『 No.136 』カテゴリーの投稿一覧

No.136_目次

発行日:2021年 9月30日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.136_News Topic:全国のNEWS

News Topic 01 全国のNEWS
~第49回青年経営者全国交流会 from 岐阜~

日本(ヒノモト)の中心へ集え、麒麟児よ!
~理念経営を貫くことが、未来を切り拓く~

中島徳至氏の写真

中島徳至氏

9月9日、第49回青年経営者全国交流会from岐阜がオンラインで開催された。同友会全国大会では、過去最高の2485名が参加した。19の分科会が開催され、第2分科会「世界の人々がFanになる企業グループを目指して」では、海外とオンラインでつながる初の国際分科会となった。

記念講演では、Global Mobility Service(株)代表取締役社長の中島徳至氏が、「金融包摂型Fin Techサービスによる、新たな社会創造~頑張る人が報われる、貧困なき社会の実現に向けて~」というテーマで、これまでのご自身の取り組みを報告した。

中島氏は、国内17番目の自動車メーカーゼロスポーツの創業者として、電気自動車の開発及びEV普及を目指した電気自動車普及協会初代代表幹事を務めた。その後2社目の起業としてBEET Philippines Inc.をフィリピンに設立した。そこで多くの人が銀行の与信審査に通過することができず自動車を購入することができないことから、リース料を払い続けて劣化した自動車に乗り、排ガス問題や貧困問題が解決できずにいることを目の当たりにした。そして真面目に働く人が正しく評価される仕組みをDXのテクノロジーを使って解決できないかと考えた。SDGs 1丁目1番地の「貧困をなくそう」と金融包摂型Fin Techサービスを展開するGlobal Mobility Service(株)を設立した。遠隔でエンジンを起動できるMCCS(Mobility Cloud Connecting System)を開発。MCCSと返済システムを連動することで、支払いが滞るとエンジンが動かなくなるが、返済後3秒でエンジン再起動を可能にした。従来のリース料と同等金額を返済すれば、3年でローン完済できるため、その後は所得が増え貧困層の負のスパイラルから脱却できる。中島氏は、GMSが提供する価値を、徹底した現場視点による「五方良し」の新たな市場の創造と言っている。自動車を買いたくても買えなかった契約者の生活を豊かにする。所得格差や大気汚染問題などの国や地域の課題解決。売りたくても売れなかった車両販売店の売上増。貸したくても貸せなかった金融機関や投資家の課題解決。それが持続可能な豊かな社会の実現につながる。

GMSは、2018年に経済産業省「J-Startup」企業に認定。2019年度には「中小企業庁長官賞」を受賞し、直近1年間で「経済産業大臣賞」を3度受賞している。

第49回青年経営者全国交流会チラシ写真

中島氏は、「真面目に働く人が正しく評価される仕組みをつくる」というビジョンと真剣に向かい合い全くブレずに貫いてきた。事業のことを真剣に考え、愚直に取り組む。自分のことよりも社会をなんとかしたいという願望と意欲と熱意がパッションになり、突き動かされて行動した。失敗しても諦めなければ結果が生まれる。時代を読み解く力と感じる力が大切。自分にしか見えていない世界観をどのように表現していくのか。それを周りに伝えてたくさんの人に支援してもらう。それが新たな社会を創造すると語った。

実行委員長の野々村氏は、コロナ禍による時代の大きな変化の渦中において会社を維持発展させるために、「やり方」を変えても「あり方」は変えない。どんな状況になろうとも変わらず理念を貫き通す強い信念と覚悟が必要だとまとめた。

来年は兵庫県での開催予定だ。学びを体現する全国の仲間と繋がって、また勇気と力を頂きたいと思った。

[文責]神戸真弓
NPO法人CCV 副理事長

No.136_News Topic:全国のNEWS

News Topic 02 全国のNEWS
~関東甲信越ブロック支部長交流会~

多くの会員が主体的に参加できる支部づくり

斎藤秀樹氏の写真

斎藤秀樹氏

9月3日に2021年度関東甲信越支部長交流会がオンラインで開催され、栃木からは6名が参加した。

冒頭の事例報告では、模範となる活動を行っている3支部よりリレー方式で報告があった。

トップバッターとして、鹿沼・日光支部の斎藤秀樹支部長より『自社経営と同友会活動で学んだ「長」の一念~経営理念の根底にあるもの~』と題して報告がなされた。

2019年1月の支部設立以来、会勢を伸ばし続けている鹿沼・日光支部。そこには、会員同士の「価値観の共有」と、「活動を続ける」ことへのこだわりが支部の風土として定着してきている。その根底となるのが、企業経営の基本となる経営指針と同じ、「支部経営指針」の成文化である。

企業づくりを同友会で学び、自社における企業づくりを支部づくりへと展開させていく、企業での主役が社員であるのと同様に、支部での主役は会員である、という大切なことを改めて認識させられた報告であった。

更に、神奈川同友会相模原支部の組織づくりに関しては、「仲良くなろう」を合言葉に、会員7名程度から構成される組制度を導入し、この小グループでの活動が支部活動を支えている旨の報告があった。長野同友会しなの支部からは、一支部、一部会一委員会における盛り上がりに留まらず、県を跨いだ部会委員会や全国行事で学んだことを各支部に持ち帰ることで、そこから県全体への盛り上げに繋げた事例が報告された。なかでも、青年部の発足により支部を跨いだ横軸の関係が構築されたことが、会勢の転機となったとのことである。

