Posted on 2024年2月29日(木) 09:00
News Topic 03 栃木のNEWS
~県南支部2月例会~
「この経営会議は素晴らしかった!」
今回の例会を通じての私の率直な感想である。自社の経営会議で、建設的な意見の上に建設的な意見が積み重なっていると感じることができる会議は、少ないのではないかと思う。
例会は、「(株)ケンナン 経営会議 Vol.3 ~議論で頭を使う夕べ~」というタイトルで、2024年2月21日、ゆめまち(小山城南市民交流センター)で、参加者11名で行われた。
これは「どのようにしたら栃木同友会県南支部を活性化させることができるか?」というテーマを、例会を会社の会議に見立てて、皆で分析し、それを元に話し合おうと始まった。
1回目では、「われわれの会は何をする会なのか」を皆で確認した。そして2回目では「何を学んでいきたいのか?」を出し合った。そして今回、「なぜ増強しなければならないのか?」というテーマで議論した。
このところ県南では、会員同士で仕事の課題を中心に、情報交換が活発に行われている。例えば、ある会員が近々労働基準監督署の立ち入り調査が入るという情報を流したところ、「このようなところは要注意!」という情報が上がった。終了後の「このようなところを注意された。」という情報には、「当社ではこのような商品を扱っているので一度検討したらどうか?」などの提案がでるなど、さまざまな情報が回った。
こうしたことから、「人数が多ければ多いほど、より実戦的になっていくはずであるので、参加してくれる会員を増やしたらもっと楽しいはず」ということに皆が賛同した。
しかし、経営のことを考えると参加したい気持ちがあると同時に「いかない理由」も出てくるという意見があった。そもそも「学ぶ」という体験が、それまでの学校生活が苦痛でトラウマになっている経営者を知っていると参加者もいた。
そのような議論の中で「同友会の学び」とはどういうものかという議論になった。
ある会員から、「仕事さえ回っていれば会社は回ると考えていたが、やはり経営者としての学びが必要だと考えた」という意見がでた。
しかし同友会の学びは、「経営者のあるべき姿」が曖昧に感じるかもしれないが、「知りたい、理解したいという気持ちを根底に、自分で考えていくことが大切で、みんなの経験を聞いて、それを自社にアレンジし、それらを生かすことが同友会の学びなのではないか」ということで大筋の意見がまとまった。
次回は支部総会で、以上のような議論を踏まえて、来年度学んでいくことを考えていきたい。
[文](株)シンデン
八木仁
Posted on 2024年2月29日(木) 08:00
News Topic 04 栃木のNEWS
~とちぎ連合との懇談会~
2月2日、同友会事務局に於いて連合栃木との懇談会が行われた。連合側は吉成会長をはじめ5名、栃木同友会は八木代表理事をはじめ4名の計9名が参加し、事務局をフルに使っての会談となった。
懇談の話題は中小企業での給与のベースアップは行われているか、給与のベースアップに伴い、製品の価格転嫁は行われているか…といったここ数年の物価高、人材難、賃上げへの対応について終始した。
最初に働き方改革について経営者側から「働き方改革の方針に賃金の高い職場への人の流れを促進する動きがある。自社でも転職サイト登録者が多く、せっかく育てた人材が流失している。これに対処するためにも労働環境の改善が必要だが、一朝一夕にできることではなく、特に7割を占める中小企業の実態を考えると課題は深刻である。
価格転嫁に関して、「製造業では年度の前半は素材価格の上昇が毎月のように続き、半年に一度の価格交渉で対応してきた。」しかしながら、「賃金アップに対応する価格転嫁は難しい。業界によっては黒字率が30%を下回る所もあり、社員の賃金アップまで手が回らないといったところも少なくない。中小企業間においても賃金格差は広がっている。」といった報告もあった。
また、下請法に関しての矛盾、建設業に関しては入札制度の見直しなど、話題は尽きなかった。
連合栃木からの参加者は年々増えている。同友会の「社員の暮らしを守る」という視点は連合栃木の皆様にも共感を呼んでいる。とはいえ、経営に関する不確定要素が増えていく昨今、経営を維持、発展させていくのは困難だ。「良い会社をつくって対応するしかない」のつぶやきが心に残った。
[文]事務局
Posted on 2024年2月29日(木) 07:00
News Topic 05 栃木のNEWS
~新会員紹介~
有限会社みらいヘルスデザイン
築90年の店舗で祖母の営みを繋ぐ

