Posted on 2023年7月30日(日) 09:00
News Topic 03 栃木のNEWS
~県南支部6月例会~
M&Aから1年、老舗の変革実践報告
6月28日、ゆめまち(小山城南市民交流センター)にて県南支部6月例会が行われ、報告者を株式会社三福酒造の藤田顕吾社長が務めた。
国内の日本酒需要は1973年をピークに50年の間減退している。また、ここ数年のコロナ禍でさらに減退のスピードが速まった。後継者もなく廃業を考えていたという三福酒造前社長と、海外向けの酒類提供を考えていた五常産業株式会社の藤田明男社長(藤田顕吾氏の父)は双方のニーズがマッチングし事業承継が実現した。
藤田氏は創業120年の造り酒屋の5代目として就任してからの1年を振り返った。
「国内においては日本酒離れが進み、さらに原材料費の高騰も相まって、これまでの薄利多売戦略は難しくなってきている。」といったこれまでの状況を鑑みたうえで、「親会社とのシナジー効果で海外への輸出が伸びている。また、国内においては日本の文化を伝承する事業(歌舞伎座等)とのコラボレーションを図るなど、インバウンド市場への参入も進められている。」といった現状が報告された。
最後に氏は「社長になって1年、まだまだ分からないことも多いが、日本酒の良さがわかってきた。やれることはたくさんあるので挑戦していきたい」と語った。
[文責]事務局
Posted on 2023年7月30日(日) 08:00
コラム
中小企業とAI
新時代のビジネス戦略としての「Chat GPT」産業革命、インターネットの出現といった歴史的な変革は、社会、特にビジネスの世界に大きな影響を及ぼしました。これらの変化に対応することで、多くの企業が新たな価値を生み出し、成長を遂げてきました。
今、私たちは新たな変革の波、AIの時代を迎えています。特に2022年に公開された生成AI「Chat GPT」はその最先端と言えます。このAIは、自動文章生成の能力を使って、広告文の作成や、報告書の作り込みなどにも活用できます。さらには、会社内のQ&Aシステムや、社内教育への利用も考えられます。
しかし、新たな技術の登場は必ずしもすぐに喜ばれるものではありません。AIが仕事を奪うとの懸念や、人間の創造性が奪われるとの議論もあります。それでも、歴史を振り返れば、新たな技術の登場は常に我々に新しい価値を提供してきました。ここで重要なのは、AIの進歩を「恐れる」のではなく、「活用する」ことです。生成AIがもたらす新たな可能性を理解し、自社のビジネスにどう活かせるかを見つめることが求められています。
AIを活用するために必要なのは、まずはAIの存在を認識し、その基本的な考え方を理解することです。そして、次に専門家と協力しながら具体的な導入計画を進めることです。この新たな道具、生成AIをうまく使いこなすことで、中小企業も大企業と同等のパフォーマンスを発揮し、更なる成長を遂げることができるでしょう。
そして、それが同友会の目指す「三つの目的」につながることでしょう。変化を恐れず、新しい可能性を探求しましょう。生成AI(Chat GPT)の力を借りて、一緒に新しいビジネスの未来を創造しましょう。
「この記事は、OpenAIによって開発されたAIであるChat GPTの協力を得て作成されました。Chat GPTは自然言語処理の技術を活用し、人間と同様の文章を生成することができます。今回はその力を借り、本稿を提供することができました。未来のビジネス環境におけるAIの活用について考えるきっかけになれば幸いです。」
[文責]有限会社 トレンディハウス
野田精一
Posted on 2023年6月30日(金) 12:00
発行日:2023年 6月30日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。
Posted on 2023年6月30日(金) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~栃木同友会情勢学習会~
歴史と理念に学び未来を切り拓く!

