Posted on 2024年7月31日(水) 09:00
News Topic 03 栃木のNEWS
~第2回宇都宮大学生との懇談会~
「地域に若者を残し、地域で若者を育てる」
を学生と共に考えた
6月25日に宇都宮市東コミュニティセンターにて宇都宮大学生との合同例会が開催された。
学生側の「地元で就職を考えている学生が多いが、地元企業の魅力を知る機会がない」「学生がミスマッチの無い就職を地元で実現できる環境を作る」という願いと、「どうしたら中小企業の魅力を学生に知って頂けるか」という同友会の願いが一つになり、7月21日に宇都宮大学内でインターンシップマッチング会が開催される。今日はそこに向けて双方の理解を深めていく例会となった。
例会では、コラベルト 小倉大河氏・鈴木惟吹氏(宇都宮大学地域デザイン学部3年生)からの学生アンケート調査や体験報告、宇都宮大学生 柳田涼氏・増田壮真氏・鎌倉理帆氏によるインターンシップ体験報告、インターンシップの運営・考え方を中小企業家同友会全国協議会事務局 横山朋美氏より、また、インターシップの事例説明を(株)サンプラスチック・大江正孝氏(経営労働委員長)より説明を頂いた。
コラベルト 鈴木氏から7月21日参加予定企業への事前取材の際の「『地域に貢献している』という誇りを社長が持っていると実感、大企業のCSRとは違いすがすがしく感じました。」という感想を述べられた。
グループ討論では、「インターンシップを受けたいのはなぜですか? 受けてもらいたいのはなぜですか?」をテーマで行われ、私が属した第2グループでは、会員側からは、地域にある中小企業で働くワクワク感を感じてもらいたい、インターンシップを受け入れることで起こる自社の社員の変化を期待したいという意見があり、学生からは資料を見ても気づけない、「働く」ということを知りたい、社会に対して価値をどうやって生み出せるようになるかを知りたい、といった意見があった。
私自身、今回の同友会の一連の取り組みがきっかけとなり、今期初めてインターンシップに挑戦する。「地域に若者を残す、地域で若者を育てる」中小企業に向かう貴重な学びを得ることができるため、今後もより多くの方に参加して頂きたい。
[文]斎藤秀樹
(株)ウィステリアコンパス 代表取締役
Posted on 2024年7月31日(水) 08:00
News Topic 04 全国のNEWS
~第27回女性経営者全国交流会 in 大阪~
ビジョンを絵で表現する。
1日目は、第5分科会「人と地域を大切に思う心こそが社会を強くする」((有)サンディオス 津賀社長)に参加した。
地域に根差した企業になるために実践したことは、会社に対する信用づくりとのこと。それは、特別なことではなく、就業規則の作成・残業代支払・財務公開から始めたという。年2回顧問税理士さんから社員全員で数値の見方を学んでいるそうで、顧問士業の活用をうまくされている事例だなと感じた。「会社に対する信用づくり=社員が会社を信用して安心して働ける場所と思える」ことが大事である。
同友会に入会して腹を割って話せる仲間ができ、会社の大小関係なく悩みを前向きに解決できるようになったことが社内改革に取り組むきっかけだったそう。
広告制作業だけでは今後もたないと悩んだ時も、橋本久美子氏の「川上にいこう」という言葉を社内に落とし込み、「広告制作=クライアントを応援する」という定義にたどり着き、受け身の広告制作だけでなくマーケティング支援、プレゼン支援、地域イベント運営を始めたので、本業にブレずに業務の幅を広げて地域とのつながりを深めていけたというところが着実に成長できた要因とのことだった。
グループ討論の発表では、「業績もよくならないと人を生かす経営にはならない」や「社員の感情に振り回されず、仕組みを作って対応する」こと、また「同友会の運営自体は果たしてダイバーシティ経営となっているだろうか?」という問題提起にまで及んだ。
2日目の記念講演は「社会起業家として生きる。」(認定NPO法人Homedoor 川口理事長)で、19歳でホームレス問題を解決しようと起業されたところから現在までの流れを講演していただいた。
ホームレス問題では全国でボランティア団体等が様々な支援を行っていることを報道等で拝見するが、ここまで原因や社会構造自体の分析や解決するための手法を考えて、寄付金等に頼るだけでなく億単位の借金までして実行している話は初めて聞いた。
ホームレスの方々にただ甘えさせるのではなく、丁寧にヒアリングして選択肢を提供する、ヒアリング内容から自社のサービス内容も考えていくという考えで「誰もが何度でもやり直せる社会を作る」というビジョンで運営されている。
2日間共通していたのは、ビジョンを絵で表現されていた点だった。こんな社屋で、こんなサービスを提供して、こんな人々とつながりたいという絵である。社員や地域の方にビジョンを共有するのに、パッと見てわかりやすいというのも大事なことであると学べた全国大会であった。
[文]齊藤加居
トカール労務サポート 代表
Posted on 2024年7月31日(水) 07:00
コラム
民主ということ
内田樹のはなしを読む。「民主政の終わり」という2024-7-12の記事。そのなかで、民主政の特徴をこう述べている。
「市民に向かって政治的成熟を求める政体は民主政の他にはない。」と。
この言葉をうけて同友会で言う、「民主」とは、何なのだろうかと考えてみる。
