間らしく生きる」
赤石さんが同友会にのこしていった言葉。赤石さんは同友会の考え方の基本を創られた先輩方の一人だ。赤石さんは同友会にこの言葉でなにをのこしたかったのだろう。

故赤石義博さん(元中同協会長)は同友会の「人を活かす経営~労使見解」をつくったメンバーだ。同友会理念を仲間たちと一緒にわたしたちに、残してくれた人だ。同友会の中核にあるのは「人間らしさ」を追求することだ。

人の営み、生き物の営みの最大の目標は「存続すること」にある。最初の生き物から数億年経った我々の人間は「存続すること」という原則でつながっている。

金持ちであろうが貧乏であろうが、偉かろうが偉くなかろうが、どんな人種であろうが、この原則は変わらない。このつながりが一度絶えてしまっていれば、この先の道は絶対につながらない。

企業経営では、役割を明確にする。何をやるのかをはっきりさせる。やることに不足があったら利益はあがらない。企業のほとんどは営利企業だ。だから、利益を上げることが企業の目的になる。でも、ほんとに利益だけを追求していれば良いのだろうか。

人間の生きている本当の目的は「存続すること」。そのためには「生きる、暮らしを守る」事が必要になる。衣食住が満ち、その先に「人間らしく生きる」という人間に必要な営みが現れる。人が絶えてしまえば「人間らしく生きる」はない。

自分の関わる人にできるだけ「人間らしく生き」
てほしいと願う。これが中小企業家の多くの気持ちではないだろうか?人により守備範囲の広さが違うだけだ。自分の広さがどの範囲なのか、自分の力量はどのあたりか、それを見極めながら範囲を広げていく。そのためには目的を明確にし、自分のしたいことと出来ることを知ること。自分のしたいことは何かを知ることが必要になる。

役割をはっきりさせると、やらないことやってはいけないことも明確になる。やれることとやっていいことは違う。役割を超えて行動すれば問題が起きる。公共で取り扱う必要のあるものを営利企業がやれば問題が起きる。税というベーシックな収入がある政府や地方自治体と違って、営利企業は利益の上がらないものには投資をできない。生活の基礎というべき教育、医療、道路、水道などは社会資本と呼ばれていて完全な営利企業が運営することは難しい。短いあいだならうまくいくこともあるが、長い期間でみると、単に過去の蓄えを食いつぶしているだけで、数字の上で利益を出しているだけで、実態はやせ細っていくだけということはよくある。生活の基盤をつくることは、一朝一夕にはできない。どんなにお金を積んでも、時間の中で積み上げられたものは取り戻せない。丁寧に守り育てるしかない。阪神淡路大震災で、東日本大震災で、数々の地震で、コロナ禍でわたしたちはそれを体験してきた。

会社の、中小企業家の役割は何なのだろうか?人間らしく生きるためにはどうしたらいいのだろうか?赤石さんたちはそんな問いかけをずっとしていたのではないだろうか。

わたしたちは中小企業家の役割は何なのか?改めて、昨今の状況はわたしたちに「人間らしさとは何か?」といった宿題を突きつけてくる。

5月からはじまる「経営指針をつくる会」は、自分の会社のことを集中的に考えるいいチャンスだ。この機会に、自分の会社のことを深くかんがえてみませんか?

[文責]専務理事
石綱知進

栃木県中小企業家同友会

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