No.135_コラム

コラム

今こそ栃木の自然を楽しもう

成虫のゲンジボタル写真

弊社のすぐ横を用水路が流れている。川幅10m以上あり所在地の地名にもなっている川なのだが、そこに蛍がいると聞いて今年6月初旬に行ってみた。事業所から川沿いに徒歩で2~300m下流へ。いる、いる、独特のはかない光点が川面と草むらを飛び交っている。蛍はその生態から環境にとても敏感な生き物で激減している、そのゲンジボタルがこんなに近くで見られることに感動した。

僕は早速知人に知らせて回ったのだが、ご近所さんから逆に「毎年の事なのに、今まで知らなかった?」と驚かれてしまった。

僕は40年以上現在の場所で仕事してきたのに、恥ずかしい限りだ。

SDGsの目標に「14海の豊かさを守ろう」「15陸の豊かさを守ろう」がある。川は陸を潤し陸の生命を育み、やがて海へ注ぎ海を豊かにする。自社の事業活動を持続可能な社会へのお役立ちという観点から再定義する上で身の回りの自然環境を知り影響を考えることは、大切な第一歩だと思う。以前から現像廃液を出さないシステムに変えたり、周辺の清掃などして環境保全に努めてきたが、今後は蛍の住める環境維持に積極的に役立ちたいと思った。

我が栃木県は、周辺に山と森林、真ん中に大きな川、あいだに田んぼが広がる実に自然豊かな地だ。企業がこの豊かな自然環境にダメージを与えないだけでなく、良い方向へ向け積極的にかかわって行くためには、まず足元の自然に関心を持ち「知る」ことが第一歩だ。

幼虫のゲンジボタル写真

たまには図鑑を片手に、会社や家の周りを皮切りに野山を散歩してみてはどうだろう。お馴染みの景色も、自動車に乗っていては見逃していた違ったものが見えてくるだろう。

食物連鎖のトップに君臨する人類から見れば、たかがちっぽけな虫や野草かもしれないが環境は多様な生き物の連鎖、動的平衡の上に成り立っている。ウイルスだって進化の上では重要な役割を持っている。たまには虫目線でみてみれば世界が自分たちだけではないことを知らされるに違いない。

緊急事態で県境を超えた移動が制限される今こそ、身近な自然を楽しみつつ「知る」チャンスかもしれない。

[文責]小山研一
県北支部 (有)赤札堂印刷所

栃木県中小企業家同友会

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