吉田敬一氏
5月29日(月)小山市市民交流センター「ゆめまち」およびサテライト会場2か所(宇都宮市・鹿沼市)とオンライン形式で県南支部主催の情勢学習会が行われ、34名が参加した。講師には駒沢大学名誉教授の吉田敬一氏をお迎えし「歴史と理念に学び未来を切り拓く!」というテーマで、情勢分析とコロナ禍後の経営戦略についてお話し頂いた。
トリクルダウンの構造はすでに崩れている
まずは情勢分析から。日本企業の強みや特徴は基幹産業である重科学工業(自動車、家電等)での「カンバン方式※1」による高品質体制と、親会社と子・孫会社のピラミッド型の産業構造によりお金が行き渡るトリクルダウンの構造にあった。しかしグローバリゼーションにより大企業は海外に製造拠点を移し、国内産業は空洞化しこの構造が崩れた。
世界規模での地産地消が進み「made in Japan」から「made by Japanへ」へと変化したため、日本企業の製品が売れる事と日本経済が潤う事は連動しなくなった。
さらに、為替のトリックや株主の大半が外国資本に変化した事もあり、日本企業の株価の上昇と実態経済の回復は連動してない。
株主への利益配当が最優先される株式会社の仕組みと、外国資本化により利益配当金が国外に流出する構造的な問題があるためだ。
中小企業を取り巻く経営環境の悪化
国は長期にわたり円安政策に固執したが、上述の構造変化により国内経済は一向によくなっていない。
そして実質的外資企業である大企業を優先する一方で、国内経済の真の担い手である中小企業を軽視する政策がとられている。
さらに、中国との経済的な結びつきが深い一方で、政治的には米国との関係性が強く、米中対立問題の難しさも語られた。
中小企業をとりまく経営環境はかつてない程の厳しさを増し続けている。
中小企業の生きる道
つづいて中小企業がとるべき経営戦略についての話がされた。
利益追求は大企業がやることであり、中小企業は社会的使命を全うすることが重要だとされた。
「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」という言葉が引用され、道徳感をもちながら利益を追求する「良き経営者」である事の重要性が強調された。
印象的だったのは3代目経営者(≒後継経営者)の使命感の稀薄さについて触れられた点だ。後継経営者が自らの使命感と会社の社会的使命を調和させる事の難しさが指摘された。
これは後継経営者たる私が常に感じていた問題であると同時に、構成人員として後継経営者が多数をしめる栃木同友会においてより真剣に取り組むべき課題であると感じた。
さらに、時代の変化にあわせた事業形態の変化についても言及された。吉田先生が提唱する「徹本業※2」、「拡本業※3」、「脱本業※4」による事例についても話されたが、業態変化をとげた先達企業はみな、基本となる「徹本業」が実践できているとの事だった。まずは現業を徹底的に極める姿勢こそが活路を見出すと感じた。
そして「温故知新」についての話があった。「本業に囚われずされど本業を離れず」。事業の表面的・物理的なところに縛られず本質である「機能」に着目して事業ドメイン(領域)を考える事で生き残るべき道が見えると語られた。その他紙面の関係で全てを取り上げられないが、同友会の目指す良き会社、良き経営者について深掘りする事で今後の経営戦略を見出す事ができるはずとのお話しだった。
今回の講義から有益で多様な経営の切り口をご教示頂く事ができた。これを糧とし会員の皆様が最上の経営判断をされる事を祈りながらこの記事を締めたい。
- 【※1】カンバン方式:必要なモノを必要な量だけ調達する方式。予備在庫を良しとしない特徴がある。
- 【※2】本業に徹すること。
- 【※3】本業を拡張して隣接異業種や隣接市場などに事業領域を拡大もしくは移行すること。
- 【※4】本業を脱してまったくことなる事業に進出すること。しかし機能等の面での繋がりなど企業としての連続性は失わない事が重要とされる。
[文責]タカマチ産業株式会社
山嵜俊也
Posted on 2023年6月30日(金) 10:00
News Topic 02 全国のNEWS
~第9回関東甲信越青年経営者フォーラム in 東京~
楽しくなきゃ学びじゃねえ!
令和5年5月27日にベルサール半蔵門にて、関東甲信越青年経営者フォーラムが開催された。
実行委員会は飯尾省吾氏((株)イキカタ・東京同友会)を委員長となり、「今までにないフォーラムにしよう」と決意して開催準備を進めてこられたとのこと。どのような学びとするかについては、苦しんだ経験、辛い思いこそ学びという前時代的な考えでなく、とにかく楽しく学ぶ!経営者が楽しんでなかったら、社員も楽しく働けない!という思いのもと、「楽しくなきゃ学びじゃねえ!」というスローガンを掲げた。この点は栃木同友会としても真摯に学ぶべきところと感じた。
パネルディスカッションでは、パネリストとして山貝誠氏(有限会社 能登新・新潟同友会)、岩崎貴裕氏(有限会社 オートトレーディングロック・神奈川同友会)が、ファシリテーターには山﨑将臣氏(有限会社 山﨑製作所・群馬同友会直前青年部長)と大垣広太氏(株式会社 KSP・東京同友会青年部長)が登壇した。
郷土料理屋である(有)能登新を11代目として承継した山貝氏は、社内外の常識を壊しながら粘り強く社内や漁港で誰もやっていなかった地域の水産資源に価値を付ける料理作りをやり続け、やがて共感する仲間たちが増え、地域のあたらしい動きとなった点を報告。(有)オートトレーディングロックは岩崎氏が創業した企業で、国内で価値が低くなった自動車の中古部品を海外の様々な国へ販売している。「普通に生活」していたら思いつかないような発想を自身の海外渡航体験を通して見出し事業化した点を報告。二人は承継者と創業者、地域資源を生かす事業と海外へ販売していく事業とで立場も付加価値の付き方も全く異なるが、「常識」に囚われないチャレンジをして新しい価値を作った点で共通している。
グループ討論では、グループ長を同友会歴が浅い会員が務めていたが、その方にとって新しい体験をチャレンジする場として、配役されたのだろう。
私自身も今まで参加したことが無かった懇親会二次会にチャレンジしたところ、前々から支部活動で連携したいと考えていた他同友会の方とお会いし、活動の協力をお願いすることができた。
本フォーラムでは、普段と違う発想・行動でチャレンジをすることを学び、実践した結果、早速大きな成果を得ることができた。このような場に栃木同友会からより多くの仲間たちが参加し、それぞれ自社に持ち帰れるよう、今後もより多くの会員を誘いたい。
[文責](株)ウィステリアコンパス
斎藤秀樹