No.154_News Topic:全国のNEWS

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~第53回中小企業問題全国研究集会 in 長野~

この瞬間が未来をつくる
~地域が変われば日本が変わる~

2023年3月2日・3日の2日間に亘り、長野市において表題の全国研究集会が約1350名の参加者で開催された。

1日目は全部で16の分科会が開催され、私は第11分科会【事業承継】「社員から社長へ 経営理念が繋いだ事業承継」((株)アルカディア 取締役会長 松井利光氏(長野同友会)及び同社 代表取締役 春原直樹氏(長野同友会)の報告に参加した。

当初身内での継承を考えていた松井氏だったが、事情により断念。煩悶憂苦の折、同友会にて経営指針書を作成、その経営理念を社内へ共有し浸透させていった。その過程で、経営理念に理解を示した当時社員の春原氏に事業承継を打診。その後、7年の準備期間を経て社長交代に至った。

両者の報告を伺い、経営理念を主軸に、覚悟を持って向き合い対話を重ね一つ一つ問題を解決していく様は、その過程こそが事業承継であり経営者たらしめる「核」をつくる重要な時間であると痛感した。歴代の経営者が思いを込めた「経営理念」、その理解を深めることこそが揺るがない持続可能な会社経営に繋がるのではないだろうか。

第11分科会

相澤孝夫氏の写真

相澤孝夫氏

2日目は社会医療法人財団慈泉会相澤病院 理事長兼最高経営責任者 相澤孝夫氏による特別報告「経営者として、いま何をすべきか!!~覚悟の先にある未来のために~」が行われた。同氏は、かつて赤字経営だった病院を再建。今では時代の要請に適応した病院経営を行い、全国からの注目を集め、地域の人々からも厚い信頼を得ている。

1908年松本の篤志家らの支援を受け、松本の地に診療所を開院したのは孝夫氏の祖父だった。支援を受けたことで、その恩に報いるべく松本のために役立つことを使命とし奮闘、その魂は脈々と受け継がれていくこととなった。時を経て1990年代医業収入増加の一方、経常収益がマイナスに転じている最中、白羽の矢が立った孝夫氏が理事長へ就任。病院内の整備に着手した。その中で、同氏が特に大切にしていたことは次の3点である。

  1. 率先垂範。
    トップ自らが汗をかくことで職員の規範となり信頼を得ることで、リーダーシップを発揮しやすい組織作りをする。
  2. ビジョンの重要性。
    未来の姿すなわちビジョンを掲げることで、そのビジョンを通じて職員らとコミュニケーションを図り、各個人の持つ力のベクトルが同じ方向に向かって集中することで、爆発的なパワーを生み出す。
  3. 困ったときの原点。
    トップは孤独であることを自ら許容し、忍耐強く前向きなチャレンジ精神と熱意と明るさを持たなければならない。信じて突き進むための道しるべはその原点(相澤病院の場合、松本への恩返し)つまりその魂や志に立ち返ることで行く先を見通すことができる。

全国大会へ参加したことで得た学びは、帰ってきたその日から会社へ還元し、私自身が選ぶ未来への後押しをしていただけるような最高の体験だった。

[文責]林瑞子
有限会社 東光物産

栃木県中小企業家同友会

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