『 No.154 』カテゴリーの投稿一覧

No.154_目次

発行日:2023年 3月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.154_News Topic:全国のNEWS

News Topic 01 全国のNEWS
~第53回中小企業問題全国研究集会 in 長野~

この瞬間が未来をつくる
~地域が変われば日本が変わる~

2023年3月2日・3日の2日間に亘り、長野市において表題の全国研究集会が約1350名の参加者で開催された。

1日目は全部で16の分科会が開催され、私は第11分科会【事業承継】「社員から社長へ 経営理念が繋いだ事業承継」((株)アルカディア 取締役会長 松井利光氏(長野同友会)及び同社 代表取締役 春原直樹氏(長野同友会)の報告に参加した。

当初身内での継承を考えていた松井氏だったが、事情により断念。煩悶憂苦の折、同友会にて経営指針書を作成、その経営理念を社内へ共有し浸透させていった。その過程で、経営理念に理解を示した当時社員の春原氏に事業承継を打診。その後、7年の準備期間を経て社長交代に至った。

両者の報告を伺い、経営理念を主軸に、覚悟を持って向き合い対話を重ね一つ一つ問題を解決していく様は、その過程こそが事業承継であり経営者たらしめる「核」をつくる重要な時間であると痛感した。歴代の経営者が思いを込めた「経営理念」、その理解を深めることこそが揺るがない持続可能な会社経営に繋がるのではないだろうか。

第11分科会

相澤孝夫氏の写真

相澤孝夫氏

2日目は社会医療法人財団慈泉会相澤病院 理事長兼最高経営責任者 相澤孝夫氏による特別報告「経営者として、いま何をすべきか!!~覚悟の先にある未来のために~」が行われた。同氏は、かつて赤字経営だった病院を再建。今では時代の要請に適応した病院経営を行い、全国からの注目を集め、地域の人々からも厚い信頼を得ている。

1908年松本の篤志家らの支援を受け、松本の地に診療所を開院したのは孝夫氏の祖父だった。支援を受けたことで、その恩に報いるべく松本のために役立つことを使命とし奮闘、その魂は脈々と受け継がれていくこととなった。時を経て1990年代医業収入増加の一方、経常収益がマイナスに転じている最中、白羽の矢が立った孝夫氏が理事長へ就任。病院内の整備に着手した。その中で、同氏が特に大切にしていたことは次の3点である。

  1. 率先垂範。
    トップ自らが汗をかくことで職員の規範となり信頼を得ることで、リーダーシップを発揮しやすい組織作りをする。
  2. ビジョンの重要性。
    未来の姿すなわちビジョンを掲げることで、そのビジョンを通じて職員らとコミュニケーションを図り、各個人の持つ力のベクトルが同じ方向に向かって集中することで、爆発的なパワーを生み出す。
  3. 困ったときの原点。
    トップは孤独であることを自ら許容し、忍耐強く前向きなチャレンジ精神と熱意と明るさを持たなければならない。信じて突き進むための道しるべはその原点(相澤病院の場合、松本への恩返し)つまりその魂や志に立ち返ることで行く先を見通すことができる。

全国大会へ参加したことで得た学びは、帰ってきたその日から会社へ還元し、私自身が選ぶ未来への後押しをしていただけるような最高の体験だった。

[文責]林瑞子
有限会社 東光物産

No.154_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部2月例会~

給料はどう決める?
~中小企業の給料の決め方を考えてみよう~

鹿沼・日光支部では2月16日に板屋ビルヂングにて支部例会を、表題のテーマで開催し、参加者は12名となった。報告は齊藤加居氏 / トカール労務サポート・社会保険労務士と私斎藤(公認会計士・税理士)が行い、①給料を上げる必要性、②給料の決め方(理論編)、③生産性を高めて給料を払える事業にするための施策編、④まとめの流れで進んだ。

グループ討論では、給料を払い続けることが簡単ではない環境にあること、利益が出ていない・出にくいのに賃上げが必要になる環境であること、賃上げをしていくには付加価値を高めていかなければならないが、そのための工夫に悩んでいることなど、各社それぞれの意見がだされた。

