No.63 第25回 企業訪問 (有限会社 コパン)

共存の経営は楽しい
 ~チャレンジドの就労支援への挑戦~

栃木県は、障害者の雇用率が全国で下から3番目と低く、自らも障害者である有限会社コパシの金井先ー氏にチャレシジド(障害者)の就労支援を聞いてみた。

チャレンジドとは「生まれながらに天から挑戦するように運命付けられた人」という意昧で、障害や難病などの様々な機能不全やハンディキャップを持つ方、そして彼らの生活を支えている方のことで、有限会社コパンとNPO法人チャレンジドコミュニティの事業は、楽しく、幸せな人生をどう実現するか?またはどう実感するか?を目的に「就労支援」を事業化している。

現在、障害者は全国で723万人もいるが、常用雇用者はわずか44万人である。それは、健常者中心に設計された社会システムの中でチャンス平等・結果不平等の社会には適応できない人々が相当数いることを示している。

金井氏も2万人に1人という骨形成不全症というI型コラーゲン遺伝子の異常が原因で生まれながら骨折しやすく、人退院を繰り返してをしてきたため、学生生活は養護学校に通っていた。北海道から東京に上京しTKCに入社、システム開発部が宇都宮に出来たため、転勤をしてきた。

6年前TKCを退職し、就労支援の仕事を始める際に、NPO法人を先に作ることも考えたが、NPO法人では商売の道具が無いと人が集まらないため、先に有限会社コパンを設立し、後からNPO法人を設立することにした。従来の障害者就労事業の多くは、大企業の下請けや清掃であったが、有限会社コパンの事業は自分たちで価格決定権を持つことができるベーカリ一事業(パン屋)なら長続きできると考えた。

また、宇都宮では、手作り・無添加志向を目指して、障害者のお母さん達もパンなら宣伝しやすく、販路開拓にもつながるようになった。

職人さんも3名が協力してくれたため、現在ベーカリ一事業(パン屋)は、常勤3名とパート13名(障害者5名)と事業を拡大することができた。また、宇都宮駅に美術学校を作り、小-中学生にアートセラピーや絵画教室へ講師派遣も行うようになった。

県内で職場体験をする実習生も述べ80人も受け入れることもでき、養護学校の先生も職場体験をすることで指導に生かす成果も得られた。

有限会社コパン設立から1年後、NPO法人チャレンジドコミュニティを設立し、ホームページ作成など就労できない方の訓練も行うようになった。

昨年、ノーマライゼーション研究会と協働して、使う立場から使いやすい福祉用具商品のテストも行う機関を設立し、今までとは違う就労支援も始めた。

現在は障害者のグループホームがあっても職場が近くに少なく、職場があってもグループホームがないなど、片方のみだったのを融合できるようするのが夢だと、金井氏は力をこめて語ってくれた。

同友会の会員の皆様も障害者の就労支援(雇用・実習生受入・仕事の発注など)を行うことで、助成金などの補助も受けられるし、同友会が目指す理念に合致する社会貢献が出来ると思った。

取材・橋本 秀則

栃木県中小企業家同友会

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