No.173_News Topic:栃木のNEWS
Posted on 2024年10月31日(木) 10:00
News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部9月例会~
「2024年問題」
9月18日(水)「ゆめまち」にて県南支部例会が参加者9名で開催された。
今回のテーマは『2024年問題』。
簡単に説明すると「2024年4月をもって時間外労働の上限規制が適用されることで、長時間労働を前提になりたっている運送、建設、医療業界において広範囲に渡る社会的影評が懸念されている問題」である。
企画としては上記概略説明後、支部会員である関東物流有限会社・山本健二代表より運送業者視点からの具体的な事例報告をへて、最後に全員で議論する座談会形式でその実態にせまろうという内容だった。座談会は最小の運営力で中身の濃い例会にする為の工夫(=苦肉の策)だったが今回良い意味で裏切られた。
山本代表が自社経営報告と呼んで差し支えない発表をしてくれたためだ。自身の成育歴から職歴、会社を事業承継した経緯、物流業界の歴史、自社の経営戦略、今後の見通しなどまさしく「経営報告」をして頂いた。
物流業界の歴史について少し取り上げる。もともとは免許制の狭き門だったが、1990年に許可制となる規制緩和で開業が容易になり事業者が増加。日本の高度経済成長期を支えた。しかしバブルが弾けると供給過多から過当競争となり大きな死亡事故を多数引き起こすなどの社会問題へ。現時点では減少傾向だが未だ多くの事業者がいる。
かつては月収100万円超えもザラだった大型免許保有ドライバーの平均月収はいまや40万円未満。しかし関東物流では1tトラック(普通免許)の駆け出しドライバーに月収50万円を出す。
さらに上位の免許と車格ヘステップアップすれば昇給が可能でその見える化は社員のやる気を喚起する仕組みにもなっている。なぜ関東物流にはそれができるのか?
山本氏は業界の実情を深く分析・把握し「向こう10年先」におこる未来の確定的な事象と照らして自社が強く生き延びられる明確な経営戦略を立て愚直に実行してきた。
山本代表には『10年先、20年先までの「勝ち筋」が見えている』。一見自信家にもみえるが決して傲慢にならず、常に情報収集に貪欲で戦略の微修正を怠らない姿勢も普段からみている。今回そんな経営者仲間の実態を知る事ができて嬉しい驚きと同時に、経営報告を中核とした例会をもっと増やしていきたいと強く感じた!
ところで山本代表の経営戦略やその姿勢は同友会的にいえば間違いなく「経営指針」である。
氏はそれを作り出す能力を自身の人生の中で培ってきた。ゆえにまねるのは至難の業である。
だがしかし! 同友会には「経営指針をつくる会」があることを最後にお伝えしたい。
本気で臨めば自社の「勝ち筋」を見出せる取組みがわが栃木同友会にはある。アナタもぜひ来期の受講を検討してみてはどうだろうか!?
[文]タカマチ産業株式会社
代表取締役 山嵜 俊也