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No.83_活動報告:県南支部

活動報告 01 県南支部 ~5月県例会報告~

非常識な働き方で時代を切り開く、町工場の挑戦

中里氏

中里良一氏

今年5月25日、宇都宮市東市民活動センターを会場に5月県例会が開催された。報告者は(有)中里スプリング製作所(群馬県高崎市)の代表取締役社長であり、群馬県中小企業家同友会会員の中里良一氏である。今回の報告は2013年11月の県南支部例会に続く2回目となった。

父親から経営を引き継いだ氏は一番に、1)社員の心の貧しさ、2)取引先のレベルの低さ、3)経営者の至らなさを痛感する。その後、「町工場」であることに誇りを持ち、既成概念にとらわれず次々と斬新な経営改革を実践していった。例えば、古参社員を入れ替え、嫌いな取引先と縁を切るなど思い切った「7つの改革」である。その他、革新的な事例は枚挙にいとまがない。

実体験を元にした氏の一言一句は説得力があり、自らの業務にも応用したいヒントに溢れていた。聞き逃すまいと熱心にノートに書き留める会員の姿が目立った県例会であった。

[報告]広報委員長
 鈴木正則/アデラ・コンテンポラリー

No.83_活動報告:県央・県北支部

活動報告 02 県央・県北支部 ~6月合同例会報告~

感動創造カンパニーの挑戦!事業継承 ~行動こそ真実~

手塚氏

手塚 清氏

今年6月11日、「御用邸チーズケーキ」「しらさぎ邸」で知られる(株)庫やの手塚 清社長を報告者に、県央・県北支部合同例会が開催された。

手塚氏は冒頭で「心を込め、素材を厳選し、真剣にお菓子づくりに取り組む姿勢を商品で表現している。その継続がブランド力となり結果をもたらす」という美学を語り、
続けて「その考え方が醸し出されたものがブランドを形成する。だからこそ売れる商品を造り続けることが会社存続の源泉となり、事業継承へと導かれる。後継者は〝その時に〟最適な人がなればよい。それを具現化するためには、組織の中で人が自由に発想し、フェアな空気感の中で、各自が責任と自由を持ち価値を生み出すことに没入することが企業活動の本質である」と熱く語った。

以上のような「手塚語録」ともいえる貴重な話を多くの会員に伝えるべく、再度報告をお願いし、さらに学びの輪を広げたいと思った。

[報告]佐々木理倫/tsコンサルタント

No.83_活動報告:県央支部

活動報告 03 県央支部 ~6月県例会報告~

同友会の学びを生かした企業づくりの実践例

関野氏

関野 友憲氏

今年6月23日、宇都宮市東市民活動センターにおいて6月県例会が開催された。報告者は長野県中小企業家同友会代表理事で、株式会社システムプラン会長の関野友憲氏である。テーマは表題の通りで、会員とオブザーバー合わせて24名が参加した。

報告は、関野会長の経歴に始まり、社長になってからの
こと、そして、社長の座を譲って会長になるまでの経過などについて、具体的な内容を織り交ぜて話された。

例えば、いま社会問題になっている人口減、特に急激な労働人口減少の環境の中で100年継続する企業を目指し、経営指針づくりと同時に退職金制度の改正、拠出型年金の導入、私募債の発行、社員持株など同友会で学んだことを次々と実行し、経営システムを構築したという報告があった。

特に、大企業は競争原理で経営しているが、中小企業は一人一人がお互いの役割を果たし、共感し認め合うことで成り立っている。だからこそ社員教育が大切であるとの言葉が特に印象に残った。

[報告]深澤義雄/(株)ビジュアル

No.82_連載03:合同説明会はつらいよ

連載03 合同説明会はつらいよ(下野新聞 2015年4月22日掲載)

連載03 下野新聞

現在各社で、来年度の新卒者を対象にした合同企業説明会、いわゆる合説が開催されている。新卒採用を計画している企業が一堂に会し、学生たちが関心のある企業の話を聞くというものだ。

机を挟んで、自社の業務内容を説明する担当者と熱心に話を聞く学生たち。そのような写真がこの時期になると、よく新聞に載る。

しかし現実は、企業の知名度等によって、学生が一人も座っていないというところもあるのだ。

私が社長に就任した直後、初めて参加した合説では、椅子に座り、キョロキョロし、時々ウロウロすること以外やることがなかった。午後1時から5時までの開催で、終了間際にやっと1人という状況であった。

合説への申し込みが遅かったので、メインの会場には入れず、外の廊下の一番端にブースが割り当てられた。机の横は喫煙所。タバコを吸っていた学生とは一言二言話しはしたが、前の席には来てくれなかった。

