Posted on 2022年6月30日(木) 08:00
特集コラム
「私と同友会」
2022年度栃木同友会役員の皆様のご紹介もかねて、役員の皆様に同友会で何を学んだか、同友会を自社の経営に活かすためにどう活用すればよいのか…等々をご自身の体験を踏まえて、コラムを書いていただいております。
今回は八木・山中両代表理事のコラム「私と同友会」をご紹介いたします。
【私と中小企業家同友会1】栃木同友会 代表理事 山中重雄
同友会で学んだ判断力・忍耐力・記憶力
1998年6月22日「この激震時代、不況をどう乗り切っていくのか。現状を見直し生き残りを掛けた戦略を本音で語って頂きます。自らの経営の内と外、経営者自身の内を問いながら英知と情熱を持って成しうる限りの不況対策を実行。参加者全員で指摘しあいながら我が社の策を見直してみましょう。」とのふれこみの例会に、フカサワ会長から招待を受けてオブザーバー参加し、そのまま入会いたしました。
入会当初は報告者のお話など頭に入らないのが現状でした。当時の自社は、会社に帰ると支払いに追われ、動脈にナイフを突き立てられているような毎日でした。
その後、同友会の勉強の中で経営計画書を作成、宇都宮で土地を購入し、倉庫、整備工場を建設するなど、皆さんの意見をいただきながら何とか創業30年を迎えることができました。
私が同友会で学んだことは、判断力、忍耐力、記憶力です。この言葉の一部を入れ替えれば、人は判断力の欠如によって就職し、忍耐力の欠如によって退職し、記憶力の欠如によって再就職するとなると思います。退職と再就職を何度も繰り返しながら少しでもレベルアップしていない人を見ていると、なんとなくそんな感じがしてきます。
また、人は判断力の欠如によって独立し、忍耐力の欠如によって倒産し、記憶力の欠如によって再起すると思います。なぜ倒産したかを冷静に振り返らないまま再起し、再び倒産した経営者を何人も見てきました。判断力も忍耐力も理性の力が必要です。感性が勝りすぎては方向を誤ります。また記憶力も同様でしょう。
しかし実際には人間の思考は70%感情で判断しているそうです。半面理性がでしゃばりすぎても冷たさを感じます。失礼なことも申し上げましたことお詫びいたします。
私は今でも同友会で学んだことは実践をしております。
私が入会した例会(1998年6月22日)
- 【テーマ】
- 不況を乗り切る 我が社の経営戦略
- 【コーディネーター】
- 有限会社メディア 館野社長
- 【パネリスト】
- 有限会社翔建築設計 中村社長
株式会社フカサワ 深澤社長
株式会社ワタナベプレス 渡辺社長
[文責]代表理事
(株)こぶし 山中重雄
【私と中小企業家同友会2】栃木同友会 代表理事 八木 仁
「経営者の事業承継と企業家の事業承継」
事業承継について、経営者の事業承継と企業家の事業承継は違うのではないかと思っている。同友会に入会して、なぜ「企業家」を使っているのかと疑問に思っていた時があり、少し当たってみたが、よくわからなかった。
そこで、漢和辞典で字を調べ、「企業家」と「経営者」を並べて比較してみた。
【業(ぎょう)】も、【営(えい)】もニュアンスは少し違うが、要するに「仕事」だ。
経営者の【経】は織物の経糸を表している。当社でも生地を加工することがあり、経糸の方向を「流れ」といっている。つまり、今までの流れにそって仕事をしていくのが、「経営者の事業承継」だ。一方、企業家の解釈だ。
まず【者(しゃ)】に対する「か」だが、【家(いえ)】という字を使っている。その使っている場面を想像すると、歴史と、広がりを、背負っている場面が上がる。
たとえば「八木家」と言った場合は、先祖代々、一族郎党を称するような場面に使われている。柔道家、茶道家なども伝統という歴史を背負った方々を称するときに使われる言葉だと思っている。
企業家の【企】は、「企てる(くわだてる)」、つまり「考えていく」とか「もくろむ」という意味合いがあると同時に、「つま先立つ」という意味があった。
