No.99_News Topic:栃木の話題

News Topic 01 栃木の話題
~6月栃木県例会~

日本経済を取り巻く環境変化と中小企業
~持続可能な中小企業、地域経済を~

報告者: 駒澤大学 経済学部教授 吉田敬一氏

2018年6月26日(火) 於:宇都宮市東市民活動センター

さる6月26日、駒澤大学経済学部吉田敬一教授をお迎えして「日本経済を取り巻く環境変化と中小企業 ~持続可能な中小企業、地域経済を~ 」と題して講演をいただいた。20世紀の経済と21世紀の経済がどの様に違うのか、そしてその違いをどう考えていったら良いのかを、われわれが普段は考えることのないマクロ的な経済の話から読み解いていった。

21世紀は企業の収益構造が円高円安に左右されないカタチになっており、最早トリクルダウンは起きない。国内生産は一定数を保つが増産は海外の工場でなされる。つまり、輸出のための国内増産がなくなり、中小企業への大企業からの発注量は増えない。また、大量生産する製品はことごとく海外にその拠点を移し、国内の生産工場はマザー工場化している。そのため首都圏外周分に生産工場が集積し、日帰りできない地域には工場地帯は広がらない。単純には区別できないが、地域ごとに取り組まなければならない課題がそれぞれ違っており、成功例の模倣は難しくなっている。それぞれの企業がその地域にあった “かたち” を考えていかなければならないのだ。地域密着型中小企業では、地域との関わり合いの中で、自社の存在意義を模索し、不易流行を図れる “本業” を深めることが必要だ。本業を深め経営理念を再定義し、戦略を明確にすることで企業内のレベル合わせを進めることができる。そして社員に理念共感と自己有用感が生まれればコミュニティキャピタル(共同体的資本)は高まっていく・・・。話は「鳥の目」でみたマクロ経済の話から「虫の目」に、更に地域振興とそこから見た今後の中小企業のあり方に至った。

その展開はまるでシャーロック・ホームズが事件を解いていくようであり、教授のキラキラとした話しぶりに参加者全員が引き込まれていった。

激変期の真っ只中、これからの方向性を我々に与えてくださった吉田先生、ありがとうございました。また、2年後くらいにお話が聞けると幸いです。

6月栃木県例会 画像
吉田敬一氏 講演 画像

[文]石綱知進
(株式会社共立)

栃木県中小企業家同友会

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