経営者が社員や自分に人間的成熟をねがうということ。経営者自身が社員や自分に対して「大人になれ」といいつづける仕事を引き受けること。
内田氏のことばを借りるとこう言えるのではないだろうか。
昨年わたしが受講した、北海道同友会の同友会大学は経営幹部が宇宙、民族、経営、経営などなど雑多なものをまなぶものだった。これがなぜ経営に必要なのかとおもう内容も多い。受講するのをどうしようかと戸惑ったほど。
これを、「民主」を支える力をつけてもらえるような人間的成長を願って学んでもらうという意図だとすると、納得がいく。
今回の第56回中同協総会のテーマに掲げられた「21世型中小企業」は93年の札幌総会で宣言された。それから30年経ち、新しい時代が求める企業=同友会型企業像ということで、今総会では全社的な共育を実践し発展している企業が多数報告していた。
企業の成長は、会社に関わる人の人間的な成長にかかっている。
内田氏の成熟という話が「同友会型企業」の理解をふかくしてくれた。
[文]石綱知進
専務理事
Posted on 2024年6月30日(日) 12:00
発行日:2024年 6月30日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:https://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。
Posted on 2024年6月30日(日) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~第39回栃木同友会総会基調報告~
三位一体の活動で明日を拓く

佐藤全氏
株式会社 ヴィ・クルー
代表取締役 佐藤 全氏(宮城同友会)
所在地:宮城県白石市斎川字伊具田25-1
創 業:2006年
事業内容:車体整備事業(板金、塗装、電装、リニューアル、クリーニング)リサイクル事業(解体、リサイクルパーツ品販売)、企画営業(デザイン、ディスプレイ事業)、製品開発(設計、企画、販売)
HP:公式サイトはこちら
2024年5月22日、第39回栃木同友会定時総会がライトキューブ宇都宮で行われた。第2部として株式会社ヴィ・クルー代表取締役である佐藤全氏を講師に迎え「経営指針・社員共育・共同求人 三位一体の活動で明日を拓く」と題して同友会活動の学びから実践に関する講演いただいた。
沢山のお話をいただいたが、今回は①自社・自分に対する気づき、②同友会活動を再認識する機会となった2つに絞って書かせていただいた。
①10年ビジョンを対極で考える
現状の対極にある10年ビジョンを考え、ご自身で歩み続け社内で発信し続けてこられた実践をお話してくださった。例えば、自動車について「化石燃料を使い、排気ガスを吐き出し、走れば走るほど地球を汚す」の対極は、「走れば走るほど地球を綺麗にする」のビジョンにむかって社員と共に考え進んでこられた。
2024年現在は、第2章の10年ビジョンを走っているそう。その中でも、中国のEVバスメーカーとEVバス開発を進め移動手段のバスから「走れば走るほど地球を救う車を創る」バスを実現してきたと話す。貨客混載の車を日本で一番はじめに設計され当時車の構造上無理だと言われたことも実現してきた。
また、観光地の駅から駅までの移動手段のバスをエンタメ化し映像を使った観光地プロモーションをするなど「トキつくり」「コトつくり」を目指していくと話す。
佐藤氏は「成功者のように聞こえるかもしれませんが、裏ではその何倍もの失敗を経験してきた」と言い、地道に活動を継続して、いかにして会社を成長させてきたかという内容だった。
私自身、2019年に経営指針をつくる会を受けた後5年になり、日々の仕事におわれているが、10年という第1章を終えたトキに自分・自社のありたい姿を改めて社内でも話しあってみたいと思った。
②同友会活動の三位一体実践を聴く
※三位一体とは(第39回定時総会議案書P17から抜粋)から「経営労働委員会では経営指針を学び、社員共育委員会では経営者が社員とともに成長する過程を学び、共同求人委員会では社員を募り若者を学び若者が育つ環境づくりを学びます。」
佐藤氏が新卒採用を続けてこられた経験からのお話だった。「新卒採用について30年前は売上をあげるためにやっていた」が、同友会と出会い委員会活動で学び変わっていくなかで、20年前は新たな組織つくりとして、10年前は新事業準備としてとらえて新卒採用を続けているそうである。
若者を迎えて人を育てないとならない。その一つとしての資格取得(仕事に関係ないどんな資格でもOK)の費用は、コロナ禍でバスの需要がなくなり売上が極端に減少した状況でも会社が全額負担することを続け、成果として一年に一度の経営指針発表会資料へ社長も含め全員が一年間にどんな資格を取得したか一覧でわかるようにする。
地域では人口減少の中、田舎の若者が地元に残って働いてくれるのは奇跡である。その若者たちは地域で消防団に入ったり、青年団に入ったり…など活躍をしてくれ地域でも大切な存在となっていると話す。
私自身、栃木同友会の2024年度活動方針を話し合う会議に出席した一人として、栃木同友会活動方針である「経営の畑を耕し、種まき、根をはる一年~自社と同友会の大いなる実りの為に~」を実践していくために活動することの重要性を考えた。
[文]有限会社芯和
高橋和子