『 No.132 』カテゴリーの投稿一覧

No.132_目次

発行日:2021年 5月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
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No.132_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~栃木県中小企業家同友会第36回総会~

令和3年5月19日、栃木同友会定時総会が、コンセーレとZOOM併用で開催された。昨年はコロナ禍で議案書の郵送による議案の提案とファックスによる質問・異議の受け付けのみで、実際の会場での開催はなかったわけだが、本年は理事会で実際の会場での開催の可否を議論し、会場入り口での検温、消毒、会場内はパーテーションの設置など十分なコロナ対策を施しての開催となった。昨年度中は県例会・フォーラム・支部例会、ほぼZOOMでの開催であったので、実際に会う会員も一年ぶりの方々も多かった。参加は、会場には31名、ZOOMでは11名であった。2021年度活動方針は「変化を生き抜く『シコウ』と『シンカ』」。『シコウ』は思考、志向、試行、etc。『シンカ』は進化、真価、深化、etc。会員それぞれの『シコウ』『シンカ』を、同友会での交流により、より深い『シコウ』『シンカ』を見つけて頂こうとするもの。新役員・理事も異議がなく、定時総会はつつがなく閉幕した。

第2部のパネルディスカッションでは、「コロナ禍の学び、コロナ後の生き方」をテーマとして、石川大樹氏((株)イシカワ)、手塚和江氏((株)メディカルネットワークサービス)、行廣智明氏((株)行廣国際アカデミー)、山嵜俊也氏(タカマチ産業(株))の4名をパネラーに迎え、コーディネーターを福田忠史氏(プルデンシャル生命保険(株))が務め、コロナ禍でのうっぷんを吐露して頂いた。コーディネーターの福田氏がパネラーに質問や話を振り、場の流れをつくって行く。全員への質問では業績の事や融資・助成金の利用などを尋ね、半分が業績の悪化と助成金の利用との回答があった。コロナ禍での業績は業種によって様々であったことが分かる。続いて、コロナ禍を一文字で表すと何かという質問は、それぞれ「見」「決」「勝」「滞」と回答があった。「見」自社を見ることができた・自社が見えた、「決」決断をせまられた、「勝」打撃を受けたので負けない心を持つ、「滞」停滞した年であった・事業継承も先延ばしになった、との理由だ。全員への質問の後は、各人に昨年一年間を振り返っての意見やうっぷんを吐露してもらった。そこで話題に上がったことがある。同友会に入っていて良かったということだ。コロナ禍を会社か家に籠り、ただモンモンとした日々を過ごしていたことかもしれないところであったが、経営指針をつくる会に参加したことにより、一人悩まずに済んだこと。また別の方は、経営指針をつくったことにより、己を知ることができ、現在は業務の見直しや社員との面談を進めている。そのパネルディスカッションを受け、グループ討論が始まった。私が参加したグループも、皆このコロナ禍で言いたいことがあったとみえ、話が止まらない。討論で出てきた意見として、「前向きに行動する」「ごちゃごちゃ考えずに動く」「安易にやらないとするのではなく、できる方法を考える」etc。

またこのようにリアルな会場で皆が集まって討論できる、そんな日が一日でも早く来て欲しいと願うばかりだ。

挨拶で登壇する山中重雄氏

代表理事挨拶 山中重雄氏

活動報告を行う斎藤秀樹氏

2020年度活動報告を行う
斎藤秀樹氏

パネルディスカッションの様子

4人のパネラー

[文責]県北支部長 八木澤和良
(八木澤社会保険労務士事務所)

No.132_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部4月例会~

4月21日新たな県南支部長(タカマチ産業山嵜俊也氏)を迎えて最初の例会「県南支部とは何か? 何であるべきか? 座談会」が開催され、支部長からの問いかけに忌憚の無い意見が発せられた。

