『 No.161 』カテゴリーの投稿一覧

No.161_目次

発行日:2023年 10月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.161_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~新入社員フォローアップ研修会~

初心に返り、互いに刺激を受けた研修会

新入社員フォローアップ研修会集合写真

10月4日ライトキューブ宇都宮にて、今年4月の合同入社式に参加した新入社員を対象に新入社員フォローアップ研修会を開催した。入社6ヶ月を経過し改めて初心に返ってもらいたい。自信をもって仕事に向き合ってもらいたい。そんな思いで開催したが、逆に我々経営者が新入社員からたくさん学ばせていただいた時間となった。

研修会のプログラムは、事前課題(①会社紹介、②会社自慢、③入社の動機、④現在の仕事内容、⑤仕事のやりがい、⑥これからの目標の6項目についてアンケート)を基に参加者から個人発表をしてもらい、その後グループに分かれて発表内容の深掘りと、働くことの意義についてディスカッションを行った。

個人発表では、各社とも研修期間が終わり本配属になったばかりだったため、目の前の仕事にまずは向き合っているという発表が多かった。そのような中でも、お客様と接している中でかけていただいた感謝の言葉や資格取得するために勉強していること、自分の課題についての発表もあり、一人一人の成長を感じることができた。

グループディスカッションの前半では、発表内容の深掘りを行い、入社から現在までどのように過ごしてきたかを共有し合った。また、入社2~3年目の先輩社員と経営者から自分自身の入社当時の話や仕事のやりがい・目標についても話をしていただいた。同期と先輩社員からの話は、新入社員にとって大変刺激になっていたようで、自分の足りないところに気づき、見習おうという姿勢を感じた。

後半は、4月の合同入社式でも取り上げた「何のために働くのか」について意見交換を行った。入社したばかりと半年たった今では、「働く」という実経験ができたことで一人一人が自分の言葉で発表することができていた。その発表から、お客様と先輩にもまれながらも、目の前の仕事に対して誠実に向き合ってきたことを感じられた。

成長とは、体験からしか生まれないものであり、その成長を実感するには、他人からの評価が必要であると私は思う。今回の新入社員フォローアップ研修会では、新入社員の成長を感じることができた。私自身も大変刺激を受け、改めて初心に返って、働くことの目的や意味を自身に問いかける機会となった。

最後に、この共に育ち高め合える関係を毎年積み上げていきたいと考えています。来年4月も合同入社式の開催を予定しています。ぜひこの活動に参画ください。共に盛り上げていきましょう。

新入社員フォローアップ研修会の様子

[文責]サンプラスチック(株)
大江正孝

No.161_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部9月例会~

同友会活動が経営に活きる!
~自分流の経営のバトンつなぎ~

栃木県中小企業家同友会県南支部9月例会は、令和5年9月26日火曜日に小山市ゆめまちにて開催された。今回の報告者はタカマチ産業代表取締役の山﨑俊也氏。山﨑氏が代表を務めるタカマチ産業は、縁日やお祭りに欠かせない屋台や調理器具等を製造から販売まで手掛ける全国でも稀有な存在である。創業者は山﨑氏の祖父であるのだが、市場が出来た頃から早い段階で参入した事が市場で高い占有率を占めて、この業界に於いては寡占企業である。

今回のテーマは「同友会活動が経営に活きる!」というテーマだった。冒頭は山﨑氏自身の生い立ちから始まり、自社の現況と自己分析した企業概要と業界事情を具体的な数字や画像等を用いて分かり易く説明してくれた。今回の報告の中で興味を持って聞かざるを得ないのが、昨年山﨑氏自身が前社長の実父から事業を承継したプロセスである。

我々中小企業家は同族経営が多い。全てでは無いと思うが親子関係ならではの事業承継の難しさは、筆者自身も心当たりが有る。長年積み重ねた親子関係から意外に意思の疎通や、方向性を共有することは出来ていない事例も多いかと思われる。それらも含めて会社を運営する事の難しい事情が見えてくる。決して他人事では無い。山﨑氏は非常に複雑な課題を多々乗り越えて、同友会で学んだ事が経営判断に活用して来た事例を分かり易く説明してくれた。一番良かった事は中小企業家同友会が主催する、「経営指針をつくる会」に参加した事とのこと。ここで企業経営についてより深く学び、事前準備が出来たことがその後の経営課題を乗り越える時に活きて来たとのことである。

ご本人は謙遜されているが、外部の人間が見てもその過酷と思われる軌跡は、一経営者として驚嘆の想いを隠せない事が多々有った。その発表内容に学ぶ事が多い。そしてそれ以前に人として困難な課題に真摯に向き合う在り方を学ぶと共に、今後山﨑氏が選択してゆく経営判断に深い興味を持って注目して行きたい。

県南支部9月例会 例会報告の様子

[文責](株)アイテム
阿良山輝明

No.161_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部9月例会~

地域の未来に対する私の投資活動!
~建設業と「児童自立生活事業×リクルート事業」の両立~

宮本義勝氏 写真

宮本義勝氏

鹿沼日光支部・青年部共催、令和5年9月例会にて千葉同友会青年部 部会長の宮本義勝氏のお話を拝聴致しました。ハイブリット例会にて30名弱の参加者で、県外からも多くの方にご来所頂きました。

