No.142_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部2月例会~

少数派意見を取りこむ姿勢こそが、
自主・民主・連帯の精神

2月22日(水)ZOOMにて県南支部例会が開催された。

まずは恒例の近況報告から主だった情報を行い、本年中での事業承継に伴う社長交代に関する話が2例でた。すでに交代完了し体制づくり中の例をくわえると3例、後継者も同友会に参加されだしたケースをふくめると過半数の6名が事業承継中に該当し、県南支部の中心テーマのひとつが事業承継である事が感じられた。次にコロナ禍で売り上げが落ちるなか10年前に種まきしていた仕事が大型案件があり、通常の20倍の売り上げがあったという報告があった。現売り上げの60%まで伸びている事例も報告された。一見非効率でも次の種まきに一定の注力をする事の重要性を改めて感じた。世界的な半導体不足は自動車部品の不足という形でトラックの生産に影響を及ぼしており結果として従来の不人気メーカーの在庫車両が、供給不足の市場で好調に売れているという逆巻き現象も報告された。現代の経営は本当に複雑だと感じる。

オブザーバーとして初参加された探偵業の個人事業主の方についても少し紙面を割いて紹介したいと思う。探偵ときいて一般にイメージされる浮気調査なども行うが、主な業務内容は企業による新規取引先企業の与信調査や、求人採用時の候補者の調査などが多いとのこと。帝国データバンク等が競合相手なのか?という質問には「帝国データバンクは基本ヒアリングの結果をそのまま載せている。真偽の区別まではされていないのでその情報の確認・裏取りを行う事も少なくない」とのこと。現在は一人で営業されているが複数人数が必要な時には同業者との連携で行うなど業界のネットワークが強固なようだ。興味のある方は事務局に問い合わせをして頂きたい。

続いて今月の座談会について。2月のテーマ「労使見解」の読み合わせとそれにつづく意見交換座談会だった。冒頭に県南支部所属である八木代表理事による同友会における労使見解の位置づけと重要ポイントの概略説明がなされ、そのあとに1章節ずつ全員で読み合わせをして意見交換するという進行だった。

労使見解は正式名称を「中小企業における労使関係の見解」と言い、大きくわけて8章節からなる文章で1975年に、当時の労働争議などの時代背景の中にまとめられたものであり、わが中小企業同友会の活動の中心をなす文章である。結論からいうと議論は非常に盛り上がり全8章節のうち2章節まででタイムアップとなった。

1章「経営者の責任」につづく2章「対等な労使関係」が大きな論点となった。社員を最大のパートナーとして経営に臨もうという内容について、ある社長からは「言いたいことはわかるが業界によっては必ずしも信用しきれない層の人(社員)たちが多数を占めており素直に首肯しかねる」という異論がでた。このくだりは我が県南支部では名物的であり近年恒例でもある。しかし今回は読み合わせをしていた中で感じるものがあった。第2章には労働者からの要求に関し「契約は双方対応の立場で取り交わされることがたてまえですから~(後略)」という文面がある。入会当時には「面白い文章だ」程度に思っていたが今回の議論と照らして労使見解が編纂された時にも今の県南支部と同じように首肯しかねた層がいた事が強く思い起された。労使見解の素晴らしいところは、そういった少数派の意見を切り捨てることなく文章の中に“ためらい”の様な表現で残していることである。それが一筋縄ではいかない現実の経営に対する厚みや懐の深さとなり時代をこえて現代でも通用する文章足りえていると感じた。

そして編纂当時より益々多様性を増していく現代の経営において、対立する少数派意見を一つの多数派意見で塗りつぶすことなく取りくむこの姿勢こそが、自主・民主・連帯という同友会の重んじる姿勢の体現であり、ポイントだと感じた。その意気、姿勢を忘れることなく会運営・自社経営に取り組んでいきたいと感じた。

県南支部2月例会ZOOMでの開催の様子

[文責]タカマチ産業株式会社 専務取締役
山嵜俊也

栃木県中小企業家同友会

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