No.177_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~第40回定時総会 基調講演~

今起きている変化について

京都橘大学教授 岡田知弘先生 写真

京都橘大学教授
岡田知弘先生

棚にお米がない。キャベツが500円もする。みなさんの中にも、スーパーで買い物をしていて「なんだか最近、物価が高いな」と感じる人は多いのではないでしょうか。

お米や野菜の値段が高くなっている理由はいくつもあります。一つは異常気象、一つは肥料の値上がり、そして流通の問題。もしかすると、ほかにも隠れた原因があるかもしれません。

異常気象や温暖化といっても、何か一つの対策をすれば解決するわけではありません。例えば、プラスチックストローを紙ストローに変えたからといって、温暖化そのものが大きく改善されるわけではないですよね。そもそも、人間の生活や経済活動そのものが温暖化の原因なのです。

肥料の問題に関しては、思いもよらない出来事が影響しています。例えば、肥料の原料価格の上昇、新型コロナウイルスやウクライナ侵攻による物流の混乱、さらにアベノミクスによる円安など、さまざまな要因が絡み合っています。ニュースで一つの話題だけを追っていても、実際に何が起きているのかを理解するのは難しい時代になってしまいました。

「これをやめれば問題が解決する」「これをやればすべてうまくいく」といった単純な時代ではなくなっています。世界はつながり、遠くの国の出来事が私たちの生活にも直接影響を与えるようになりました。

では、私たちの暮らしに影響を与えているのはどんな出来事なのでしょうか。それを知ることが、これからの時代を生き抜くために必要なのです。今までの「当たり前」が通用しなくなっているのですから。

「行政は無駄遣いをしている」「日本は先進国で豊かな国だ」「海外から憧れられている」——こうした考えも、すでに現実とはズレているかもしれません。

では、今の私たちはどのような環境に置かれているのでしょうか。それを正しく理解しなければ、これからどう生きていけばいいのかもわかりません。

そこで、2025年5月30日(金)18:30から、栃木県中小企業家同友会の総会の基調講演にて、京都大学名誉教授で地域経済の専門家である岡田知弘先生をお招きし、「激動する日本と地域~『地方創生2.0』と中小企業~」という講演会を開催します。

この講演では、東京発のニュースではあまり語られない「地域社会を支えているのは誰なのか」「これからどうすれば地域を守っていけるのか」について、ヒントを得ることができます。

さらに、自分の会社を具体的にどう経営していくかを考える「経営指針をつくる会」も6月から9月にかけて開催されます。

日本経済は、今後2年間で過去最大級の落ち込みが予想されています。その時期を乗り越え、新しい未来へと進む準備をするために、2025年をどう過ごすかが重要になります。

物価の上昇や生活の変化は、私たちには止められません。ですが、それに備えることはできます。変化する環境を利用して生き抜くこと——それが、これからの時代を生きる私たちに求められていることではないでしょうか。

[文]栃木県中小企業家同友会
専務理事 石綱知進

栃木県中小企業家同友会

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