No.153_News Topic:栃木のNEWS

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~県央支部2月例会~

激動する日本と地域
日本経済と中小企業経営の活路

2023年2月2日に行われた県央支部例会は、北海道中小企業家同友会第71期同友会大学公開講座のサテライト会場として開催された。講師は京都橘大学教授で京都大学名誉教授でもある岡田知弘氏。今回の観点は以下の2つである。

  1. 「中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役である(中小企業憲章前文)」の意味を深める
  2. 厳しい経営環境を打開するための科学的・主体的な視点を再認識し「地域内再投資力」の重要性を理解する

中小企業が経済に占める比重(「2016年経済センサス」)には地域格差がある。中小企業は日本の企業の99.7%、同従業者の68.8%であるが、従業者率を下げているのは大都市圏であり、栃木県は企業数の99.8%、同従業者の85.4%が中小企業である。富士山に雪が積もるときれいにみえる上の方に目がいくが、実際に支えているのは下の方であり、大企業ではなく中小企業である。またそれぞれの地域に歴史があり環境もちがう。この地域ごとの歴史や環境を考えることが、地域での経営を実践していくにあたって必要不可欠な視点だととらえる必要がある。

現代はグローバル化と大災害の時代から、グローバル化の真逆である国家間対立と大災害の時代になりつつある。その中で私たち中小企業経営者が、評論家でなく主役として様々な課題にたいして自分たちの立場で考えていくことが、地域経済・社会の持続的成長につながる。さらに、地域で育った企業が育った地域に資源を還元することで、従業員・家族とともに成長し持続的な豊かさを得ることができる。

地域と経済が乖離し矛盾が大きくなっている現在、700万年の人類史の中で原始時代から変わっていない半径500m圏の地域から、街、市町村、県、国、アジア、世界という順で世の中が成り立っていることを理解し、中小企業の一人ひとりが地域を担っていく一員としての自覚をもち、地域に対する視点を自分自身の中で見直す必要があると感じた。

中小企業が経営指針をしっかり持った上で、個々の地域で実践をともなう具体的な方法を模索し、地域経済ビジョン、日本経済ビジョンとつなげていく必要があり、そのためには地方自治体との連携、積極的なかかわりと、私たちが社会の主役として社会的責任の大きさを自覚することが重要である。

最後に、ウイルスをこの世から撲滅することは不可能である。ウイルスを災害として捉え、物的な崩壊はなくとも人と人の関係を壊すことが特徴であると理解し、コロナ禍において間違った形で伝わってしまった部分があるソーシャルディスタンスについても、私たち自身が主役となっていくためには認識を改める必要があると感じた。

栃木同友会のテーマである、「シコウとシンカ」について、岡田氏の講義は自社が進化していく方向性を思考していくための基礎となる講義であった。機会をいただいた北海道同友会関係者の皆様及び栃木同友会の皆様、ありがとうございます。中小企業として考え続け、地域を巻き込みながら進化し続けていくことが機会への感謝だと考えております。

2月県央支部開催の様子

講義後に行われた座談会

[文責]有限会社 芯和 常務取締役
高橋和子

栃木県中小企業家同友会

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