埼玉同友会の久賀きよ江さんの講演で、立教大学の山口義行先生に「隣接異業種」「新規性5%」という言葉を教えてもらい、それを実践してきたという話を聞いた。その話を聞いて、自分のつま先立った高さを測定したら、ちょうど5%であった。
人込みの中、遠くを爪先立ってみるように、われわれ企業家は、事業の将来性をすこしでも高いところから遠くをみて、考えていくことが、企業家の事業継承であろうと思った。
当社は、息子が入ったので、事業承継の準備が始まった。
当社だけでなく、栃木県中小企業家同友会の事業承継は、ただ先代の事業を流す「経営者の事業承継」でなく、自分の立ち位置と進むべき方向を見定めながらすすむ、「企業家の事業承継」であってほしいと考えている。
当社では、父親たちは、自社を「【各種発泡体の特殊加工】を行う会社」と言ってきた。
私は、社長になった時、今までお客様であった会社と競合するようにもなって、加工領域を広げてきた。
ちょうど「癒し系」ということばが流行っていた時期で、それにならって、私は、「【柔らか系樹脂の熱成型】を行う会社」と称した。
そして、次の【企業家】には、これまでの歴史を意識しつつ、新たな事業の存在領域を見つけ、進んでもらいたいと考えている。
[文責]代表理事
(株)シンデン 八木 仁
Posted on 2022年5月31日(火) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~栃木県中小企業家同友会 第37回定時総会~
今こそ、同友会の原点に立ち返り、「経営」を見直そう!
令和4年5月24日、栃木同友会定時総会が、ベルヴィ宇都宮で開催され県内外より延べ86名が参加した。2021年度の栃木同友会は、「変化を生き抜く『シコウ』と『シンカ』」をテーマに様々な活動を行ってきた。しかし新型コロナウィルス感染予防の為の蔓延防止措置等に伴い、例会のリアル開催が少なく、「かかわり合う」「互いのことを知り合う」ことの難しさを痛感した。常任理事会が中心となり行った会員訪問活動では各会員の現状を知ることができ、同友会への期待も実感できたが、会員数を伸ばすことができず、今年度は、事務局の勤務日数を減らすことで人件費を削減するという厳しい予算が報告された。今年度は昨年度以上に、いかに環境が変わっても諦めず、あらゆる手段を駆使して「学びあえる場」を作り続け、同友会理念の一つである三つの目的「よい会社を作る」「よい経営者になる」「経営環境を改善する」の実現に向けて活動するという方針が承認された。
企業経営と同友会活動は不離一体
同友会で学んだ「一人一人が輝き、成長する組織づくり」

基調報告
中野愛一郎氏
第2部の基調報告は、「企業経営と同友会活動は不離一体〜同友会で学んだ一人一人が輝き、成長する組織づくり〜」というテーマで、奈良同友会副代表理事・共同求人委員長、株式会社イベント21代表取締役の中野愛一郎氏に報告して頂いた。中野氏は、父の急逝により26歳で事業を継承。創業以来16年間連続債務超過の潰れかけの会社だった。
しかし同友会で学んだおかげで大きく変わり、社員数4名が175名に。売り上げは1億から16億(コロナ前2019年)。全国25拠点。グループ5社にまで成長できた。
しかし、コロナショックの直撃を受けて、売り上げは一時9割減まで落ち込んだ。それまでは、「※グリーン組織」だった文化を急遽「※オレンジ組織」に戻し、トップダウンのメッセージを毎日全社員に送った。理念は「you happy, we happy」物心両面での3方良しが、イベント21の存在意義だと伝え続け、コロナ禍でもやらなくてはならないイベントをプロとして安心安全に企画した。コロナ禍だからこそ、ミッション、ビジョン、コアバリューを全社員と共有した。コロナによって生まれたイベントを取りにいき、全社員が一体となり、荒波をチャンスに変えることができた。今年の1月から3月は、過去最高売り上げを達成した。「よい会社」とは、良い文化のチーム。
