『 No.170 』カテゴリーの投稿一覧

No.170_目次

発行日:2024年 7月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:https://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.170_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部6月例会~

花で皆を幸せにしたい想いで「ありがとうの伝導業」へ

大矢みな氏 写真

大矢みな氏

株式会社花茂 代表取締役であり、現在千葉同友会理事・経営指針委員長を務める大矢さんのお話を伺いました。経営指針委員長ということもあり経営指針に基づいた経営の重要性を話されました。

経営指針に基づくことで、「①経営者の言葉や態度の一貫性が生まれる。」「②日々の行動が変わり結果にフォーカスできる。」「③自社固有の役割や選ばれる理由が明確になる。」大矢さんからは強い目的意識と、自身の役割や使命感を経営指針から感じました。

株式会社花茂は1946年創業。今年78周年を迎える老舗の花屋さんです。現在従業員約20名、売上高約3億円、フラワーギフト小売・卸売のみならず庭のメンテナンスやフラワースクールも展開されています。

戦後間もないころ、おばあちゃんが創業した小さなお花屋さんは地域のコミュニティとしての固有の役割があったそうです。バブル期には今の3倍以上の売上高と100人近くの従業員、会社経営は花の総合商社として拡大していき「金儲け」が主になっていったと語ります。時代の流れで衰退期を迎えたころに、大矢さん自身が代表取締役に就任し変革が始まります。

家族や従業員との大きな軋轢を生みながらも、売上重視から利益重視へと、人を大切にしない経営から大切にする経営へと大きく経営改革をされたそうです。

大矢さん個人の中でも相当な孤独や恐怖との闘いがあり、そんな環境の中でも他責をやめたり、自己効力感を高める行動、脳科学や心理学を学んだりと努力されたとのこと。今、花茂は「ありがとうの伝導業」という固有の役割と「地域に無くてはならない花屋さん」としての存在価値を示し続け、大矢さんご自身も強い使命感をもって会社経営を続けてらっしゃると素敵な笑顔から感じることが出来ました。

グループ討論では「①あなたの人生理念は?」「②どんなことで無くてはならない会社になりますか。」というテーマで話し合いました。皆さん「人のため」というワードや前向きな人生理念を語られ、会社理念に色濃く反映されていました。

当たり前ではありますが経営者自身の価値観変容がその後の無くてはならない価値の創造へと繋がると強く感じる例会となりました。

[文]仲田知史
(株)TNプランテーション 代表取締役

No.170_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部6月例会~

営業ってどうやってますか?

6月19日、小山城南市民交流センター「ゆめまち」で県南支部例会が開催された。

今期、県南支部は「参加者の悩みをみんなで解決していこう」の発想のもとに企画されている。今回のテーマは「営業ってどうやってますか?」の一言から始まった。発表は営業のプロ福田忠史氏。他の支部からの参加者も含めて17名と、関心の高さが伺えた。

営業とは何ですか? の質問から始まり、参加者からは「商品やサービスを売ること」等の回答が上がった。営業とは、「お客様の問題解決をすること」と福田氏は言う。営業は個人のセンスや感覚ではなく、科学的な手法に基づいている。営業の基本は学ぶことができるし、実践して磨き上げることもできる。営業にも「守・破・離」があり、まずは基本が大切である。

人は買うことは好きだが、買わされることは嫌いだ。人がものを買う時は必ず心が動く。心理学の理論を活用すると、「不満→欲求→決心→購入」という過程を理解することができる。営業には、聴く力、訊ねる力、伝える力、察する力という4つの重要な要素が必要だ。

これらはスキルであり、コミュニケーション能力を鍛えることで向上させることができる。営業においては何を聴くかが重要であり、お客様の話、思い、考えに耳を傾けることが必要である。聴く際には常にYESで受けることが大切で、NOという反応はお客様の心を閉じる原因になるから注意が必要だ。質問は、二者択一話法を使い、必ず答えが返ってくる問いをする。察する力は場を読む力。お客様の求めているものを理解することが重要だ。

今回は各人に予め配られたスケッチブックに、福田氏からテンポよく出される質問の回答を記入し、参加者全員に見えるよう頭上に掲げて、指名された人は短く補足説明をした。福田氏の巧みな話術と場をつくる力により、大いに盛り上がった。次回の県南の例会も目が離せない。

県南支部6月例会開催の様子

[文]中村あさみ
(株)ボーダーレス 代表取締役

No.170_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~第2回宇都宮大学生との懇談会~

「地域に若者を残し、地域で若者を育てる」
を学生と共に考えた

6月25日に宇都宮市東コミュニティセンターにて宇都宮大学生との合同例会が開催された。

学生側の「地元で就職を考えている学生が多いが、地元企業の魅力を知る機会がない」「学生がミスマッチの無い就職を地元で実現できる環境を作る」という願いと、「どうしたら中小企業の魅力を学生に知って頂けるか」という同友会の願いが一つになり、7月21日に宇都宮大学内でインターンシップマッチング会が開催される。今日はそこに向けて双方の理解を深めていく例会となった。

