『 No.159 』カテゴリーの投稿一覧

No.159_目次

発行日:2023年 8月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.159_News Topic:全国のNEWS

News Topic 01 全国のNEWS
~中同協第55回定時総会 in 埼玉~

今こそ同友会理念の実践で
地域と中小企業の未来をつくりあげよう
~時代の転換期こそ変革のチャンス~

2023年7月13日~14日、中同協第55回定時総会がさいたま市のソニックシティをメイン会場に開催され、すべての同友会から約1200名の参加があり、今回栃木からは7名の参加であった。

総会1日目は、まず全体会で、議案の大まかな説明が行われ、次に各自、分科会ごとにわかれ、議案書に書かれているテーマを討議し深めることになる。今回の総会は、情勢分析や、同友会理念、求人や教育、SDGs等のテーマに16の分科会に分かれ議論し、学びあった。

2日目は、各分会で話し合ったことを踏まえて再度全体会で確認するという流れであった。

定時総会で審議される中同協議案書は、その第1章では前年の振り返り、第2章は我々中小企業をめぐる、海外を含めた情勢分析、そして第3章は、1章、2章を踏まえての活動方針で、我々の企業活動と、それを取り巻く経営環境への提言となっている。そしてそれを遂行する会員と各地同友会活動方針を示してくれている。

「後だしの戦略はない。」と誰かから聞いたことがある。経営者は、皆が語り始める前に準備し、軸足を移し始めていなければならない。同友会の議案書は、情勢分析と今後考えなければならない経営の羅針盤として、一歩先を行っていると何度も思った。ぜひこの議案書をしっかり我々の経営に取り組んでいこうではないか。

そして、定時総会後の記念講演では、「中小企業の役割と魅力~中小企業家同友会への期待~」というタイトルで独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)の豊永厚志氏に講演をいただいた。当機構は、よろず支援拠点、事業承継・引継ぎ支援センターの全国の本部で、日頃お世話になっているところである。

講演は、現在の厳しい事業環境打開のためには、中小機構としては、関連する支援メニューを考えていて、特に以下にあげる5項目に注目して欲しいと語った。

1つ目は、「事業再構築」で、これはすでに事業再構築補助金に見られるように、これらに積極的に取り組んだところは、売上以外でシナジー効果を発揮し始めている。

2つ目は、「デジタルトランスフォーメーションDX」である。このDX成功のカギは業務プロセス刷新にまで計画的に踏み込めるかどうかとのこと。

3つ目は、「輸出の拡大」。中小企業で海外展開を実施している企業は約2割しかない。現在インバウンド消費がもどってきているが、過去の例では、訪日した外国人がきっかけとなり、輸出が拡大してきた。中小機構では新規輸出1万人支援プログラムが実施中とのことである。

4つ目は、脱炭素やSDGsなどの「社会的課題に対応」して欲しいとのこと。脱炭素はまだ不十分であり、SDGsは企業の社会的責任やイメージ向上に成果があがるはずである。

5つ目は、多様性尊重、働き方改革、健康志向の高まりで、「ひとを大切」にした経営を考えて欲しい。とのことであった。

中同協第55回定時総会 報告の様子

[文責]代表理事 (株)シンデン
八木 仁

No.159_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県央支部暑気払い “地元とちぎ再発見”~

合い、会い、愛で愉しく

手塚由喜氏の写真

手塚由喜氏

コロナウイルス感染症の制限が解除され、再び外国人観光客をはじめ多くの人で溢れかえった7月22日(土)の東武日光駅前。ロータリーに沿って並ぶ土産屋のひとつ、有限会社東光物産の二階レストラン「お食事処あづま」にて、県央支部暑気払いが開催されました。

梅雨明け宣言すぐの晴天(猛暑)とあり、文字通り暑気払い日和となったこの日、額を汗に県央支部の皆さんとご家族、関係者など16人が集まりました。

幹事は有限会社芯和の高橋和子さんで、暑気払いについては、以前、同友会で議題のあがった地域再発見のヒントを仲間と共有し、かつ、女性が参加しやすいものにしたかったと話します。講演会と懇親会の二本立てとし、懇親会では、参加者それぞれが推す地域や自社の土産を持参し、くじ引きで交換するというアイデアも思いつきました。

今回、私は、これまで女性向けタブロイド新聞紙の記者や季刊誌の編集に携わっていた経歴から、高橋さんより講演の依頼をいただきました。今まで取材した中から、テーマ「意外と知らない!? 地元栃木を再発見! 合い、会い、愛で愉しく」に沿った何かを紹介してくれとの内容です。経営者の皆さんの前で恐縮しつつも、日光、鹿沼、宇都宮、茂木で出会った人やモノ、コトを地域愛、女性の力など記者の観点からお話しをさせていただきました。

その後は私を含めた、皆さんお待ちかねの懇親会がスタート。冷えた飲み物で乾杯し、各自持参した果物や野菜、お酒などのお土産を交換し、改めて地域に眠るお宝を発見することが出来ました。もちろん、“あずま”さんが作る趣向を凝らした日光湯波料理をはじめその地に伝わる漬物や醤油などを前に、自慢したい栃木の良さを再確認したのは言うまでもありません。

愉しく笑い、そして、五感で学ぶ。経営の話しは出来ない私ですが、参加者の皆さんと情報交換をしつつ大いに盛り上がった貴重な一日となりました。

県央支部暑気払い 開催の様子

[文責]モノカキビト
手塚由喜

No.159_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~県南支部7月例会~

経営者の仕事とは?

