『 No.148 』カテゴリーの投稿一覧

No.148_目次

発行日:2022年 9月30日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.148_News Topic:全国のNEWS

News Topic 01 全国のNEWS
~第50回青年経営者全国交流会 in 神戸~

鹿沼発! 青全交・神戸ツアー

リアル会議に2000名強が参加

藤村康之氏の写真

第9分科会報告者
藤村康之氏

中小企業家同友会全国協議会の三大行事の一つ、青年経営者全国交流会が9月15日・16日に兵庫県神戸市で開催されました。テーマは「圧倒的な発想転換われわれ青年経営者で次代に誇れる豊かな世界を創ろう!」で、2000人を超える経営者がリアルで参加しました。

今回の分科会は全部でなんと20分科会もありましたが、選んだのは第9分科会の藤村康之氏((株)日産サティオ徳島・代表取締役/徳島同友会)の「輝く社員と地域を救え!〜全社員が夢を叶えられる会社へ〜」でした。

四代目として社長就任時、「社員一人ひとりが輝ける会社にする」と宣言したものの社員からの信頼を失い、孤立。答えを求めもがく中で経営指針を成文化し、社員と真剣に向き合うことで関係が大きく変化しました。人口減少が続く徳島県下で選ばれ成長し続けるために、社員の夢の実現と社業発展が一致する会社づくりのご報告でした。

報告を伺い、自己開示の大切さを再認識するとともに、社長としての成長の速さに驚きました。ご本人の成長に対する強い意思は勿論ですが、社員数129名を擁する企業のプレッシャーと徳島同友会の学びの質の高さも大きな要因になっていると感じました。また、「経営指針の『超大作』を作ったが逆にダメ、誰にも伝わらない。社員との距離ができる。」とのコメントがあり、私自身の自社の経営指針作りや栃木同友会の経営指針作りの癖に、見事に一致しており、貴重な言葉を持ち帰ることができました。

グループ討論は十分な時間を確保されており、各位の状況や意見の交流を深めることができました。テーマは「①あなたの業界や地域の未来はどうなっていますか? ②その変化を見据えて、どう変化し続けますか?」で、それぞれの参加者の業界の状況を伺うことができ、原料価格の異常な高騰や価格転嫁をしなければならないこと、採用が難しくなっていることが、共通する話になっていました。また、グループ討論の進行の中で、発言が長すぎる参加者への時間配分の調整ができない場合にグループ討論はどうなってしまうか、という体験をすることができ、グループ長に関する学びを得ることができました。

第50回青年経営者全国交流会in神戸チラシ

仲間と楽しんで学ぶ

有本哲也氏の写真

2日目の記念講演は、有本哲也氏((株)デジアラホールディングス・代表取締役会長、兵庫同友会副代表)で、「圧倒的な事業モデルの創出と、その成長を支える強靭な組織づくり 〜『事業』『組織』『同友会』圧倒的な進化のための発想転換〜」のご報告でした。

約20年前に先輩から出資を得て28歳で新しい会社を作り、当時はトイレも無い高架下の倉庫で事業を始めましたが今では売上高164億円、250名の企業になりました。何もないところに唯一あった大手メーカーのエクステリア仕入販売口座、当時は誰も気にも止めなかったインターネット、たまたま入った手の届かない遠方から入った施工の依頼。これらを突き詰めていった結果が現在の企業規模に繋がりました。

発想転換により強いビジネスモデルが生まれ、成長していったというストーリーでしたが、欲を言えば、強いビジネスモデルに至るまでにビジネスモデルの断片を繋ぎ合わせていく過程の、諦めずに磨き続けていったその精神的な原動力、そこをもっと深掘りして聴きたかったと感じました。