良い当たり前をどのようにして組織の中につくっていくかが大切で、それが経営者の役割。経営者が本気になり、新しい事にチャレンジする姿を見せるようにしているという。社員全員が会社を語れることを目指している。インプット3割でアウトプットは7割を意識している。若手社員が学生に会社の説明ができるように、新卒採用を続け、社員面談もつづけているとのこと。
現在は、本物の社員主体の組織を目指し、「※ティール組織」へ挑戦しているとのことだった。「良い経営環境づくり」では、子供達に希望や元気を与えたいと、中学校での講義もおこなっている。大学では、「君たちは日本の宝」と学生たちに、語りかけているが、結局は自分が元気をもらっているとのことだった。
Great Place To Work 日本で働きがいのある会社ランキングベストカンパニー、WOMAN’s VALUE AWARD,ホワイト企業認定最高ランクプラチナなどの賞を受賞した。
※フレデリック・ラルーによる5つの組織モデル
- 1.レッド組織
- 「オオカミの群れ」。特定の個人の力による支配。
- 2.コハク組織
- 「軍隊」。上位解脱で厳格な社会的階級に基づく序列。
- 3.オレンジ組織
- 「機械」。階層構造の中で出世が可能。組織が機械のように動く。
- 4.グリーン組織
- 「家族」。階層構造はあるが、より個を重視した人間らしい組織。
- 5.ティール組織
- 「生命体」。組織の目的実現の為メンバー全員が信頼に基づき変化する。
2年越しの青年部設立

青年部設立宣言
石川大樹氏
最後に、石川大樹青年部会長が、青年部設立宣言をおこなった。
ご報告いただいた中野氏と、青年部設立を祝して駆けつけてくれた11都県の会員さんたちへの感謝を伝え、コロナ禍で度重なる延期を乗り越えて開催できたことへの喜びを語った。
「分かち合い、学び合い、気づきを得て高めあいたい」と決意を述べた。
[文責]NPO法人CCV
神戸真弓
Posted on 2022年5月31日(火) 10:00
News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部4月例会~
みんなのオススメは侮れない
~県南支部4月例会~
4月20日(水)今年度初の県南支部例会がオンラインにて開催された。今回のテーマは「私のオススメ!情報交換会」。
県南支部では恒例の企画で、経営に関連している・していない関係なく参加者全員が他者にオススメしたいものを持ち時間の数分間でプレゼンしあっていく企画で、毎回他人のオススメから得るモノが多く人気だ。
今回は次のモノがでた。♦本「あなたの会社は原価計算で損をする(復刻版)」、♦邦画「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」、♦TV番組「NHKスペシャル」シリーズ、♦定額制音声聞き取り型読書サービス「オーディブル」(※月額1500円で聞き放題)、♦本「売れるもマーケ 当たるもマーケ・マーケティング22の法則」、♦本「世界のエリートがやっている 最高の休息法」、♦本「アリエリー教授の「行動経済学」入門」。
文字数の関係で大部分を省略している点をご容赦頂きたい。
残りの紙面では最も盛り上がって今回のベストワンといって過言でない行動経済学について紙面を割いていきたい。これは保険業の福田氏のオススメで登場。のっけからクイズ形式でみなを引き込むプレゼンも見事だった。「Q.ヨーロッパの国々で臓器提供意志表明者が9割近い国々と1割程度の低い国々との違いは何か?」答えは「回答の方式」だった。
日本の免許証裏のようにOKならチェックをいれる方式では軒並み低いのだが、NGの場合にはチェックをいれる方式だと賛同者が増加する。人間の心理というか本質的なクセを解析したこの知識をうまくビジネスに取り込むとある程度の(場合によってはかなりの)状況をコントロールする事が可能になるというもので非常に興味深かった。なお福田氏がこの行動経済学に興味をもったのは数年前のNHKスペシャルだったとの事。みんなのオススメは侮れない。ぜひあなたもオススメのどれか1つはチェックして頂きたい!
