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No.162_News Topic:全国のNEWS

News Topic 03 全国のNEWS
~第22回障害者問題全国交流会 in 愛知~

第22回障害者問題全国交流会in愛知チラシ

障全交は2年に1度の開催ということで初参加であったが、この交流会にはわが栃木県から、それも鹿沼日光支部会員であるNPO法人CCVが4年前の交流会の報告者であったとのことで、色々と事前に話を聞いており楽しみに参加させていただいた。

1日目は第4分科会「全社員を巻き込んで進める、『障害者雇用と社員教育』」~『労使見解』実践20年の積み重ね~(福地金属(株)福地守社長)に参加した。

家業である会社にバブル経済の入り口頃に入社したため、何の苦労もせずに、取引先に単価を下げるといえば売上が増えていったとのこと。そのため、「社員は社長(父)と俺の言うことを聞いてくれてたら間違いないんだ」と思い込んでいたそうだ。

バブル崩壊後の低迷期(40歳)で同友会に入会し、本人としては今までよりも自社を客観的にみられるようになったと思い、43歳で経営理念を作成、44歳で父親から事業承継して社長に就任し、社員の声を聞いている…と思っていたが、46歳の時に社内で経営計画作成の一泊研修をしたところ、むしろ社員の不安をあおり夢を削ぐことになってしまい、参加者全員が退職してしまったという。

そんな中、地元の特別支援学校のインターンシップを受け入れる機会があり、その精神障害者を正式に採用することになったところで、社長はやっと「相手の立場に立つことの難しさ」を実感することができたそうだ。また、障害者に関わるうちに「障害者に対しての特別な配慮」ではなく、「社員全員に個別の配慮が必要であること」に気づかせてもらえたとおっしゃっていた。たった一人の入社での実体験により社長自身が変わることができたことで、周りの社員もとても協力的になり組織づくりもうまくいったという事例であった。

社長は「障害者部会が必要ではない社会を作る」ことが、「共存していくこと」ではないかとまとめていたが、まさにその通りだと感じた。

2日目のパネルディスカッションは「企業経営における見えない生産性とは」~人間が人間らしく生きられる共生社会へ~であった。

障害者問題とは、障害者を雇用するということ以前に、障害者に関わっていないとか知らないというところ自体が問題だよねという始まりでディスカッションが行われた。

正直なところ、人手不足から障害者雇用を始めたという事例もよくあるが、理由はどうであれ雇用する目的を会社全体で共有できる風土づくりがないと、すぐに辞められてしまうことになる。障害者も健常者と同じように働き続けることで成長できる、ということは例えば誰でもわかりやすいマニュアルがあれば全員が成長できる可能性があるということをパネラーの方全員がおっしゃっていた。

「どうせ…だから」という考えは捨てて「とにかくやってみよう」という社風を作りあげることが「見えない生産性」というまとめだった。そのためには何事も個人ではなく会社全体で取り組んでいくことが必要だと思う。

[文]トカール労務サポート
代表 齊藤加居

No.162_News Topic:新会員訪問

News Topic 04 新会員訪問
~一般社団法人三乗堂 文化財を後世に伝えるお手伝い~

井村香澄さん、中愛さん、森﨑礼子さん3人揃っての集合写真

三乗堂は東京芸術大学で文化財保存修復を学んできた井村香澄さん、中愛さん、富山大学で芸術文化を学んできた森﨑礼子さんの3人が日光山輪王寺の三仏堂三尊修復現場で出会い、2017年4月に生まれた。

2016年の夏、中愛さんは不安の中にいた。輪王寺の修理作業が翌年3月に終わる。この現場が終われば現地スタッフは解散することが決まっていた。文化財修理技術者を目指す人は多いが転職先は大変狭き門だった。

「勤め先がないのなら一緒に会社を創ろう。」中愛さんは気の合った二人を勧誘。仕事終わり、毎日のように3人は今市のファミレスで将来の姿を語り合った。

個人的な技術も必要だが、何より文化財修理に対する思いが大切。話を重ねるうちに自分たちのやるべきことが見えてきた。「国の重要文化財の修理は国指定の企業が行う。自分たちは地域で大切にされてきた文化財や先祖代々受け継がれてきた思いを後世に伝えるお手伝いをしよう。」

彼女たちの思いは周りの方々に伝わっていく。栃木県でやっていくのであればと、輪王寺大猷院(たいゆういん)の風神雷神模刻像制作を依頼される。作業現場の確保については弊会の風間総合サービスの風間氏や大倉ホンダの鷹羽氏の働きかけで木工の街・鹿沼市に落ち着いた。

修理作業は調査からはじまり、汚れの除去や損傷箇所を檜材で補うなど仕上げに至るまで、長いものだと数年に及ぶ工程となる。修理完了後には文化財の修理報告書を作成し、履歴を遺す。再び長い時間の後に修理される時に、令和時代の修理履歴が伝わる。歴史の検証に耐える彼女らの仕事ぶりはSNSでも拡散され、現在では北は岩手県から南は徳島県まで口コミで依頼が広がり、3人では抱えきれないほどの依頼を受けた。そして先月新しくスタッフが加わることもあり、会社としての永続のため、同友会で学ぶことを決意した。