さて、今回の全国大会は、別途、自分のテーマ設定をしていました。それは「鹿沼日光支部の全国大会ツアー in KOBE」です。9月15日の朝は鹿沼市内で4時30分に初全国大会となる上杉龍矢氏(月とスパイス)宅に車で迎えに行き、続いて神戸真弓氏(NPO法人CCV)宅近くを経由し、続いて初全国大会齊藤加居氏(トカール)宅近くを経由して4人で6時30分に茨城空港へ到着、空路で神戸空港へ向かいました。1日目夜の栃木同友会限定懇親会では神戸氏・齊藤加居氏・私に八木匠氏(シンデン)が合流、2日目のお昼は鹿沼のカレーの名店オーナーである上杉龍矢氏が神戸元町でチョイスしたインドカレー店で食事。そして帰りは往路と同じメンバーが逆ルートで帰るという楽しくも贅沢な行程でした。帰路の車中での会話が往路よりもずっと深まって経営者としての気持ちから湧き上がる一問一答の会話となり、これぞ「青全交から鹿沼に持ち帰ってきた熱量!」でした。

今後も、全国大会は『○○○ツアー!』の形にして、たくさんの栃木の仲間と、楽しんで学んでいきたいと思います。

[文責]斎藤秀樹
(株)ウィステリアコンパス

No.148_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部8月例会~

若者の苦悩と先輩の激励!

2022年8月24日、小山市城南市民交流センター「ゆめまち」にて県南支部8月例会が開催された。通常は報告者による「報告」の形式をとるが、今回はこれを変え「課題提起」とした。

課題は「社員さんとの程よい距離感は?」、提起者は株式会社シンデン専務、八木匠氏(以降匠氏)。今回の趣旨背景を説明するには、匠氏の紹介が必要であろう。匠氏は当会代表の八木仁氏の長男であり、後継者。2021年に「専務」の役職で入社、同時に同友会入会、年齢は27歳。前職は大手メーカーにて製造業務に携わってきたが一般社員、勿論部下など持った事はない。その彼が何十人と言う人生の先輩方を部下に持つ「専務」となった。

さて彼の日常は? 心情は? 以上で趣旨背景の説明はよろしいだろうか。入社から1年、「想像通り? 予定通り? の気苦労」が匠氏を襲っているらしい。「①この状況を話せる場がない」「②この状態をどう見るか?」「③同様の経験はお持ちではないか?」「④アドバイスを頂けないか?」この4つ辺りが今回の課題提起の機会を希望した匠氏の心情と筆者は見る。事業承継においてこの事象は所謂「アルアル」ではあるが、難しい問題である。

匠氏の「助け」となる良策良案が出るのだろうかと心配されたが、それは全く全くの杞憂となる。予定時間が来ても終わらぬほどの「経験談披露」「助言」「提案」の嵐がその後続くのである。「私も全く同じだった」「結果を出せば認められる!」「気を遣わずに気を配れ!」「自分の道を創れ」「慣れろ!」「覚悟が大切!」「自分のミカタを早く作れ!」厳しくも暖かい言葉が会場を飛び交った。通ってきた道、経験が異なる故にそれぞれのアドバイスは異なるのであろう。

しかし、「自分と同じ苦労はさせたくない」「若い仲間を助けたい」の思いは皆同じであった。一つの目標に向けて異なる角度からアプローチ。同友会は若者を助け育てるにも最適の場所と再認識した県南支部8月例会であった。

県南支部8月例会「課題提起」討論の様子

[文責]福田忠史

No.148_コラム

コラム

私と中小企業家同友会1

有限会社赤札堂印刷 代表取締役
栃木県中小企業家同友会 理事 小山研一

小山研一氏の写真

私が栃木同友会に入会したのは、1986年頃で28才位だったと思います。営業の足しになれば…なんていう軽い気持ちで入会しました。

当時は、バブル景気に突入せんとする頃で大きな話が飛び交い、好景気に浮かれていました。同友会の経営指針セミナーでも「前年比10%増なんていう目標ではだめ、2倍、3倍にするような目標を」と、ハッパをかけられたものです。