[文責]タカマチ産業
山嵜俊也
Posted on 2022年5月31日(火) 09:00
コラム
栃木同友会の定時総会には、時代をリードするような数多の青年経営者が全国から応援に駆けつけてくれました。懇親会ではその一人一人が壇上に立ち、同友会との出会いで生じた自分の変化、自社の変化、そして変化の源泉となった仲間の存在等を語りました。
「目的をもってやり続けること、自分の思いを持ち続けることはとても難しい、それでも、普段に接している仲間達が、当たり前のように実践し進化している姿を見ると、負けていられないと奮起させられる」など口々に語る彼らに、「同友会で学んで変わる」という意味を改めて思い知らされました。
生命の特徴は
- 一人一人(一つ一つ)がかけがえなく違うこと
- 常に変わり続けていること
- 全ての命は関わり合いの中にあるということ
だと、ある教育学者が語っておりました。
人の体内では1日に数千億の細胞が生まれ死んでいます。自覚があるなしに関わらず、私たちは常に変化しているのです。しかし、どう変わるのかは十人十色です。どんな「関わり合いの中」に身を置くかによって、また、どうなりたいのかによって、変化の色合いは変わっていきます。
風雲急を告げる時代の変化は、否応なく私たちに進化を要求します。だからこそ理念の具現者である先達や仲間のいる「学びの場」に足を運んで、「学んで変わる」ことが「あたりまえ」の関わり合いを実感していただきたいと心より思うのでした。

栃木同友会青年部メンバー
[文責]事務局
Posted on 2022年4月30日(土) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~2022合同入社式・研修会~
「若者ならではの清新な発想と情熱で地域を元気に!」
~2022栃木同友会合同入社式・研修会行われる~
4月4日ベルヴィ宇都宮にて、新入社員として5社から大卒6名、高卒2名、中途入社1名の計9名。付き添いの経営者・経営幹部他、総勢29名で晴れやかに執り行われた。式典では、各社一人ずつ新入社員を壇上より紹介、代表者による決意表明を行い、また栃木県知事から祝電をいただき、「若者ならではの清新な発想と情熱、そして溢れる行動力を遺憾なく発揮し、地域の活性化に向けて御活躍されることを心から期待しています。」と激励の言葉をいただいた。
式典後は、先輩社員によるパネルディスカッション、研修会を行った。パネルディスカッションでは、入社1~3年目の先輩社員4社5名に登壇していただき、仕事のやりがい、失敗をどのように乗り越えたのか、休日のリフレッシュの仕方など、少し上の先輩から具体的でリアルな話をしていただいた。不慣れながらも仕事のやりがいを語る社員の姿は、派遣した経営者にとって成長を実感できる機会ともなっていた。むしろこの時間は、登壇している社員より経営者の方が緊張していた。これは意外な気づきであった。
研修会では、社会人としての心得として、「会社・組織とは?」、社会人として必要な「仕事の基本10選」について学んだ。また職場でのコミュニケーションの取り方についてワークを行いながら学んだ。グループ討論では、会社を選んだ理由と実現したいことについてお互いの考えを披露し合った。同年代の異業種の仲間から多くの刺激を受けたのではないだろうか。一方で、付き添いで参加した経営者、幹部社員にとっても大いに学びになった。特にグループ討論では他社の新入社員の考え方に触れることができ、大いに刺激を受けた。まさに社員、経営者が互いに学び合い、育ち合う機会になった。
今回の合同入社式開催にあたっては、昨年9月より経営労働委員会が主となり準備を進めてきた。開催目的として、新入社員と経営者が共に人間としての成長を目指して、①働くことの意味をつかむ。②社会人としての自覚を高める。③人間として成長する。ことをねらいとし、その機会を経営者自らがつくることを開催目的とした。初めての開催で反省点も多く出たが、派遣企業の他参列者19名で新入社員の新たな門出を共に祝うことができたことは、栃木同友会として大変喜ばしく、地域の若者を共に育てていく第一歩となった。
経営労働委員会では、今回の合同入社式・研修会をきっかけとして、社員教育準備会を新年度より立ち上げる予定です。あくまでも経営指針(経営理念・10年ビジョン・計画)成文化運動を軸にしながら、働く環境づくりや、共に育ちあう土壌づくりにも注力していきます。具体的には、合同入社式・研修会の他、新入社員フォローアップ研修、中堅社員研修、幹部社員研修、共同求人など、順次企画していきます。「採用難・人が育たない・すぐに辞めてしまう」と嘆いていても始まりません。良い会社、良い経営者、良い経営環境を自らつくるという気概をお互いに持って、知恵を出し合っていきたいと思っています。ぜひ、共に活動しましょう。
[文責]経営労働委員長
サンプラスチック株式会社 大江正孝氏