例会では、コラベルト 小倉大河氏・鈴木惟吹氏(宇都宮大学地域デザイン学部3年生)からの学生アンケート調査や体験報告、宇都宮大学生 柳田涼氏・増田壮真氏・鎌倉理帆氏によるインターンシップ体験報告、インターンシップの運営・考え方を中小企業家同友会全国協議会事務局 横山朋美氏より、また、インターシップの事例説明を(株)サンプラスチック・大江正孝氏(経営労働委員長)より説明を頂いた。

コラベルト 鈴木氏から7月21日参加予定企業への事前取材の際の「『地域に貢献している』という誇りを社長が持っていると実感、大企業のCSRとは違いすがすがしく感じました。」という感想を述べられた。

グループ討論では、「インターンシップを受けたいのはなぜですか? 受けてもらいたいのはなぜですか?」をテーマで行われ、私が属した第2グループでは、会員側からは、地域にある中小企業で働くワクワク感を感じてもらいたい、インターンシップを受け入れることで起こる自社の社員の変化を期待したいという意見があり、学生からは資料を見ても気づけない、「働く」ということを知りたい、社会に対して価値をどうやって生み出せるようになるかを知りたい、といった意見があった。

私自身、今回の同友会の一連の取り組みがきっかけとなり、今期初めてインターンシップに挑戦する。「地域に若者を残す、地域で若者を育てる」中小企業に向かう貴重な学びを得ることができるため、今後もより多くの方に参加して頂きたい。

宇都宮大学生との合同例会開催の様子

[文]斎藤秀樹
(株)ウィステリアコンパス 代表取締役

No.170_News Topic:全国のNEWS

News Topic 04 全国のNEWS
~第27回女性経営者全国交流会 in 大阪~

ビジョンを絵で表現する。

第27回女性経営者全国交流会 チラシ写真

 1日目は、第5分科会「人と地域を大切に思う心こそが社会を強くする」((有)サンディオス 津賀社長)に参加した。

地域に根差した企業になるために実践したことは、会社に対する信用づくりとのこと。それは、特別なことではなく、就業規則の作成・残業代支払・財務公開から始めたという。年2回顧問税理士さんから社員全員で数値の見方を学んでいるそうで、顧問士業の活用をうまくされている事例だなと感じた。「会社に対する信用づくり=社員が会社を信用して安心して働ける場所と思える」ことが大事である。

同友会に入会して腹を割って話せる仲間ができ、会社の大小関係なく悩みを前向きに解決できるようになったことが社内改革に取り組むきっかけだったそう。

広告制作業だけでは今後もたないと悩んだ時も、橋本久美子氏の「川上にいこう」という言葉を社内に落とし込み、「広告制作=クライアントを応援する」という定義にたどり着き、受け身の広告制作だけでなくマーケティング支援、プレゼン支援、地域イベント運営を始めたので、本業にブレずに業務の幅を広げて地域とのつながりを深めていけたというところが着実に成長できた要因とのことだった。

グループ討論の発表では、「業績もよくならないと人を生かす経営にはならない」や「社員の感情に振り回されず、仕組みを作って対応する」こと、また「同友会の運営自体は果たしてダイバーシティ経営となっているだろうか?」という問題提起にまで及んだ。

2日目の記念講演は「社会起業家として生きる。」(認定NPO法人Homedoor 川口理事長)で、19歳でホームレス問題を解決しようと起業されたところから現在までの流れを講演していただいた。

ホームレス問題では全国でボランティア団体等が様々な支援を行っていることを報道等で拝見するが、ここまで原因や社会構造自体の分析や解決するための手法を考えて、寄付金等に頼るだけでなく億単位の借金までして実行している話は初めて聞いた。

ホームレスの方々にただ甘えさせるのではなく、丁寧にヒアリングして選択肢を提供する、ヒアリング内容から自社のサービス内容も考えていくという考えで「誰もが何度でもやり直せる社会を作る」というビジョンで運営されている。

2日間共通していたのは、ビジョンを絵で表現されていた点だった。こんな社屋で、こんなサービスを提供して、こんな人々とつながりたいという絵である。社員や地域の方にビジョンを共有するのに、パッと見てわかりやすいというのも大事なことであると学べた全国大会であった。

[文]齊藤加居
トカール労務サポート 代表

栃木県中小企業家同友会

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