とにかく求人難の時代で、募集しても人材が集まらない事が発足間もない栃木同友会の会員の共通の悩みでした。そこで、東京の真似をして共同求人をやろうという事になり、やり方もわからないままに十数社でポスターを作って県内の高校・専門学校・大学などに配布して合同説明会なるものを企画しました。

さてその当日、会場設営をして待ち構えるも、一人も来ない。途方に暮れているところに、たった一人作新の進路指導の先生がたまたま様子を見に来てくれました。「君たち、そんなやり方ではだめだよ」と、言う事で急遽、高校の新卒求人のノウハウについてアドバイスをしていただきました。企業説明会のはずが我々が説明を受けるという、笑えない状態でした。

翌年からは高校生、大学生それぞれに合った活動が出来るようになりました。また、同友会の共同求人は有名だったので、県内の大手ステーキチェーンや自動車販売、生協なども加わり形は整いました。しかし、長続きしなかったのは、同友会の理念ということが根底になく、ただ「採用」のためだけに集まって共同でやったに過ぎなかったので、求人状況が好転するとともに同友会から離れて行ってしまったように思います。

今思えば、わが社で人材が集まらない、育たなかったのは、経営者(自分)が未熟だったのです。同友会の例会で先輩経営者の素晴らしい経営体験を聞いて自社に帰るたび「笛吹けども踊らず」の社内に焦りと孤独感に苛まれていました。

経営理念を作って毎年計画を立て、どういう会社にしたいのか、具体的にどんなを目標を達成すれば利益が上がり社員にも還元が出来るのか、明文化し共有するなかで自信もつき、会社も安定しました。

あれからナン十年。残念ながら、何倍にも伸ばすような華々しい成果は上げられませんでしたが、毎年堅実に利益をあげてこられたのは、同友会で学んで指針を作れたからだと思います。


私と中小企業家同友会2

NPO法人CCV 副理事長
栃木県中小企業家同友会 理事 神戸真弓

神戸真弓氏の写真

NPO法人CCVは、フリースクールと障害福祉サービスを営む法人である。同友会との出会いは、「人間尊重の経営」という言葉を見た時だ。この言葉を掲げる同友会に入っている企業なら、障害者雇用に協力的なのではないかと考え、障害者雇用と実習先開拓を目的に入会した。

入会当時は、県例会等には参加せず、障害者問題委員会(現ダイバーシティ委員会)のみの参加だった。事業所が2つに増え、職員も増えてきた頃、徐々に経営を意識するようになり、経営指針セミナーを受講することにした。1年目は、数字(経営計画)について学ぶことだけで精一杯で経営指針を作るどころではなく、濃霧の中を歩いている感覚だった。2年目になってやっと数字も理解できて、理念と運営方針を作る事ができた。

当時私はまだ管理者ではなく、職員さんと一緒に現場で支援をしていた。理念と運営方針ができただけでも、現場の空気感が変わったように感じた。それからは県例会にも参加し、経営指針をつくるための学びを深めた。その後管理者となり改めて、自分が管理する事業所の経営指針をつくるために、再度セミナーを受講した。「理念」「ビジョン」「経営計画」をつくり、それを組織全体に浸透させていくために必要なことを、サポーターの皆さんや事務局の二階堂さんから、丁寧に教えていただいた。ひとつひとつできることから取り組んだ。

同友会は、人を大切にすることと同じくらいに、持続可能な経営を存続させ、そして発展させることの大切さを私に教えてくれた。倫理観と経営のバランスが大切だと教えてくれた。経営指針を職員さんと共有してから、職員さんが主体的に動けるようになったと思う。

これからは、経営指針を職員さんと一緒に磨いていき、目指す方向を共有したいと思っている。働きがいややりがいは、「やりたい」という気持ちがないと生まれない。主体的でないとその「やりたい」という気持ちは生まれない。働きがいを感じて働ける職場を職員さんと一緒につくっていきたい。そして利用者さんと職員さんが共に輝ける職場をつくっていきたい。

そのためにこれからも同友会を通して異業種の方々と共に学びを深めていきたいと思っている。

栃木県中小企業家同友会

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