『 No.147 』カテゴリーの投稿一覧

No.147_目次

発行日:2022年 8月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.147_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~8月県例会~

あなたは社⾧ですか? 経営者ですか?

若菜義大氏の写真

若菜義大氏

リアルのみで開催された8月の県例会は、千葉県より有限会社わかな造園、代表取締役 若菜義大氏に、「あなたは社⾧ですか? 経営者ですか?」というテーマでご報告いただいた。

プロのサッカー選手を目指していた若菜氏は、思いっきりサッカーに打ち込ませてもらった感謝の気持ちから、両親が経営する造園会社を継ごうと思った。29歳で事業承継し、庭のメンテナンスが中心だった植木屋さんを、カフェの経営や、古民家をモデルハウスとして日本庭園を提案する事業などを行う会社へと成⾧させた。

同友会との出会いは千葉中央支部の設立総会だった。地元の先輩に誘われて、懇親会の数合わせくらいの気持ちで参加した。そこで「この街には経営者がいない」と言われて、社⾧と経営者は違うのか?とその意味を知るために、例会などに⿁参加するようになったという。

社⾧というのは単なる肩書で、いかなる状況下においても、経営を維持発展させ、人を生かす経営ができる人が経営者であり、それが社⾧業ということが理解できた。社⾧業とは、①方向性を示す(理念・ビジョン・計画)、②経営数値の把握、③社内関係構築(社員との信頼関係や環境整備)、④社会的役割、⑤遊び、学び、人脈作り、行動で、⑤の人脈作りは、インプットのために特に重要。システム経営のためにまずは、自分を業務のオペレーションに入れないことから取り組んだ。組織図、業務フロー図、役職定義書と権限委譲などを、時間をかけて積み上げていった。

目指す目的地を明確にするためには、現在地を知ることが大切と、カーナビに例えて経営指針を説明。目的地はビジョンで、ビジョンが明確だと、社員がワクワクしながらビジョンを追いかけることができる。現在地とは、本当の自社。本当の自社を知るためには自社を俯瞰してみることと自社の社員の⾧所を知ること。社員を使えないという人がいるが、使えないのではなく扱えていないのではないか? 社員の⾧所を知り、これはできないけどこれはできる。できることを任せていく。そして、HOWではなく、WHYを伝える。社員が自分で考えて自分で決められるようにしている。

現在第3創業に挑戦中で、造園から提案する建築を目指すための具体的な5年ビジョンを見せてくれた。自分のミッションは、「日本庭園の造れる職人を残すこと」と「次の世代にわかな造園というバトンを渡すこと」だと語った。

グループ討論では、「あなたは現場のオペレーションに入っていますか」と「自社のことを知って経営できていますか」というテーマで討論し、改めて自社の状態を振り返る機会となった。コロナ禍も続き、感染者数も増え続けている中でのリアル開催だったが、参加者の本気度が伝わり、深く学べる例会となった。

8月県例会グループ討論の様子

[文責]NPO法人CCV
神戸真弓氏

No.147_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部7月例会~

家族愛から始まる事業承継!

7月20日に小山城南市民交流センター「ゆめまち」にて、県南支部例会を久しぶりにリアルのみで開催した。

今回の例会は8月に代表取締役に就任する(株)アイテム 取締役専務 阿良山輝明氏の「私の事業承継」であった。

6月の(株)シンデン 代表取締役 八木仁氏の中同恊定時総会のプレ報告例会では、事業を「託す」側の事業承継をテーマにしたが、今回は、事業を「継ぐ」側の視点からの報告であった。

報告は、阿良山氏が先ずこれまでに何を学び、これから何をして行きたいか、そして(株)アイテムに入った動機は何であったかと言う内容であった。

阿良山氏の学びの多くは自社ではなく、社外にあったという。同友会を含めいろいろなところで、「人としての在り方、自分を知る、決算書など数字の意味」を学んできたとのこと。そして今後は「自社の拡大、人員の増強」を展開して行きたいとのことであった。同友会メンバーからは、今後について「先ず不要案件を無くして行くことも必要ではないか」と言う意見も出た。

そして、阿良山氏の入社の理由が「家族愛から」と聞いて、私は共感した。ある会員からは「事業承継は親族承継が主流で家族の団結が大切です。しかし阿良山氏が成長する源になったのは社外にあり、その両方を取り入れる事がポイントですね。」と言う感想が出た。

阿良山氏はこれまで何かを学ぶ時、勇気を持ち1歩を踏み出して来た。今後は(株)アイテムの代表として決断する事が増えてくると思うが、同じように勇気を持ち1つ1つ決断して行き、自社を良い方向へ向かっていけるだろうと思った。

今回の報告は私と共通する所が多く、自分の気持ちをしっかりと見つめ直すことが出来た。

[文責]株式会社シンデン
八木匠

No.147_コラム

コラム

私と中小企業家同友会1

株式会社イシカワ 代表取締役
栃木県中小企業家同友会 副代表理事 石川大樹

石川大樹氏の写真

私が同友会に入会してはや11年になる。その年は東日本大震災による電力不足により、県例会会場の廊下が消灯されており真っ暗で、初めて例会に参加した日、入会したばかりの私はどこへ行けばよいのかすら分からず、戸惑ったことを覚えている。そんな初日の感想は、「経営について、こんなにいろいろな話のできる会があったんだな、いいところが見つかって良かったな。」というようなものであった。もちろん、当時は労使見解だとか、経営指針など、同友会の核となるものなど知る由もない。それでも、「経営者としての自分を磨くならここだ!」と思ったことは今でもはっきり覚えている。