唐木成仁氏
唐木成仁氏の祖母が看護婦紹介を始めたのは戦後すぐの頃に遡り、看護婦紹介所としては草分け的な存在です。昭和51年有限会社唐木看護婦・家政婦紹介所を設立し、祖母・母を経て唐木成仁氏が継承。現在は有限会社みらいヘルスデザインとして有料職業紹介事業を始め、訪問介護・居宅介護・介護経営コンサルタント事業など、“健康”を軸に多岐にわたり活動されています。
氏は東京理科大学を卒業後、慶應義塾大学・立教大学の大学院を修了、健康マネジメントの博士課程及びMBAを取得しているスペシャリストです。
これまでも「介護の資格を持ったコンシェルジュ」を配置したシニア分譲型マンション運営の取り組み、また、「とちぎ介護経営研究会」を主催し、介護事業者の学びあいの場をつくるなどなど、介護事業の様々な場面で活躍されています。
同社の経営の軸は“健康”、かかわっている人たち、自分自身、そして経営をヘルスデザインすることが使命です。介護職につく方々の生活がより向上するように、介護事業を営む企業が継続発展するように、学んできたこと、培ったあらゆるブレーンを活用し、生まれ育った鹿沼に根を下ろし具現化しています。
唐木氏は新たなブレーンの構築と視野を広げるため栃木同友会にご入会されました。豊富な情報量と知識で人材の獲得や維持のご相談にも対応いただけるとのこと、会員の皆様には栃木同友会の新しい辞書の1ページとしてお迎えください。
[文]事務局
Posted on 2024年1月31日(水) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~第9期経営指針をつくる会~
経営指針をつくる会卒業発表

受講生3名とサポーター7名
2023年は経営環境が激変した年だった。
外部環境の変化が激しく、中長期の計画が作成しづらい状況になってきた。感染症の流行が当たり前になり、材料は高騰して不足している。人手は足りなくなり、燃料も上がり、税制や労働関係の法律も改正が続いている。
今までは戦争の影響を直接受けることが少なかったが、ウクライナ・ロシアの戦争、イスラエル・パレスチナの戦争はわたしたちの生活に影を落とし始めている。
chatGPTを始めとするAIの発展や政府が推し進めているDX化の施策もわたしたちの経営に大きな影響を与え始めている。
我々の世代がかつて経験したことがない、大きなルール変更が起きている。それが目に見えてわかるのは、1 ~ 2 年後だろうか。
そんな外部環境を考えながらの「第9回経営指針をつくる会」が12/16(土)の発表会をもって終わった。
3名の受講者が4ヶ月におよぶ講座を修了。経営経験の浅い受講生たちにとっては、自社・自分・経営を深く考える今までにない経験だったのではないだろうか。

模造紙に書き込む八木匠氏
あいさつのあと、発表は(株)シンデンの八木匠専務から始まった。3代目の後継者になる予定で、これから父の経営していた会社を受け継ぐ。40名の社員との関わり合いをどうしたらいいのか、お客さんとの関係性をどう確立していったらいいのか、大きなモゾウ紙を使いながらのサポーターとの議論をしていった。
そんな中、現社長である父がつくった経営理念の再定義が行われ、そこを軸に経営指針の発表が行われていった。自社の経営指針を自分自身なりに再解釈しての発表だった。
とくに、観光産業をめざす(株)シンデン名物の自社製品の展示室。過去につくられた製品、試作品が数多く並ぶ。整理をしながら自社を更に深く理解すると決意をあらたにしていた。