「いつも出会いに恵まれて」と語る3人、栃木同友会との出会いも価値あるものにしたい。

[文]事務局

No.161_目次

発行日:2023年 10月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.161_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~新入社員フォローアップ研修会~

初心に返り、互いに刺激を受けた研修会

新入社員フォローアップ研修会集合写真

10月4日ライトキューブ宇都宮にて、今年4月の合同入社式に参加した新入社員を対象に新入社員フォローアップ研修会を開催した。入社6ヶ月を経過し改めて初心に返ってもらいたい。自信をもって仕事に向き合ってもらいたい。そんな思いで開催したが、逆に我々経営者が新入社員からたくさん学ばせていただいた時間となった。

研修会のプログラムは、事前課題(①会社紹介、②会社自慢、③入社の動機、④現在の仕事内容、⑤仕事のやりがい、⑥これからの目標の6項目についてアンケート)を基に参加者から個人発表をしてもらい、その後グループに分かれて発表内容の深掘りと、働くことの意義についてディスカッションを行った。

個人発表では、各社とも研修期間が終わり本配属になったばかりだったため、目の前の仕事にまずは向き合っているという発表が多かった。そのような中でも、お客様と接している中でかけていただいた感謝の言葉や資格取得するために勉強していること、自分の課題についての発表もあり、一人一人の成長を感じることができた。

グループディスカッションの前半では、発表内容の深掘りを行い、入社から現在までどのように過ごしてきたかを共有し合った。また、入社2~3年目の先輩社員と経営者から自分自身の入社当時の話や仕事のやりがい・目標についても話をしていただいた。同期と先輩社員からの話は、新入社員にとって大変刺激になっていたようで、自分の足りないところに気づき、見習おうという姿勢を感じた。

後半は、4月の合同入社式でも取り上げた「何のために働くのか」について意見交換を行った。入社したばかりと半年たった今では、「働く」という実経験ができたことで一人一人が自分の言葉で発表することができていた。その発表から、お客様と先輩にもまれながらも、目の前の仕事に対して誠実に向き合ってきたことを感じられた。

成長とは、体験からしか生まれないものであり、その成長を実感するには、他人からの評価が必要であると私は思う。今回の新入社員フォローアップ研修会では、新入社員の成長を感じることができた。私自身も大変刺激を受け、改めて初心に返って、働くことの目的や意味を自身に問いかける機会となった。

最後に、この共に育ち高め合える関係を毎年積み上げていきたいと考えています。来年4月も合同入社式の開催を予定しています。ぜひこの活動に参画ください。共に盛り上げていきましょう。

新入社員フォローアップ研修会の様子

[文責]サンプラスチック(株)
大江正孝

No.161_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部9月例会~

同友会活動が経営に活きる!
~自分流の経営のバトンつなぎ~

栃木県中小企業家同友会県南支部9月例会は、令和5年9月26日火曜日に小山市ゆめまちにて開催された。今回の報告者はタカマチ産業代表取締役の山﨑俊也氏。山﨑氏が代表を務めるタカマチ産業は、縁日やお祭りに欠かせない屋台や調理器具等を製造から販売まで手掛ける全国でも稀有な存在である。創業者は山﨑氏の祖父であるのだが、市場が出来た頃から早い段階で参入した事が市場で高い占有率を占めて、この業界に於いては寡占企業である。

今回のテーマは「同友会活動が経営に活きる!」というテーマだった。冒頭は山﨑氏自身の生い立ちから始まり、自社の現況と自己分析した企業概要と業界事情を具体的な数字や画像等を用いて分かり易く説明してくれた。今回の報告の中で興味を持って聞かざるを得ないのが、昨年山﨑氏自身が前社長の実父から事業を承継したプロセスである。

我々中小企業家は同族経営が多い。全てでは無いと思うが親子関係ならではの事業承継の難しさは、筆者自身も心当たりが有る。長年積み重ねた親子関係から意外に意思の疎通や、方向性を共有することは出来ていない事例も多いかと思われる。それらも含めて会社を運営する事の難しい事情が見えてくる。決して他人事では無い。山﨑氏は非常に複雑な課題を多々乗り越えて、同友会で学んだ事が経営判断に活用して来た事例を分かり易く説明してくれた。一番良かった事は中小企業家同友会が主催する、「経営指針をつくる会」に参加した事とのこと。ここで企業経営についてより深く学び、事前準備が出来たことがその後の経営課題を乗り越える時に活きて来たとのことである。

ご本人は謙遜されているが、外部の人間が見てもその過酷と思われる軌跡は、一経営者として驚嘆の想いを隠せない事が多々有った。その発表内容に学ぶ事が多い。そしてそれ以前に人として困難な課題に真摯に向き合う在り方を学ぶと共に、今後山﨑氏が選択してゆく経営判断に深い興味を持って注目して行きたい。

県南支部9月例会 例会報告の様子

[文責](株)アイテム
阿良山輝明

栃木県中小企業家同友会

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