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~第52回中小企業問題全国研究集会 in 大分~

地方発!私たち中小企業家が未来を切り拓け!
〜誰一人取り残されない社会を創ろう〜

新卒採用で会社が変わる

2022年2月17日・18日の2日間に亘り、ZOOMで中小企業問題全国研究集会(以下「全研」)が開催された。

1日目は全部で8つの分科会が開催され、第5分科会「社員が育っているぞ。コロナ禍を乗り越えるんだ~雇用の責任を自覚し、働く環境を整えて、人が育つ会社づくり8年~」(株)アーム 代表取締役 阿萬英一氏(宮崎同友会設営)の報告に参加した。但し、阿萬氏が急遽体調不良となり、座長の(株)おりなす建材 代表取締役 那須久
司氏による代理報告となった。

阿萬社長は10代から建築現場で働き、結婚を機に宮崎県にUターンし、22歳で起業。当初は相次ぐ社員の退職・新人採用・その繰り返しの中で、同友会に入会し、経営指針を学び実践するも社員の退職が続いた。

阿萬氏は、2013年に愛媛で開催された共同求人委員会全国交流会に参加し「新卒採用で会社が変わる」という報告に驚き、2014年には宮崎同友会の共同求人委員会委員長として学び、2015年に新卒採用を実践。新卒者を採用したが、社内の協力が得られず2年で退職した。その時、赤石氏(元中同協会長)の言葉を思い出した「社員共育は薄紙を1枚1枚重ねていくようなもの、一人の社員が育つのに15年かかるよ」。それまで社長主体だった社員との向き合い方を改め、社員と共に、時間をかけて、会社の風土を作り、計画的に社員共育を行っていくという、当たり前のことに気付いた。

それからは、社員から提案される研修を積み重ね、新卒採用社員が疑問に思う就業規則とその運用を改め、社員からの信頼の元、共育ちの土壌づくり、多様な働き方、社員発案の新規事業の立ち上げを進めていった。

最も価値ある経営資源は知識(人)

木下光一氏の写真

(株)地域科学研究所
会長 木下光一氏

2日目の記念講演は、(株)地域科学研究所 会長 木下光一氏の報告。44年前、個人の不動産鑑定事務所として創業以来、業態を幾度も変えながら、経営理念を確立し、人材を育て、現在は地方の活性化をテーマに高い課題把握力と高度なICT技術を駆使して課題の解決を行政と協働して事業として行っている。

木下氏は採用・共育の重要性を次のように力説した。「現在は産業基盤社会がすでに終了した後の知識基盤社会で、最も価値ある経営資源は知識である。知識は人に付いているため、人を大切にしなければ企業は、成長はおろか存続すらできない。知識をどう企業に取り込み、活用するか。採用・共育の仕組みづくりが企業の生命線となり、やりがいある仕事を作ることで社員が学び続け、本人が成長できた実感を得られる場を作る。そして採用と共育は絶対にトップが関わり続けることが必要である。」

阿萬氏・木下氏は、社員主体の採用と共育の大切さ、そして経営はトライ・アンド・エラーの繰り返しの上での積み重ねであることを、共通して強調されていた。栃木同友会においてもこの討議ができる場が必要であると、強く感じた全研となった。

[文責]斎藤秀樹
(株)ウィステリアコンパス

栃木県中小企業家同友会

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