中村あさみ氏の写真

中村あさみ氏

7月25日(火)小山市民活動センターゆめまちにおいて県南支部例会が開催された。報告者は新会員である株式会社ボーダーレス(金属切削加工業)の中村あさみ社長。今回の報告記事では、例会報告とその中で私が感じたことの2つの点について書かせて頂く。

中村社長は全くの親族外承継の後継社長。元々は同社の事務員。前社長に「あなたが継承してくれなければ会社はたたむしかない」といわれ、何もわからないまま2018年に代表交代。先代との伴走期間はわずか3年。先代の急逝により指導者を失う。さらに営業部長、工場長、経理担当者というブレーン3名も相次いで失う。

先代の「経営者の仕事はみんなが働ける環境を整備してあげること」という言葉を意識しひとり孤独に悩みながら奮闘しつづけ、助けを求めるように栃木同友会にたどり着いた。

最初に顔合わせしてから、氏はいつでも謙虚で、不安を抱えてみえた。報告を聞きながらこの状況でよくがんばってこられたと驚嘆した。しかし会社は売上を維持して利益を出せているという。きけば新規開拓も見積りも氏が自ら行っているようだ。サポートもない中でそれらをこなし、利益をだしている事に非凡な経営者の素質を感じた。しかし経営課題も山ほどある。日々心は休まらないことだろう。

その後は氏から出された疑問から2つの問いかけを座長がピックアップし掘り下げるという形で議論。

Q1.「経営者の仕事とは?」参加者からは「喜び探し、考える、捨てる、経営指針をつくる、継続、信じて任せる、決める、見守る、兵站」といった回答が。その意図を確認し掘り下げを行った。

続いてQ2.「同友会で何が学べるのか? 実は何が良いのかまだわかっていないんです。」これを聞いたときに支部幹事としてドキッとした。

ここからは私が感じた事について書かせて頂く。常連会員は忘れがちだが、新会員の方は同友会の魅力がまだわかっていない。氏も期待してくれているがまだ得られていない。それが表れていた。

実は先日別の会員から「会の魅力がわからない」と相談された事も思い出された。これはオリエンテーションで説明を訊けば解決する浅い問題ではないだろう。この日の参加者は全員後継経営者。過去の同友会では創業者が多かったと思うが現在は違う。当然ニーズも抱える悩みも違う。経験、知識、価値観も違う。現在の参加主体者の課題に着目しその解決を目的に例会のつくり方やテーマ設定などを再構築する時期にきていると感じた。さらに諸活動と会員のニーズをマッチングできるわかりやすさも必要と感じた。

間もなく会費の値上げ時期になる。私は会費以上の価値を知っているが、新規会員でも感じられなければダメだろう。深く入って学ぶほど奥深いという玄人向けの面白さだけでは会の維持拡大は難しい。謙虚にしかし貪欲に学ぼうと自ら門戸を叩いてくれた中村社長のような会員に応えられる栃木同友会で有るために変革の必要性を感じた。

[文責]タカマチ産業株式会社 代表
山嵜俊也

No.159_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 04 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部7月例会~

地域に暮らす人々の繋がりを楽しみながら
実感する取り組み

令和5年7月の鹿沼・日光支部の例会はNPO法人福聚会・ソーシャルワーク事業所そえしあの松本佑司氏の報告となった。松本氏は令和5年6月に入会いただいたので、入会直後の報告となる。

松本氏は前職でソーシャルワーカーとして病院で働くが、患者様の命を救えても社会的には救えない現実を実感し、たくさんの人の繋がりがある地域づくりを目指し独立。目の前にいる人たちに寄り添い、幸せを感じることができるようにソーシャルワーク事務所そえしあを令和4年4月に開設した。

同事務所が行う事業は①個別支援(市民向け総合相談、成年後見等受任、事務委任契約・死後事務委任契約)、②地域住民向け、③専門職・事業者向けである。松本氏によれば、個別支援は河川の下流での支援でありその時の選択肢は限られていることから、上流で流れを変えたり環境整備をすることでその後の選択肢を増やすことができる。その環境整備に有効なのが「コミュニティコーピング」である。

これは人と地域資源をつなげることで「社会的孤立」を解消する協力型ゲームである。高齢化に伴って地域社会で発生する人々の悩みに対して、一人ひとりの本当の悩みを明らかにし、専門家や地域の繋がりを処方することで、プレイヤー同士で力を合わせて地域社会の崩壊を防ぐことを目指して、楽しく遊ぶことができる。松本氏によると、県内の高校や自治会、社会福祉協議会でコミュニティコーピングの開催実績があるとのこと。

例会では、松本氏の体験報告の後、コミュニティコーピングを参加者で体験し、地域の人々の役を果たしながら、徐々に人々の繋がりを増やしつつ悩み事がある地域の住民の悩みを解決していくことを楽しむことができた。松本氏の取り組みがより多くの場所で多くの人に伝わることで、地域問題を“自分ごと”と思う主体者が増えるのではないだろうか。

鹿沼・日光支部7月例会 開催の様子

[文責](株)ウィステリアコンパス
斎藤秀樹

栃木県中小企業家同友会

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