テーマ(1)県南支部に参加するメリットは?には・・「他の経営者の取り組みが聞ける(オープンな場である)」、「異業種交流により新たな価値観や視点に気づける」、「豊富な情報源」、「コロナ禍での貴重な交流場所」、「経営相談ができ有難い」、「相談できる仲間が出来た」、「息抜きの場」、「経営者としての自身の立ち位置を確認できる場」・・等の意見が出てそれぞれの会員が参加するメリットを知る事が出来
た。

テーマ(2)県南支部への要望は?には・・「入会後の成功事例を報告してはどうか?」、「支部で他県の例会に参加してみては?」、「半径20㎞圏内を対象に新規会員をお誘いしてみては?」、「弱音を吐く例会を開催して欲しい(自分をリセットしたい)」、「会員企業を題材に企業分析をやりたい」、「異業種会員を増やし多様性を深めたい」、「同業者には入ってほしくない(自社の弱みを見せる事に懸念)」、「傷を舐め合いながらも進化したい」、「人との出会いや様々なテクノロジーにより発展して欲しい」、「ひとつのビジネスパッケージとして動ける組織活動をしたい」、「会員同士を満足できる価値を創造して欲しい」・・等の意見から、経営者にとっての「場」があることが大切だと認識しました。

自由闊達な場所を守っていこうと。税理士の会員から出た「こんな真面目な経営者は1割もいない」という意見をうけて「私達は10人に1人の団体かもしれない。意識の高い経営者の集まりの会を大切にしていきたい。ポジティブに意見を交換し失敗もたくさん経験しながら明日を生きる経営者団体で在りたい」と、想いをひとつに県南支部は軽やかなスタートを切りました。

[文責]阿良山輝明
株式会社アイテム

No.132_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部4月例会~

4月22日支部例会が、ZOOM及び鹿沼商工会議所で行われた。参加者は33名。今回の報告者は建築設計室わたなべの渡邉貴明氏で、「お客様の想いを形にする仕事 ~お客様・仲間と共に地域を想う~」がテーマとなった。

渡邉氏は2014年に開業し、一級建築士として鹿沼市上田町にスタジオを構え、鹿沼を中心に活動する。住宅、店舗、施設などの既成の建築タイプの域に留まらず、依頼者の生きる舞台としての建築空間を自由に、その場所、その時にしかできない方法で表現するスタイルで、若い依頼者が多い。その制作は“住民の生活と経済が融合した地域コミュニティ構築”の観点から高い評価を得て、“LOCAL REPUBLIC AWARD 2018”最優秀賞を共同受賞。スタジオでは3人の若手スタッフと共に事業を営む傍ら、大学や高専で教壇に立つことも。若い依頼者そして若手スタッフと、どのように生活の舞台をつくる時間を共有しているのか、そして自身の更なる成長に向けての学びの姿勢とは? 渡邉氏の報告から、本業により地域課題解決を目指す姿勢と、チームの雰囲気づくりを学ぶことを例会の目的とした。

渡邉氏からは、(1)「あなたはどう思う?」(プロジェクトに個人的動機を込めさせる)、(2)「こんな感じで」(抽象的に投げ、思考・判断の余地を残す)、(3)「この線は何のために引かれたか?」(言葉を鍛える)、といった投げかけを行いながら、未来の同業者となるスタッフの主体性を育んでいた。

また、後日回収した参加者アンケートからは、「きれいごとでも、言葉にして自分から思い切り遠くに投げることで、ビジョンを伝え、共感することができる。同時に隣の(身近な)人の価値も大切にしたい」、「空間の力を信じる → 生き方が変わる」、「自分のまちは自分でつくる」といった言葉に、参加者が共感していた。

