No.145_特集コラム

特集コラム

「私と同友会」

2022年度栃木同友会役員の皆様のご紹介もかねて、役員の皆様に同友会で何を学んだか、同友会を自社の経営に活かすためにどう活用すればよいのか…等々をご自身の体験を踏まえて、コラムを書いていただいております。
今回は八木・山中両代表理事のコラム「私と同友会」をご紹介いたします。

【私と中小企業家同友会1】栃木同友会 代表理事 山中重雄
同友会で学んだ判断力・忍耐力・記憶力

1998年6月22日「この激震時代、不況をどう乗り切っていくのか。現状を見直し生き残りを掛けた戦略を本音で語って頂きます。自らの経営の内と外、経営者自身の内を問いながら英知と情熱を持って成しうる限りの不況対策を実行。参加者全員で指摘しあいながら我が社の策を見直してみましょう。」とのふれこみの例会に、フカサワ会長から招待を受けてオブザーバー参加し、そのまま入会いたしました。

入会当初は報告者のお話など頭に入らないのが現状でした。当時の自社は、会社に帰ると支払いに追われ、動脈にナイフを突き立てられているような毎日でした。

その後、同友会の勉強の中で経営計画書を作成、宇都宮で土地を購入し、倉庫、整備工場を建設するなど、皆さんの意見をいただきながら何とか創業30年を迎えることができました。

私が同友会で学んだことは、判断力、忍耐力、記憶力です。この言葉の一部を入れ替えれば、人は判断力の欠如によって就職し、忍耐力の欠如によって退職し、記憶力の欠如によって再就職するとなると思います。退職と再就職を何度も繰り返しながら少しでもレベルアップしていない人を見ていると、なんとなくそんな感じがしてきます。

また、人は判断力の欠如によって独立し、忍耐力の欠如によって倒産し、記憶力の欠如によって再起すると思います。なぜ倒産したかを冷静に振り返らないまま再起し、再び倒産した経営者を何人も見てきました。判断力も忍耐力も理性の力が必要です。感性が勝りすぎては方向を誤ります。また記憶力も同様でしょう。

しかし実際には人間の思考は70%感情で判断しているそうです。半面理性がでしゃばりすぎても冷たさを感じます。失礼なことも申し上げましたことお詫びいたします。

私は今でも同友会で学んだことは実践をしております。

私が入会した例会(1998年6月22日)

【テーマ】
不況を乗り切る 我が社の経営戦略
【コーディネーター】
有限会社メディア 館野社長
【パネリスト】
有限会社翔建築設計 中村社長
株式会社フカサワ 深澤社長
株式会社ワタナベプレス 渡辺社長

[文責]代表理事
(株)こぶし 山中重雄

【私と中小企業家同友会2】栃木同友会 代表理事 八木 仁
「経営者の事業承継と企業家の事業承継」

事業承継について、経営者の事業承継と企業家の事業承継は違うのではないかと思っている。同友会に入会して、なぜ「企業家」を使っているのかと疑問に思っていた時があり、少し当たってみたが、よくわからなかった。

そこで、漢和辞典で字を調べ、「企業家」と「経営者」を並べて比較してみた。

「企業家」と「経営者」比較図

【業(ぎょう)】も、【営(えい)】もニュアンスは少し違うが、要するに「仕事」だ。

経営者の【経】は織物の経糸を表している。当社でも生地を加工することがあり、経糸の方向を「流れ」といっている。つまり、今までの流れにそって仕事をしていくのが、「経営者の事業承継」だ。一方、企業家の解釈だ。

まず【者(しゃ)】に対する「か」だが、【家(いえ)】という字を使っている。その使っている場面を想像すると、歴史と、広がりを、背負っている場面が上がる。

たとえば「八木家」と言った場合は、先祖代々、一族郎党を称するような場面に使われている。柔道家、茶道家なども伝統という歴史を背負った方々を称するときに使われる言葉だと思っている。

企業家の【企】は、「企てる(くわだてる)」、つまり「考えていく」とか「もくろむ」という意味合いがあると同時に、「つま先立つ」という意味があった。

埼玉同友会の久賀きよ江さんの講演で、立教大学の山口義行先生に「隣接異業種」「新規性5%」という言葉を教えてもらい、それを実践してきたという話を聞いた。その話を聞いて、自分のつま先立った高さを測定したら、ちょうど5%であった。

人込みの中、遠くを爪先立ってみるように、われわれ企業家は、事業の将来性をすこしでも高いところから遠くをみて、考えていくことが、企業家の事業継承であろうと思った。

当社は、息子が入ったので、事業承継の準備が始まった。

当社だけでなく、栃木県中小企業家同友会の事業承継は、ただ先代の事業を流す「経営者の事業承継」でなく、自分の立ち位置と進むべき方向を見定めながらすすむ、「企業家の事業承継」であってほしいと考えている。

当社では、父親たちは、自社を「【各種発泡体の特殊加工】を行う会社」と言ってきた。

私は、社長になった時、今までお客様であった会社と競合するようにもなって、加工領域を広げてきた。

ちょうど「癒し系」ということばが流行っていた時期で、それにならって、私は、「【柔らか系樹脂の熱成型】を行う会社」と称した。

そして、次の【企業家】には、これまでの歴史を意識しつつ、新たな事業の存在領域を見つけ、進んでもらいたいと考えている。

[文責]代表理事
(株)シンデン 八木 仁

栃木県中小企業家同友会

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