『 No.129 』カテゴリーの投稿一覧

No.129_目次

発行日:2021年 2月28日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.129_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~新春講演会2021 ZOOM開催~

コロナ禍の先の地域をどうデザインするか
~「new normal」の意味と都市の交流とその変化~

講師: 白鷗大学 経営学部教授(ビジネス開発研究所所長) 小笠原伸氏

去る2月3日ZOOMにて栃木同友会新春講演会が開催されました。参加者はこれまでのZOOM開催では初めて60名を数え、ゲストも主催の鹿沼・日光を中心に多数参加されました。サンプラスチック(株)の大江正孝社長に感想をいただきましたのでご紹介いたします。

小笠原伸氏

小笠原伸氏

「new normal」とは直訳すると「新しい普通」。今回のコロナ禍は、社会に大きな混乱をもたらし、現在進行形で大きな変化が起こっています。この変化が当たり前となり、変化が起こる前には戻れないとも言われています。すでに非対面のオンラインツールが急速に普及し始めており、変化についていくのが精一杯の方も多いのではないでしょうか。

今回ご講演いただいた小笠原伸氏(白鴎大学経済学部教授)は、「交流」をキーワードに「new normal」を紐解いてくださいました。そこから地方創生の本来あるべき姿をご提示いただきました。地方の課題として、若者の流出と高齢化による人口減少があります。特に若い女性の都市部への流出が深刻です。小笠原氏のゼミ生によるディスカッションでは、「私たち若者は、地方から逃げるのではなく、追い出されている」つまり、必要とされていないと感じていると衝撃的な報告がありました。

その問題として、地方には交流の場が少なく、新しい可能性や多様性が生まれてないため、魅力がないと指摘しています。都市部には、家庭や職場ではない、自分にとって居心地の良い場(サードプレイス)があり、このサードプレイスから交流が生まれ都市として発展していると挙げられておりました。おっしゃるとおり、都市部には、心が落ち着くカフェや多様な人が出入りするコミュニティがたくさんあるのは皆さんご承知のとおりだと思います。一方、我々が住む栃木県にそのような場はあるでしょうか。限りなく少ないのではないか。と皆さん感じるとおりです。この都市と地方の交流の差は「new normal」によって加速し、受け身のままでは増々取り残されます。

しかし、私たちが変化対応することで、地域を持続可能的に発展させていくことができると講演を通して気づくことが出来ました。新しい価値観を受け入れるには、過去の何かを手放す必要があります。相容れないものは共存できないのです。リアルにこだわらず、リアルとオンラインのすみ分けがこれからの交流の「new normal」となる。この変化は、大変不謹慎ではありますが、コロナがあったから気づけたことだと捉えることは出来ないでしょうか。もしかしたら、気づかないうちに社会から退場させられていたかもしれません。

地域で生きる私たち経営者が自ら先頭に立って柔軟に変化対応し、特長を生かした新しい交流の場を創っていかなければならない。小笠原氏から後押しをいただいた講演会となりました。

[文責]大江正孝 県北支部
サンプラスチック(株)

No.129_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県央支部1月例会~

「Withコロナ/Afterコロナ」座談会パート2 ZOOM開催
~同友会は自問自答の場~

2021年1月19日、ZOOMにて県央支部例会が参加者11名で開催された。

昨年8月度例会「Withコロナ/Afterコロナ」のパート2と題し、株式会社総研代表取締役小岩圭一氏座長での座談会形式で、屈託のない様々な意見交換がなされた。今回の参加者の半数近くは建設系の方々であったが、医療・物流・自動車産業など多様な業界にまで視野を拡げて、それぞれの思いを話す機会となった。ここではその時に出た個々の思いを記載するのではなく、私の思いを綴ろうと思う。

同友会に入会し間もなく丸3年となるが、この会はいわずと知れた学びが好きな向上心に満ち溢れた異業種経営者の交流会とでも言えるだろうか。様々なジャンルの県内の偉人たちの一言一句を聞くたびに、私はいつも頭を捻らせられる。インプットの仕方でアウトプットは全く変わるといったような刺激を毎回受けている状況である。Withコロナの渦中、経営者として何をすべきか、Afterコロナはやってくるのか・・・?