今回の渡邉氏の報告は、参加者のまちに対する主体的な意識を高めるものになったのではないだろうか。

例会での報告をおこなう渡邉貴明氏

[文責]斎藤秀樹
(有)ウィステリアエステート

No.132_コラム

コラム

問題が自分を教えてくれる。

からだに問題があって障がい者の認定をもらう寸前のAさんという人がいました。病院に行って検査を受けても、レントゲンをとっても悪いところはどこも有りませんでした。そんな中、藁をもつかむ思いでAさんはからだの専門家のM氏に師事しました。その数ヶ月後、からだが快方に向かい、その数年後に結婚までできたということでした。

重度の障がいがでた原因は、横向きになり腕枕をして寝る習慣でした。小さな習慣がAさんをそこまで追い詰めていったのです。

世の中で問題といわれるものの多くはほとんどが結果だったりします。Aさんの障がいは原因ではなく結果でした。ところがあらわれた結果を見て問題だから解決しなければという事がどれほど多いことか。Aさんの例は、結果にとらわれることなく、原因にアプローチすることで良くなった例です。痛みが問題だからと痛みという結果にアプローチをしても、原因はそのまま残ってしまいます。

会社の中で起きている問題も同じことで、問題の原因をみないで問題を解決しようとすると一時期解決したように見えますが、再発します。原因が社長のものの見方や会社のルールであることがよくあります。例えば、「先祖伝来のものを、伝統を守る」、「親子、兄弟、家族仲良く」、「デジタル化は素晴らしいのでデジタル化を推進する」、「新規事業をやらねばならない」などなど。

これらの活動は素晴らしい側面があります。当然、効果もあります。ところが長期的に見ると原因が解決していないために同じ様な問題がおきてしまう。

たとえば、「兄弟いつも仲良くすべきだ」というのは、美しい話であります。残念ながら多くの場合は幻想です。実際に兄弟で事業を始めたり、事業を継いだりしても仲違いをしてしまいうまくいかないことが多い。実は、兄弟間には幼い頃から「周囲に認められたい競争」が起きています。自然にお互いのキャラがかぶらないように立ち位置を形成しようとします。お互いが「自分を自分として認めてほしい」ので別なポジションを無意識に取ろうとする。だから、お互いに反発心が生まれてしまう。その事自体は自然なことなので、無理に「兄弟はいつも仲良く」と押さえて距離を近くすれば反発がうまれて仲違いがおきます。

私も弟がおり、仕事を一緒にしていました。社員とあまりうまく行っていませんでした。原因は兄であるわたしへの反発からだったのだと思います。その後、事件が起きて袂を分かちました。当時は「兄弟間では争いが起きやすい」という法則を知らなかったため、とても痛い目にあいました。兄弟が一緒に仕事をすることが仲違いの原因だということを知っていればお互いに嫌な思いをしなかった。知らないことは罪だと思いました。

Aさんは自分の体の法則をよく知りませんでした。彼が快方に向かったのもM氏が身体と心の法則をよく知っていてアドバイスを受けたからです。M氏と出会えなければ、彼は今ごろ障がい者として暮らしていたことでしょう。

同じことが自社の経営にも言えます。実務をやっているものの目からはわからないことも、第三者から見れば問題が丸見えであることが多い。社員やお客さんの反応、家族の態度、日々起きること、経営者仲間からの助言、それらがわたしたちにお知らせをしてくれます。

他の経営者の体験談をきき、経営の基礎知識をきいて経営にまつわる法則やしくみを知るとより色々なものが見えるようになります。

問題があることに気がつくのは実はたいへん喜ぶべきことで、自分・自社を知り対応するには絶好の機会です。問題を解きほぐすことで次のステージに行けます。かなめは、起きていることをどういった考え方と観方で取り扱うかでしょう。

同友会の例会や委員会活動、経営指針をつくる会etcを通して見識を広めることで、自分を、自社をより深く知ることができます。知恵や知識をつけることは真の自信につながっていきます。

「汝自身を知れ」
ギリシャ、デルポイのアポロン神殿には入口にそう刻まれているそうです。

[文責]専務理事
石綱知進

栃木県中小企業家同友会

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