途中何回も参加企業ガイドを見ながら、会場の学生と企業の様子を確認した。
「どうしてうちには学生が来てくれないのか?」、「おかしい!」、「みじめだ!」と思った。

求人広告やハローワークでは、求職者が来ないとき、他社の状況が見えないので景気やタイミングのせいにできる。それが合説で、学生が座れず立って聞いている他社のブースなどを見てしまい、いろいろと考えざるを得なかった。

われわれ企業家の中には合説で同じような経験をし、会社を変えてきたという者が多い。この情けない合説は私にとっても経営の考えを変えるきっかけとなった。

企業には三つの側面がある。一つ目は「科学性」。どんな商品・サービスを行っていくのか。二つ目は「人間性」。社員との関係はどのようなものか。三つ目は「社会性」。関係先を含め社会との関係はどのように考えていくのかというものである。

当時の経営は、一つ目の「科学性」を重視し過ぎており、「地域」との関係性が強い残り二つの側面はおろそかになっていた。その後は「地域」での在り方も意識して、
三つの側面を強化してきた。

「中小企業家同友会」では、良い会社、良い経営者を目指すだけでなく、企業として存在していくために、地域社会も含めた経営環境の充実も目指している。会社、経営者が良くなっても、関係先そして地域に働く人がいなくなると、企業は回らなくなる
からだ。

他県に比べて栃木の若者は地元で就職するよりも都会で働きたいという人が多いと聞く。高校卒業後、修学のために離れることは仕方ないが、就職はぜひ県内を検討して
もらいたい。

ところで、県内の高校の評価にはいろいろあるが、人口減対策の観点から考えると卒業生が県内で暮らしている人の多い学校が良い学校ではなかろうか?

「地域に働くところがない」というのであれば、高校のカリキュラムに「起業プログラム」を組み込んでみてはと思う。

No.82_連載04:「アンパンマン」に学ぶ

連載04 「アンパンマン」に学ぶ(下野新聞 2015年5月27日掲載)

連載04 下野新聞

「そうだうれしいんだ 生きるよろこび たとえ胸の傷がいたんでも~」これはアニメ「アンパンマン」の主題歌「アンパンマンのマーチ」の出だしの部分である。

東日本大震災から3~4日後のある日、あるラジオ番組に「アンパンマンマーチを流してください」というリクエストがあった。放送されるやいなや避難所では、子どもたちがラジオに合わせて大合唱。それを聞いた大人たちは涙し感動した。それからラジオ局は連日この歌を流したという。

地震の後、事務所の電話が鳴らないので寂しいと感じ、ラジオをつけていた。私もこのアンパンマンのマーチを聞き、勇気づけられた。

20年前、子どもが2歳か3歳の頃、妻が「アンパンマン」の主題歌を聞くと涙が出そうだと言った。私にとって「アンパンマン」はテレビで垣間見る程度、曲は少し聞いたことがあるぐらいだった。歌詞をよく読んでみると確かに奥が深い。その後しばらくの間、携帯電話の着メロは「アンパンマンのマーチ」だった。

ところで「中小企業家同友会」では会員に「理念」「方針」「計画」の三つで構成されている「経営指針書」をつくることを奨めている。特に事業を行う上で、「理念」は経営者の社会に対する責任や社員に対する経営の基本的なあり方を表わしたもので重要と考えている。その「理念」を考える過程で、「自分は何のために経営をしているのか?」という問いにぶつかる。多くの経営者は、そんなこと考える暇なくいろいろな業務に追われてきているので、答えを出すのに少なからず苦労する。

「アンパンマンのマーチ」の最後は「みんなの夢を守るため」というフレーズで終わる。これを知った時、私にとって、先の問いの答えはこれだと思った。

「働く」ということには「生活」のためだけでなく、「かっこいい車に乗りたい」、「庭のある家に住みたい」、「子供を大学に通わせたい」、当社のある社員の夢などは「家に水族館を作りたい」といった夢も上乗せされている。よく「社長さんは社員やその家族の『生活』を支えているので大変ですね」と言われる。会社が傾いた時、「生活」の方は完ぺきとはいえないだろうが、雇用保険などでかなり守られていると思う。しかし、夢の方は修正を余儀なくされるであろう。だからこそ大変で、企業を維持させることはアンパンマンのようにみんなの夢を守っていくことだと思った。

先日、合同面接会に入社2年目の女子社員を連れて行った。学生から「あなたはなぜ入社しようと思ったのか」と聞かれ、「会社見学の時、こんな先輩方と共に働けたら楽しいだろうなと思ったから」と彼女は答えていた。それを聞いて、畑から予期せぬ「芽」が出たと思った。

「アンパンマンのマーチ」を意識するようになって20年、「みんなの夢を守る」ということは、「芽」を成長させ、すばらしい「実」がなるように、「会社」という「畑」を手入れしていくことだと考えるようになった。

栃木県中小企業家同友会

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