修了証を授与される林瑞子氏
(有)東光物産の林瑞子氏は日光駅前で食堂とおみやげ物店を営む後継経営者候補。現社長へのインタビュー、自分自身の気になることを整理するワーク、自社の取引先の状況等を整理していく中で、会社の今後の展開や自分の生き方についてかなりまとまりができていた。
発表で意外なキーワードが出てきた。つくる会を通して林氏自身が発見した言葉。その言葉に林さんの再誕生を感じた。この言葉はこれからの彼女の指標になるかもしれないと感じた。
観光地の飲食・土産物店のため、コロナの影響をおおきく受けた業種でもある。コロナ中は困難もあった。幸いにも2023年度コロナ明けの需要、インバウンドで好調だったという。発表は、さらなる発展のためのアイデアがたくさん入っていた。

自社の経営指針を
発表する
中村あさみ氏
宣言書を読む中村あさみ氏の姿は、受講開始からは考えられないくらい堂々としていた。
(株)ボーダレスは精密部品の切削加工を行う会社。その2代目、社員承継の中村氏は事務員だったが先代社長から指名を受けて社長となった。そんな中でも、ある社員との関わり合いに悩んでいた。自社を見つめる中でどういう方向性で社員と関わっていったらいいのかを考える。
自分が決心し、サポーターのアドバイスもうけて、つくる会の会期中で、社員と面接を行い、問題社員との関わり合いが変わった。中村氏の「一対一なら負けない」という発言には自信がみなぎっていた。
深い関わり合いの中から、新たな関係性が生まれていった。
われわれサポーターも受講生から刺激を受け、それぞれが変化している。さらに同友会の中で学び会う関係を続けたらとおもう。
[文](株)共立
石綱知進
Posted on 2024年1月31日(水) 10:00
News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部例会~
この法律のポイントは“ここ”です

岩崎弘行氏
2024年1月23日小山市の「ゆめまち」にて、会員の社会保険労務士法人ニュー岩崎事務所 所長 岩崎弘行氏を報告者に、「働き方が変わる時代の労務管理」というテーマで県南支部1月例会が開催された。
冒頭、今回の報告者の岩崎氏から久しぶりの例会参加の為、「生きてます!」という挨拶があり、なごんだ雰囲気でスタートした。資料は用意されていたが、参加者は10名と少なかったため、制度の説明の後、各自が疑問に思っていることを出し合い、岩崎氏が答えていくことで進めた。最高裁判決事例なども引き合いに出された具体的な事例の展開となり、資料の半分ほどで制限時間となってしまった。
特に「同一労働同一賃金」の話題は盛り上がった。
岩崎氏から正社員同士の賃金格差の例を示され、法律に抵触するかどうかを聞かれた。この法律は、正社員と有期労働者(パート)の格差是正のための法律なので、正社員間同士なら抵触しないのであるが、大半の人が勘違いをしていた。岩崎氏は、再三、待遇のそれぞれにおいて目的と性質の説明性が大切と繰り返し指摘していた。曖昧な手当も、目的と性質の観点から考えての見なおしを示唆された。
また、定年後の再雇用の方の賃金格差と、有期雇用から無期雇用転換には、色々と問題が発生しているようで、注意が必要とのことであった。
このようなやり取りの中、今60歳定年、再雇用で70歳というところが多くなってきたが、会社によっては、55歳で役職定年、そこで大幅に賃金がダウンしたまま、70歳までというところもあり、定年後の10年から15年の賃金のどうするか?という課題も討論の中から出された。
「時間外労働の上限規制と三六協定」では、労働時間の客観的な把握の義務となっているなか、監督官がSNSをチェックする。また、立ち入り検査では、パソコンのログの確認なども行われている現状もあるとのことであった。
2024年4月1日から、時間外労働の上限に、臨時的な特別な事情がある場合のみ、年間6回月45時間以内を限度に規制が入る。それに伴い、三六協定の申請書の書き方の要点を聞いた。
岩崎氏の話は、chatGPTのように、多岐にわたり、関連した注意事項が出てきて、漠然とした問題が各社の課題に昇華される。資料を半分残したままの終了ということもあり、「近々この続きをやろう」ということになった。
[文](株)シンデン
八木 仁