宮本氏は高校を中退し、20歳で結婚、親となることで生き方に変化が起こり防水業職人になります。20代はOA機器販売営業として成績を上げるが、お金に囚われ、奥様の病気や姪の死により更に生き方に変化が起きます。その後28歳でお兄様と誠建クリエート(株)を設立。39歳で「NPO法人いいちばみらい」を発足し、こども食堂・夜間中学校・児童自立生活援助事業等を運営されています。

何のためにこのような活動をするのか。氏は明確に「子供に関わる貢献がしたい!!」とおっしゃられます。そして、「楽しく頼れる場所にしたい」「ビジネスに繋げたい」とも考えておられました。福祉的な考えは過度になると収支の持続性が失われる危険性があるが、建設業とのコラボレーションによりご自身の想いと収支を持続可能なものにされていると感じました。

また、各事業を設立するにあたり宮本氏は情報を大切にしていると語られます。特に地元の情報を様々なコネクションや小さな実験を通して得られております。コネクションは行政です。地元の情報を多く収集している機関と官民連携で取り組んでいる。更に社屋に空きスペースがあるからレンタルスペースで貸しニーズを把握する。簡易駄菓子屋を設置し不登校児童に出会う等。

今後宮本氏は、官民連携事業として社会擁護・ひとり親支援・就労支援などを全国に拡げて行きたいと語っておられます。ただ、社会課題解決と共に事業としてもしっかり儲けていくとも語っておられました。

とにかくエネルギッシュな宮本氏。エネルギーの源泉はご自身の過去の体験であることと、現実的な収支を考えるバランスが現在の取組みを可能にしていると感じられました。

[文責](株)TNプランテーション
仲田知史

No.161_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 04 栃木のNEWS
~県央支部10月例会~

「わからない」から始まる学びあい

“久しぶりに例会らしい例会だった。たのしかった。”

例会の最後に行ったサークルアップ(感想会)での発言。10月県央支部例会、参加者は総勢14名。 「学び合いの教室」をつくっていく新任の男の先生と14人の子どもたちとの1年を追うドキュメンタリー、小学3年生の授業風景の映像を見てグループ討論を行うかたちで例会を行う。

「わからない」をいえること

それが「学び合い」のはじまりだ。それでも、いままでの経験から萎縮し、馬鹿にされると思って「わからない」を言えない子どもの姿があった。まず、「わからない」といえる関係性をつくるところから先生の活動は始まる。

いままでと違う授業のやり方。丸がつく正しい答えをかけばよかったのが、わからないことをわからないといえる事を求められる。子どもも母親もとまどう。何度もなんども連絡帳を介しながらのやり取りが続く。1学期をかけ、子どもが「わからない」をいえるようになる。そうなったときに、“答えを求める”から“やり方を考える”になっていた。

「円」とはなにか

子どもたちは、それぞれの思う円って何かを話し合い、描いたりする。ある子どもは丸い紙を折ることで中心を発見し、ある子どもはヒモを使ってコンパスを発明する。

教科書にたよらないで子どもたちは考える。自分たちの知っていることから、時間をかけて協力しあってみんなで考え方をまとめ上げて「円」を再発見していく。

「シンくん」との関わり合い

計算でわからないところを算数のできる友達にしつこく聞く特別学級にいたこともあるシンくん。友達は何度も説明が聞きたいの? やり方が聞きたいの? と何度も確かめる。こたえをしりたがる彼に最後は根負けして答えをおしえる友達。答えをかいたノートを、先生に見せる。先生は真剣に、まっすぐ叱る。答えだけを書く彼に。そのやりとりを自分のこととして受け止める他の子どもたち。次の日、答えではなくやり方を友達にきいているシンくんがいた。

グループ討論は短い時間だったが白熱した。「わからないといえるか」をキーワードにさまざまな意見が飛び交う。

「子どものころ、こんな学校で習っていたら今と違っていたのではないか。この子たちみたいにわからないといえるようになりたい」
「自分一人だったらただ見ているだけだった。みんなで見て意見を交わすことで、自分自身もみんなも色々考えることができた。」
「久しぶりに例会らしい例会だった。以前みたいに県例会があるといい。」
参加した人それぞれが学ぶ例会だった。

例会を通して同友会と他の異業種交流会の違いが明らかになった。それは同友会が「学びあう」ことに焦点を当てているということ。教育というと普通は教え込む。同友会で言う「共育」「学び」は、会員同士で互いに学ぶこと、社員と学び合うこと。

同友会は以前から教え込むことから学び合うことへの転換を呼びかけてきた。それが、「学び方を学ぶ」であり、「2回ひねり」である。子どもたちの姿はまさに共育だった。

同友会でよく取り上げられるユネスコの「学習権宣言」は言う。

  • 学習権とは、読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、創造する権利であり、自分自身の世界を読み取り、歴史をつづる権利であり、あらゆる教育の手だてを得る権利であり、個人的・集団的力量を発達させる権利である。
  • “学習”こそはキーワードである。 学習権なくしては、人間的発達はあり得ない。
  • それは基本的権利の一つ
  • と我々に迫る。

人間らくし生きるための権利の一つが「学ぶ」だ

「学習権宣言」を通してみるとき、同友会でいう「学び」も、14人の子どもたちの「学び」も人間らしくあるための営みだと言うことが確信できる。

県央支部10月例会 グループ討論時の様子

[文責](株)共立
石綱知進

栃木県中小企業家同友会

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