No.69 第25回 みんなの広場
Posted on 2012年6月26日(火) 14:18
第 25 回
(有)翔建築設計事務所 代表取締役
県央支部会員
よみがえる報徳思想
私が日光市の二宮尊徳の研究会である「報徳道研修 いまいち一円会」に入会してかれこれ14年経ちます。毎月例会があり、今年は会計係を仰せつかったのでしょうがなく皆出席。創立時の座長であった元教育長の佐藤先生が今年84才でお亡くなりになったのを期に、突然使命感が芽生えた私。70才以上の高齢者が多い会で、近い将来会存亡に関わると感覚的に思ったのと、後世に伝えていかなくてはならないという強い意欲が芽生えたようです。
中国では近年二宮尊徳ブームを迎えています。本当ですよ。2003年に中国の研究者が主体となって発足した「国際二宮尊徳思想学会」は2年に1度開催し、去年京都で第5回大会を開催しました。5回のうち3回は中国で開催されている。国内よりもむしろ、経済と道徳の相克が深刻化している中国において大いに注目されており、北京大学や清華大学などそうそうたる学府を中心に研究が進んでいます。中国の研究者は若手が多く、本家の日本は高齢化。
東京都副知事の猪瀬直樹氏が「ゼロ成長の富国論」を発表し、報徳思想が経済的成熟社会と人口減少時代に直面する現代社会の問題点を解決する糸口になるのではないかと提案しています。
尊徳および報徳仕法役場の膨大な記録は、現在きちんと国会図書館に残されています。再現性のある尊徳の手法は、農業から形を変え、現代のビジネスにも応用できるのではないかと思っています。