入会して2年ほどは単なる一会員として参加していたのだが、ある日、いつものように例会に参加した後の懇親会の時だったのだが、ある先輩から唐突に「石川ちゃん、来期から理事やってみない?」と言われ、私が「えっ、俺ごときにはまだそんな大役は早すぎないですか?」と返答したところ、「大丈夫、大丈夫。じゅうぶん務まるし、石川ちゃんが理事になるって推薦して反対する人なんかいるわけないよ。」とのことだったので、見かけによらず体育会系で、「返事はイエスか、はいの2択。」という教えが染みついている私は、「わかりました。よろしくお願いします。」と返答し、その次年度から理事を務めさせてもらっている。

理事として参加するようになった同友会は、経営者としての私の考え方や、同友会に対する思いにどんどん変化を与えていった。それは、理事会に出席して同友会に参加ではなく、参画するようになったことや、経営指針や労使見解について学び、全国行事にも積極的に参加するようになったことが大きいと思う。

充実した活動をしていると自己満足しつつ支部例会に参加したある日、支部例会終了後の懇親会で、参加してくださっていた他県の先輩から、関東の青年部で開催しているフォーラムに参加してみないかと誘われた。体育会系の私は二つ返事で快諾し、参加することになった。それから間もなく、私が報告者を務めさせてもらった県例会でのことであるが、当時、中同協から毎月参加してくださっていた国吉氏から、「石川さん、報告の枠を一つ押さえておくから青年経営者全国交流会でやってみなよ。」と言われ、例によって私は二つ返事で了解し、全国大会で報告をすることとなった。今思えば、我ながらなんと浅はかで身のほど知らずであったかと反省しきりである。

立て続けに私に起こったこの2つの出来事が、栃木同友会の活性化と、青年部設立の機運を高めるために仕組まれたものだったと私が気づくのは数年後のことである。そして彼らの目論見どおり、いや、ずいぶん遅かったかもしれないが、今年度、ついに栃木同友会青年部を設立することができた。

入会して11年、たくさんの方々と出会い、たくさんの経験を積むことができた。スケジュールがきつくてしんどいこともあるけれど、それらも含めて自分自身の成長につながっていることが最近やっと自覚できるようになってきた。これからも自分自身の成長のため、また、微力ながら栃木同友会の発展のため、努力していきたいと思っている。


私と中小企業家同友会2

(株)ウィステリアコンパス 代表取締役
栃木県中小企業家同友会 副代表理事 斎藤秀樹

斎藤秀樹氏の写真

私が栃木同友会に入会したのは、東京から栃木に戻ってきて間もない2011年の秋頃。きっかけは栃木県産業振興センターから届いたメールの中にあった「社長の学校」という言葉。当時34歳で、公認会計士・事業再生コンサルタントとして、理屈と数字の世界から徹底して企業再生の経験を積んできた自負はあったが、(株)ウィステリアコンパスではまだ誰も社員として採用したことが無く、社内の人間関係を「社長の学校」で学べる点に惹かれて入会した。

そうこうしているうちに金融機関などからの紹介で事業再生の業務が増え多忙となり、準備不十分なまま県例会報告を行った。しかし何が言いたいのかが全く伝わらず大失敗。それから例会に顔を出すことが減った。それでもたまに顔を出すと、八木仁氏((株)シンデン)から気を掛けて戴き、また同じ時期に入会した同年齢の石川大樹氏((株)イシカワ)に「参加しないともったいないよ」と言われたのが、今でも記憶に残っている。

2013年には石綱知進氏((株)共立)から「共に育つ経営研究部会」を開くので、数字の専門家として参加して貰いたいとお誘いを受け、参加し講座を担当することになった。これは試行錯誤ではあったが、相手に伝わるような説明の仕方を考える良い機会となった。2016年には中同協から発表された「経営指針成文化と実践の手引を用いた経営指針セミナーが始まった。それまで自社には経営計画しか無かった。自分の発表に間に合うように経営指針を短期間で作ろうとしたが、社員さんとの対話が十分でなかったため「それは斎藤さんがやりたいことを書いただけで、会社としてやることではない」と幹部社員に言い切られた衝撃を、今でも鮮明に覚えている。でもこの経験があったから、相手の人生の沢山の時間を共有してもらうためにはどうしたら良いか、命が輝くとはどういうことかを知りたいと思うようになった。そんな時に事務局長に着任した二階堂英夫氏からたくさんの同友会文献を紹介して頂き、それが成長の大きな糧になった。

その後、短期間だったが経営労働委員長をやらせて頂いたり、鹿沼・日光支部を仲間たちと共に立上げその試行錯誤の過程で組織経営を学んだり、全国大会やブロック大会に参加して県外の仲間たちと交流を深めたりと、活動が広まっている。また、理事会の後の懇親会では、山中重雄氏((株)こぶし)にお酒を飲みながら奥様を大切にすることを教えて頂いた。

当社の規模はまだまだだが、昨年度の経営指針の振り返りの時には社員さんから「会社の質が上がっている」「時間を味方につけている」との感想が出たり、更にビジョンを語り合ったりしている。

同友会の仲間と共に成長し、それを自社に持ち帰って社員さんと共に成長し、皆で人生の充実を目指す。そんな楽しい話題でお酒が飲めるこの会をもっともっと広めていきたい。

栃木県中小企業家同友会

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