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~第22回障害者問題全国交流会 in 愛知~

第22回障害者問題全国交流会in愛知チラシ

障全交は2年に1度の開催ということで初参加であったが、この交流会にはわが栃木県から、それも鹿沼日光支部会員であるNPO法人CCVが4年前の交流会の報告者であったとのことで、色々と事前に話を聞いており楽しみに参加させていただいた。

1日目は第4分科会「全社員を巻き込んで進める、『障害者雇用と社員教育』」~『労使見解』実践20年の積み重ね~(福地金属(株)福地守社長)に参加した。

家業である会社にバブル経済の入り口頃に入社したため、何の苦労もせずに、取引先に単価を下げるといえば売上が増えていったとのこと。そのため、「社員は社長(父)と俺の言うことを聞いてくれてたら間違いないんだ」と思い込んでいたそうだ。

バブル崩壊後の低迷期(40歳)で同友会に入会し、本人としては今までよりも自社を客観的にみられるようになったと思い、43歳で経営理念を作成、44歳で父親から事業承継して社長に就任し、社員の声を聞いている…と思っていたが、46歳の時に社内で経営計画作成の一泊研修をしたところ、むしろ社員の不安をあおり夢を削ぐことになってしまい、参加者全員が退職してしまったという。

そんな中、地元の特別支援学校のインターンシップを受け入れる機会があり、その精神障害者を正式に採用することになったところで、社長はやっと「相手の立場に立つことの難しさ」を実感することができたそうだ。また、障害者に関わるうちに「障害者に対しての特別な配慮」ではなく、「社員全員に個別の配慮が必要であること」に気づかせてもらえたとおっしゃっていた。たった一人の入社での実体験により社長自身が変わることができたことで、周りの社員もとても協力的になり組織づくりもうまくいったという事例であった。

社長は「障害者部会が必要ではない社会を作る」ことが、「共存していくこと」ではないかとまとめていたが、まさにその通りだと感じた。

2日目のパネルディスカッションは「企業経営における見えない生産性とは」~人間が人間らしく生きられる共生社会へ~であった。

障害者問題とは、障害者を雇用するということ以前に、障害者に関わっていないとか知らないというところ自体が問題だよねという始まりでディスカッションが行われた。

正直なところ、人手不足から障害者雇用を始めたという事例もよくあるが、理由はどうであれ雇用する目的を会社全体で共有できる風土づくりがないと、すぐに辞められてしまうことになる。障害者も健常者と同じように働き続けることで成長できる、ということは例えば誰でもわかりやすいマニュアルがあれば全員が成長できる可能性があるということをパネラーの方全員がおっしゃっていた。

「どうせ…だから」という考えは捨てて「とにかくやってみよう」という社風を作りあげることが「見えない生産性」というまとめだった。そのためには何事も個人ではなく会社全体で取り組んでいくことが必要だと思う。

[文]トカール労務サポート
代表 齊藤加居

栃木県中小企業家同友会

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