また、討論には従業員の立場の方も参加して頂き、経営者にとっては貴重な生の意見を忌憚なく伺うことができた。

齊藤加居氏によるまとめでは、大方の社長は従業員に給料を出来るだけ払いたいと思っているが、そのためには軍資金がないといけないという点を指摘し、この2時間で結論が出るはずがない、年に1回は、このテーマで討論例会を開催すべきだ、と提示した。

当日は日本経済新聞社の方にも例会だけでなく懇親会にもゲスト参加いただいた。懇親会でも入ってもゲスト含めた参加者は経営について気になる点が話題の中心となり、社員さんとの関係づくりを価値観の軸に据える同友会らしい例会・懇親会になった。

例会で報告する齊藤加居氏の様子

鹿沼・日光支部2月例会(報告する齊藤加居氏)

[文責]斎藤秀樹
株式会社 ウィステリアコンパス

No.154_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~県南支部2月例会~

2月22日小山市城南市民交流センター「ゆめまち」にて、県南支部2月例会が開催された。

今回のテーマは「SDGs地球の限界と自社経営」報告は関東物流有限会社の山本健二社長が行った。

陸上では、地球の人口は1990年代に50億人だったのが、2022年では79億5千万人に増加。人間の活動により増え続ける大気中の二酸化炭素は水に溶け込みやすく、世界中の海が大量に吸収している。

そして今、私たちの海に「海洋酸性化」という異変が起きているという。酸性に傾いた海の水によって身体が溶け始めた小さな生き物たちの異変は、食物連鎖により、より大きな生き物たちの異変に繋がっていく。そして、このままでいくと海洋資源の5分の1が消滅すると予測されている。食卓からお馴染みの魚たちが消えてしまうかもしれないのだ。

2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにできれば、自然のちからによって着実に二酸化炭素は減っていくらしいが、この目標の達成には、発想の転換や新しい事業モデルの創造が必要だということを学んだ。

そこで同友会である。それぞれが専門性を持った経営者集団である同友会のネットワークに未来を拓く可能性をみる。

「百の姓(かばね)を持つ同友会員が集い、一つの姓で出来ることを二つの姓で出来る、いやいや三つの姓でも出来るようにしよう。百姓になろうよ!会社と地球を存続させる持続可能な開発目標を語らいましょう!」と語りかける山本社長は、「次の最先端は今の日陰」という名言で会を締めくくった。

例会開催時の様子

県南支部2月例会

[文責]中村あさみ
株式会社 ボーダーレス

No.154_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 04 栃木のNEWS
~県央支部2月例会~

緊急座談会
激動する日本と地域
~日本経済と中小企業経営に活路~
について考える

2月20日、県央支部では宇都宮市東コミュニティーセンターにおいて緊急の座談会が開催された。座談会の目的は2月2日に京大名誉教授 岡田知弘氏よる「激動する日本と地域~日本経済と中小企業経営の活路~」と題する講義を受けて、アウトプットする機会を設け、学びを深めようということである。

岡田教授の講義は、直近の日本経済の動向から、平和国家をつくる主体としての中小企業家の役割、更には地域の経済主体が毎年、地域内で再投資を繰り返すことで、仕事と所得を生み出し、生活が維持拡大される「地域内再投資力」の重要性等、内容が盛りだくさんであった。

これらを受けて今回の座談会は支部の垣根を越えて多くの方々に参加いただいた。参加者からは、食料やエネルギー問題等の日本経済が抱える構造的な問題や、県内や各支部が存する地域の特性、会社にとっての地域の捉え方について多くの考え方が披露された。

参加者の置かれている状況や会社の業態に応じて様々な視点・角度から、議論が盛り上がり、有意義な座談会であった。

ここ数年、コロナ禍による健康被害を通じて人間と人間の関係性が破壊された。今まさにコロナ禍から正常化へと大きく舵を切る中で、まずは「人間性の復興」が最重要課題であることを岡田教授の講義によって認識させられた。県央支部においては引き続きこのような座談会の開催により会員間のコミュニケーションを活性化していきたいと強く感じた。

座談会開催時の様子

県央支部2月例会

[文責]小岩圭一
株式會社 総研

栃木県中小企業家同友会

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