Posted on 2023年12月2日(土) 10:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~県央支部12月例会~
北海道同友会の同友会大学に同友会の「学び」を知る
2023年12月1日、とちぎ福祉プラザにて12月県央支部例会が開催された。株式会社共立の石綱知進氏が北海道同友会大学に7か月間ZOOM留学した経験を報告した。
石綱氏は第71期目となる北海道同友会大学に参加したのだが、70回を超える同大学で初めての道外卒業生となった。
参加のきっかけは、ZOOMでも受講できるということから軽い気持ちで受講したが、実際に参加したことで大きな驚きを受けたとのこと。
7か月間毎週3時間の講義があり、合計30回で単元ごとにレポートを5回、卒業論文1回提出し合格点をとらないと卒業できないとハードなものであった。また、各講義の講師も大学教授や専門家が担っていたこともあり、内容もレベルが非常に高いものであった。
石綱氏が何よりも驚いたことは、講師・受講生・事務局の真剣さ、熱心さでありZOOMを通しても感じられたとのこと。
カリキュラム自体も豊富で経済、地域論(北海道)、法律、経営及び人間と教育を多岐にわたり、内容も充実していた。
北海道同友会大学には、経営者や幹部社員が経営の基礎から科学的思考力、広い視野を身につけるために「学び」に来ている。
石綱氏も同友会大学で受けた学びを早速自社に持ち帰り従業員への接し方や業務改善に取り組んでいる。70回を超え、多数の卒業生を輩出するだけの魅力ある大学であることはそこからも窺い知れる。
同大学では「学び」が最も重要視されている。自分の頭で考えるために学ぶことを旨として続けており、「学び」が同友会の本筋であると認識させられた。
最近の県央支部では、「学び」をテーマにした例会を開催していることからも如何に学ぶかどのように学ぶかを考えさせられる良い報告であった。
来年1月から第72期北海道同友会大学が開催される。学びに興味がある方は是非受講することをお勧めします。
[文]こいあい税務会計
片平芳明
Posted on 2023年12月2日(土) 09:00
News Topic 02 全国のNEWS
~2023 共同求人・社員教育活動全国交流会 in 鹿児島~
1日目は第1分科会「若者に選ばれる企業づくり」~産学官連携パネルディスカッション~ に参加した。
鹿児島市産業局長・大学教授・鹿児島同友会副代表理事(求人・共育委員長)の3者よりそれぞれの立場での話や鹿児島市内での連携の取り組みをお聞きした。
鹿児島の特徴が、ほど良く田舎でほど良く都会、自然が多い、新鮮な食物、車社会、生真面目な人が多い…などなど、海の有る無し以外はほぼ栃木と同じだったので、これは鹿児島で出来て栃木では難しいというのは言い訳になってしまうなと感じてしまった。
連携の取り組みとしての核となるものは「産業振興条例の策定」であった。これは街づくりが上手くいっている市町村では必ず出てくるキーワードかもしれない。内容としては高付加価値の産業の創出、企業・人材の育成支援プロジェクト、若者の地元定着促進プロジェクトがメインなので、全国のほぼすべての市町村で一応は掲げられている項目であろう。
鹿児島では「熱度マネジメント会議」という名前で、策定後の進捗確認や見直しの検討もずっと続いているとのこと。その会議で具体的なイベント(大学教職員との意見交換会や社長が読む本の寄贈や大学内での企業合同ガイダンスなどの「大(学)職(業)接続共育」)を企画実行しているので、イベントもやりっぱなしにならずに実際に地元での就職率向上につながっているようである。
根本の考えが「地域をよくしたいという想いは産学官で同じはず!」ということで、一緒に考えるというよりは、それぞれの視点からのアプローチで考えを出し合ったのちに共通項を導き出しており、お互いの違いも分かったうえで進めていることが共育につながっているような気がした。また、鹿児島市役所は中長期的に取り組んだほうが良い部門は職員の在籍を長めにするなど対応していることも、取り組みが上手くいっている一因だろう。
2日目の記念講演は「理念に学び、新しい時代に人が生きる経営を」~共同求人・社員教育活動で、企業と地域の未来を創る~ であった。
岡山トヨタ自動車の梶谷社長とEVENTOSの川中社長の対談形式で、北海道同友会で出された「21世紀型企業づくりを目指して『中小企業の経営課題』」という書籍の内容をベースにした対談だった。
そこで印象的だった話は「社員教育」とは会社のためでなくその社員が人生をどう生きるかを育てていくこと、学生時代からいかに社会につながっているかを意識させることで地域はみんながかかわって作っていくものだという学びにつなげようという2点だった。
具体的な例でとても腑に落ちたのが「親が子供に働くことが楽しいと伝えられているか」ということだった。職種によっては2世〇〇などと言われて歓迎されないこともあるようだが、むしろ「お父さんの働いている会社で私も働きたい」という子供がたくさんいる地域が増えることが社員教育の成功と言えるのかもしれない。
[文]トカール労務サポート
代表 齊藤加居
Posted on 2023年11月30日(木) 12:00
発行日:2023年 11月30日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。
Posted on 2023年11月30日(木) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~2023栃木同友会経営フォーラム~
自己変革で困難を乗り越え 輝く社員と地域を救え!
