No.129_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS
~新春講演会2021 ZOOM開催~

コロナ禍の先の地域をどうデザインするか
~「new normal」の意味と都市の交流とその変化~

講師: 白鷗大学 経営学部教授(ビジネス開発研究所所長) 小笠原伸氏

去る2月3日ZOOMにて栃木同友会新春講演会が開催されました。参加者はこれまでのZOOM開催では初めて60名を数え、ゲストも主催の鹿沼・日光を中心に多数参加されました。サンプラスチック(株)の大江正孝社長に感想をいただきましたのでご紹介いたします。

小笠原伸氏

小笠原伸氏

「new normal」とは直訳すると「新しい普通」。今回のコロナ禍は、社会に大きな混乱をもたらし、現在進行形で大きな変化が起こっています。この変化が当たり前となり、変化が起こる前には戻れないとも言われています。すでに非対面のオンラインツールが急速に普及し始めており、変化についていくのが精一杯の方も多いのではないでしょうか。

今回ご講演いただいた小笠原伸氏(白鴎大学経済学部教授)は、「交流」をキーワードに「new normal」を紐解いてくださいました。そこから地方創生の本来あるべき姿をご提示いただきました。地方の課題として、若者の流出と高齢化による人口減少があります。特に若い女性の都市部への流出が深刻です。小笠原氏のゼミ生によるディスカッションでは、「私たち若者は、地方から逃げるのではなく、追い出されている」つまり、必要とされていないと感じていると衝撃的な報告がありました。

その問題として、地方には交流の場が少なく、新しい可能性や多様性が生まれてないため、魅力がないと指摘しています。都市部には、家庭や職場ではない、自分にとって居心地の良い場(サードプレイス)があり、このサードプレイスから交流が生まれ都市として発展していると挙げられておりました。おっしゃるとおり、都市部には、心が落ち着くカフェや多様な人が出入りするコミュニティがたくさんあるのは皆さんご承知のとおりだと思います。一方、我々が住む栃木県にそのような場はあるでしょうか。限りなく少ないのではないか。と皆さん感じるとおりです。この都市と地方の交流の差は「new normal」によって加速し、受け身のままでは増々取り残されます。

しかし、私たちが変化対応することで、地域を持続可能的に発展させていくことができると講演を通して気づくことが出来ました。新しい価値観を受け入れるには、過去の何かを手放す必要があります。相容れないものは共存できないのです。リアルにこだわらず、リアルとオンラインのすみ分けがこれからの交流の「new normal」となる。この変化は、大変不謹慎ではありますが、コロナがあったから気づけたことだと捉えることは出来ないでしょうか。もしかしたら、気づかないうちに社会から退場させられていたかもしれません。

地域で生きる私たち経営者が自ら先頭に立って柔軟に変化対応し、特長を生かした新しい交流の場を創っていかなければならない。小笠原氏から後押しをいただいた講演会となりました。

[文責]大江正孝 県北支部
サンプラスチック(株)

栃木県中小企業家同友会

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