No.162_News Topic:新会員訪問

News Topic 04 新会員訪問
~一般社団法人三乗堂 文化財を後世に伝えるお手伝い~

井村香澄さん、中愛さん、森﨑礼子さん3人揃っての集合写真

三乗堂は東京芸術大学で文化財保存修復を学んできた井村香澄さん、中愛さん、富山大学で芸術文化を学んできた森﨑礼子さんの3人が日光山輪王寺の三仏堂三尊修復現場で出会い、2017年4月に生まれた。

2016年の夏、中愛さんは不安の中にいた。輪王寺の修理作業が翌年3月に終わる。この現場が終われば現地スタッフは解散することが決まっていた。文化財修理技術者を目指す人は多いが転職先は大変狭き門だった。

「勤め先がないのなら一緒に会社を創ろう。」中愛さんは気の合った二人を勧誘。仕事終わり、毎日のように3人は今市のファミレスで将来の姿を語り合った。

個人的な技術も必要だが、何より文化財修理に対する思いが大切。話を重ねるうちに自分たちのやるべきことが見えてきた。「国の重要文化財の修理は国指定の企業が行う。自分たちは地域で大切にされてきた文化財や先祖代々受け継がれてきた思いを後世に伝えるお手伝いをしよう。」

彼女たちの思いは周りの方々に伝わっていく。栃木県でやっていくのであればと、輪王寺大猷院(たいゆういん)の風神雷神模刻像制作を依頼される。作業現場の確保については弊会の風間総合サービスの風間氏や大倉ホンダの鷹羽氏の働きかけで木工の街・鹿沼市に落ち着いた。

修理作業は調査からはじまり、汚れの除去や損傷箇所を檜材で補うなど仕上げに至るまで、長いものだと数年に及ぶ工程となる。修理完了後には文化財の修理報告書を作成し、履歴を遺す。再び長い時間の後に修理される時に、令和時代の修理履歴が伝わる。歴史の検証に耐える彼女らの仕事ぶりはSNSでも拡散され、現在では北は岩手県から南は徳島県まで口コミで依頼が広がり、3人では抱えきれないほどの依頼を受けた。そして先月新しくスタッフが加わることもあり、会社としての永続のため、同友会で学ぶことを決意した。

「いつも出会いに恵まれて」と語る3人、栃木同友会との出会いも価値あるものにしたい。

[文]事務局

栃木県中小企業家同友会

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