~全社員が夢を叶えられる会社へ~
報告者 株式会社 日産サティオ徳島 代表取締役 藤村 泰之氏

藤村泰之氏
2023年11月13日、宇都宮駅東口交流拠点施設ライトキューブ宇都宮にて栃木県中小企業家同友会2023年経営フォーラムが開催された。今年は44名が参加し、6グループに分かれて徳島同友会、株式会社日産サティオ徳島・代表取締役 藤村泰之氏の報告を拝聴した。
藤村氏の会社は新車・中古車の販売、自動車整備、自動車保険の他に障がい者就労支援事業や行政と連携したカーシェアリング事業など地域問題の解決に向けた取り組みを行っている。藤村氏は社長就任時、お金と人に苦しみ、多くのプレッシャーとストレスから不祥事を起こした部門長に強く当たってしまい、社内で孤立、社員を傷つけた事で自己嫌悪に落ち不眠症が発症した。氏は本を乱読し、セミナーに片っ端から参加し、どうすれば良いのかの答えを求めている時に、同友会を知った。そこで「強い思いは必ず実現する」と知り、社長の責務を全うするため行動に移り、同友会に入会し、早速、経営指針実践塾を受講した。
塾では「自己否定からは何も生まれない」「藤村さんは鎧(知識や哲学)を着こんでいて、本当のあなたが全然見えてこない!」など色々な言葉を頂いたという。受け入れられない言葉もあり、理念や姿勢が書けず深夜までサポーターと口論したが、同期の「サポーターの皆さんは1円の対価も貰わず、宿泊費を自己負担して、こんな遅い時間まで、僕たちの為にやってくれている。それなのに、まったく聞き入れない姿勢は、社員に対しても出ているんじゃないですか?」という言葉を受けて、サポーターの言葉を受け入れる事ができた。そして理念や姿勢を確立出来たと氏は語った。実践塾の中間発表では皆さんの感動を得られたとの事であったが、最後の発表は「イマイチ」と言われた。
なぜ、サポーターの心を掴めないのか、卒業後もサポーターを頼り、教えていただいた。そこで、「経営指針書に、生まれてから今までのことを全部書くと良い」と教わり経営指針書で自己開示した。指針書の中には「社員を傷つけたこと」「不眠症だったこと」「社員一人ひとり輝ける会社にしたい」「力を貸して欲しい」なども書いた。涙を浮かべる社員や共感を寄せてくれる社員もいて信頼回復のきかっけになったという。
信頼回復後は経営指針の全社的実践を加速させた。毎日、朝礼で経営指針のディスカッションを行い、共に学び、育ち合う事で理念が浸透し、社員一人ひとりが主役になり始めた。だが、中にはなかなか主役になれない社員もいる。主役になってもらうには環境と支援体制の充実が重要だ。例えば、子供のお遊戯会で直ぐに踊る子もいれば、何をして良いか分からず、止まってしまう子もいる。そういう子には黒子(先生)がサポートする事で、踊りの主役になる事ができる。私達に必要なのは社員が輝くための環境作りと支援であると氏は語った。最後に日産サティオ徳島のビデオが流れた。そこには、主役となり輝く社員の方々と一緒に藤村氏が映っていた。
藤村氏の報告は学びが多く、中でも自己開示の大切さは、私を含めたくさんの参加者の心に強く残ったと思う。
[文](株)シンデン
専務取締役 八木匠
Posted on 2023年11月30日(木) 10:00
News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部10月例会~
私への事業承継と私からの事業承継
2023年10月25日小山の「ゆめまち」にて、(有)齋藤製作所の代表取締役の伊東正郎氏に「私への事業承継と私からの事業承継」というテーマで支部例会が開催された。
話を聞いて2点印象に残った。一つは業界形態の違うところから入ってきたら「仕事の基本の流れは同じ、各自役割があり、動かしていくにはチームワークが大切。」そして今回のテーマにも関することだが、「社長の仕事は方向性と分配を決めこと。」とのことに改めてその通りだと思った。
そして、もう一つは、今回のテーマの事業承継。「各々の企業には色々な事情があるので難しい。画一的なものは無いが、早めに検討し、準備をしておく必要がある。」ということ。
伊東社長は前職、旅行会社で広告・販促と担当で、同僚であった奥さんの義父が創業した金属板金の(有)齋藤製作所に、将来の後継者として入社した。実家は、今は兄が継いでいるという、120年続くという長野温泉旅館である。温泉旅館から旅行会社、そして板金加工の町工場との経歴に、社員さんに受け入れてもらうまで時間がかかったとのこと。
先代は、職人気質が強く、会社では、社員等への仕事の技術的な指導等には積極的であったようだが、株の移転等を含めて、経営者の継承は、なかなか進まなかった。そこで伊藤氏は会計事務所を巻き込み、事業承継税制「相続税の納税猶予(特例措置)」を利用して、引き継いでいったが、感心したのは、納税猶予がより使いやすく改定されるまで株の移管を保留したことだ。これは税制を現状と今後どうなるかを研究しておかなければ出来ないことだと思った。
そして今後については、現在いろいろと模索しているところだが、まだご子息は小学生と3代目の社長にするにはまだ早い。伊藤氏の構想は、自分と息子さんの間に社員さんに社長になってもらおうと考えている。
現在は体制を構築中だが、今後どのような会社にしていくのかを幹部社員さんと議論しているという。まさに10年ビジョンの構築だと思った。
[文](株)シンデン
代表取締役 八木仁