同友会の活動に参加していると、常に疑問形の自問自答を繰り返すといったプラスの要素が働く。先日或るお方から、会員増強のために力を貸してほしいとお言葉をいただいた。もちろん私自身協力は惜しまないが、現会員さんも今後入会する会員さんも「この会のメリットを考えること」「自らの意思で参加すること」「携わる人を思いやること」を大切にしていただけたならと思う。

ZOOMによる会議が増えている現在、自らの意見を相手に伝えにくくなっているが、今後、さらにより良い同友会になって行くためには、相手を思いやる意味でも、お互いが積極的に聞き役になるといった“相手を気遣えるコミュニケーション”が必要であると考える。

県央支部1月例会 ZOOM開催の様子

県央支部1月例会

[文責]臼井進
U-TEC(株)

No.129_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~県南支部1月例会~

緊急事態宣言下における情報共有 ZOOM開催

1月27日(水)「二度目の緊急事態宣言下における情報共有」をテーマに参加者9名のもと県南支部例会がZOOMにて開催された。

冒頭にはM&Aのオファーが来たという話、周囲で2例のM&Aが起こったという話があがった。コロナ禍を受けた高齢経営者が「自分がなんとかせねば」と奮い立ち承継が繰り延べになりかけているという事例も。承継は渡し手・受け手の双方で向き合う必要があるという意見が出た。

運送業界の視点からは、首都圏の建築業界が盛況ながら2~3年後となると見通しが立たないという話がでた。コロナ初期には好調だった食品は飲食業の苦境やフードロス意識の高まりにより止まりだしているという話だ。そんな中、外出リスク低減をうたい「冷凍食品型の置き社食事業」という新しい取り組みを始めた会員報告があった。個人向け配食業者とのコラボで、法人相手とする事で利益性を確保しやすくなるというメリットが語られた。

また、新しい取り組みに使えそうな補助金が近々出るという話もあがった。補助金には珍しく建物にも適用可能だとの事だ。新規事業を検討中の方は補助金動向をチェックして頂きたい。最後に値付けの話が出た。新規事業では高い利幅の売価設定をするチャンスでもある。高い理念の実現には高い利益が必要という意見もでた。新規事業へのチャレンジは中小企業の生産性が低いと言われる現状を変えるチャンスでもあると感じた。

県南支部1月例会 ZOOM開催の様子

県南支部1月例会

[文責]山嵜俊也
タカマチ産業(株)

No.129_エッセイでちょっと一息

エッセイでちょっと一息

ブラックホール

ブラックホール 図

ブラックホールは強い重力で何でも吸い込んでしまい、光でさえ一度吸い込まれたら二度と出られないという。また強力な重力は時間と空間をゆがめて想像を超えた事象が起こるそうだ。

弊社にもブラックホールのような部屋がある。
元々は社長室だったのだが、あまりにも使い勝手が悪かったためにすぐに使われなくなり、その後の増改築でも手付かずのまま四十年近く物置になっている部屋だ。

そこには一定期間保存が必要な会計書類や小切手帳の耳、通帳、手帳、経営指針から古いパソコンまで、スグに処分して捨ててしまうのがはばかられる物たちが「とりあえず」そこへ運び込まれ続けていた。そして、その「とりあえず」はいつしか永遠となり、忙しさにかまけて処分されることなくブラックホールのように溜まり続けてきたのだった。

コロナのせいで最近時間が出来たので、先日、遂に意を決して整理をはじめた。

一応目を通してから捨てることにしたのだが、いや~。懐かしい思い出が出るわ出るわ。
「これは僕の入社前の父のメモ。同じような悩みがあったのだなあ」
「90年代の同友会共同求人パンフ、手探りで学校回りして色々教えられたな」
「例会で頂いた名刺、未熟な自分に教えてくれた同友会の先輩たち」
「このお客様はこんな昔からお取引いただいていた・・・」
「バブルに浮かれてたけど、経営的には今の方が良くなったな」
「アップルのDTPシステムは本当に革新的でそれまでの製版設備を過去のものにした。遅れまいと必死で勉強して取り入れたのが良かった」
「設備のこの借金は大変だったけど、変わるきっかけだったな」
「ああしておけばよかったのに」
「あんな面白い社員がいたな」
「リーマンショック・大震災は大変だったけど、社員の結束が強まり半年でのりこえられたなあ」
などなど、思い出がよみがえり、さっぱり整理が進まない。

アインシュタイン 写真

以前観たSF映画でブラックホールに吸い込まれながら時間が逆行して、過去がフラッシュバックするシーンがあったが、まるでそんな感じになってしまった。将来社史を作る時の参考資料になどと考えると全てが愛おしい。結局、悩んだ末に断腸の思いで大部分を処分した。

現在のコロナ禍もいつかは収束してこうして思い出になるときが来るのだろう。その時に後悔しないように今出来る事を精一杯努力してやる。そして出来ないことを嘆かず、出来ることで精いっぱい楽しもうと思った。

[文責]小山研一 県北支部
(有)赤札堂印刷所

栃木県中小企業家同友会

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