その後、関東甲信越の支部長や各県の事務局員と共にグループ討議を通じて、コロナ下にあっても躍進できる支部になるにはどうしたら良いかを自社の成長の課題と重ねて、深掘りした。

苦労しながらも魅力ある支部づくりに取り組んでいる多くの経営者と意見交換することで、支部長として求められる姿勢と運営に当たっての多くのアイデアを頂けた。

短時間であったが、地域を良くしていきたいとの想いを共有する仲間たちと支部活動を盛り上げていきたいとの感情と同時に、自社の成長を支部の成長に繋げ、多くの会員が主体的に参加できる支部の土台を築いていきたいと強く感じた会であった。

[文責]小岩圭一
(株)総研 代表取締役

No.136_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~8月県南支部例会~

後継者が知っておきたい「社長のエンディングノート」

今回の県南支部例会は、前月の八木代表の事業指針の報告のテーマを深堀する例会であった。

冒頭、各メンバーの近況報告、やはり景気変動とコロナに関する情報交換から入った。一部では回復の動きもみられるが、依然として、終業時間、福利厚生、新規採用など人的な課題があり、さらには、産業全体として素材価格が高騰するなか、価格転嫁の困難さに関する報告もあった。また事業継承に関して、先代や顧客との関係をどこまでどちらが主導でやるかなど、世代の交代に関しての報告があり、活発な意見交換となった。

中盤からメイン議題の「社長のエンディングノート」に関しての報告となった。

エンディングノートを自社で作成するにあたり、「ピックアップする10項目を挙げる」という宿題を参加者9人が発表した。

そのなかでも共通する項目は「社歴と先代や自分の思い」、「外注、客先など関連企業との経緯」「経理、金融機関の情報」「実際の業務」などであった。

特に、後継経営者からは、「こんなこと」・「あんなこと」をきちんと残して欲しいという項目が多数あげられ、先代経営者と後継経営者はきちんと擦り合わせの機会を持つことが重要だと感じた。

あるメンバーからは、お兄様が後継として頑張っていこうとしていた矢先に。父君社長の急逝し、その時の話があった。

家族、社内は混乱、資金、借入金などの状況は不明。葬儀では、終了後からの承継の意思確認の質問攻めが始まり、終わって、徐々に周囲から後継への圧力を高まっていったとのこと。その方は最終的に会社の存続を放棄するが、非常に生々しい話であった。

やはり、社長のエンディングノートは、社内、後継者と、「伝えておきたいこと」、「聞いておきたいこと」の擦り合わせを早くから行っていく必要があると考えた。

特に後継者側から考えると、日常行っている些細と思われることでも、「由来やその背景にある考え方を教えてもらいたい」のが当然なことなのだと認識した。

このテーマは、参加者のそれぞれの思いが大きいため再度次回への持ち越しとなった。

8月県南支部例会 リモート開催の様子

[文責]三ツ村義康
三ツ村製作所 代表取締役

No.136_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 04 栃木のNEWS
~栃木同友会8月例会(鹿沼・日光支部及びダイバシティ―委員会共催)~

多様な人々が輝ける職場づくりの実践が
「すべての人を生かす経営」に繋がる

8月18日(水)報告者に福田雅樹氏/(株)白龍堂・総務部総務課と西川由利子氏/NPO法人CCV・就労移行新事業部長を報告者に迎え栃木県例会が行われた。テーマは「多様な人々が輝ける職場づくりの実践~人を生かす経営とは何かを、障碍者雇用から学ぶ〜」であった。

(株)白龍堂はユニフォームの製造販売とクリーニングを行っており、令和3年3月に鹿沼市に関東工場を開業し、一般求人を約30名、障がい者求人を約10名行い、障がい者はその半年後に12名中11名定着している(1名は家庭の事情での退職)。

福田氏は「障がい者に限らず、個々の立場や、思考、感情、環境等をアセスメントし、可能な限り理解し、または理解しようとする姿勢で話し合い、双方の改善点、課題を明らかにし、さらに課題に取り組む姿勢が大切」と話す。また、「目の前の仕事に必ず前工程・後工程があり、企業間の繋がりがあり、社会との繋がりがある、といった『絆』を理解してもらうことで、社会の一員としての役割と、会社の中での役割を、日々の中で意識づけをしている。そうすることで仕事への誇りと就労への意欲を高めている。」と力説する。

また、今回の同社の取り組みに外部機関としてNPO法人CCVが協力しているが、西川氏は障がい者雇用を企業が行うメリットとして、次のプロセスとその結果であると説明する。

  1. ひとりひとりの持つバイアスにより、摩擦や葛藤、対立が起こる(問題を発生させる)。
  2. (問題解決のプロセスを通じた)解決のための創意工夫。
  3. 得られた結果、新しい知見や考え方などを導き出せる人や組織を創造していく可能性が高まる(変革・創造)。

このプロセスを通じて相手を尊重しながら関わり、共通の理解を積み重ねながら共通の目標を掲げる。このような分かりやすい職場こそが障がい者はもちろん、すべての人にとって働きやすい職場なのではないだろうか。「人を生かす経営」の具体的な場面を知ることができた例会報告となった。

福田雅樹氏による報告の様子

福田雅樹氏

西川由利子氏による報告の様子

西川由利子氏

[文責]斎藤秀樹
(株)ウィステリアコンパス 代表取締役

栃木県中小企業家同友会

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