No.169_News Topic:栃木のNEWS
Posted on 2024年6月30日(日) 10:00
News Topic 02 栃木のNEWS
~県央・県北支部合同例会~
自社をデザインできていますか
令和6年6月4日、県央・県北支部の合同例会「自社をデザインできていますか」(基礎編)が行われた。今回の例会では「デザイン」から経営を考えることをテーマとし、講師を有限会社芯和の代表取締役 青柳匡宣社長が務め、司会は同社常務取締役の高橋和子会員が行った。
青柳社長の講義は、非常にユニークで事例も交えてわかりやすく説明をいただいた。
講義の一つとして、両口玄能(釘等を打ち込むトンカチ)を例としてデザインについて、次のような説明があった。青柳社長より両口玄能を提示され、これは何がデザインされているか問いかけがあったのだが、私には分からなかった。しかし、この両口玄能には、次のようなデザインがされていると解説された。
- 両口玄能の頭の打撃部分は、左右両端どちらも同じように見えるが、片方は平らになっており、もう片方は円の中心に多少膨らみがある。その理由は、はじめに釘を打ち込む際は、平らな面で打ち、釘を面に打ち込むときには膨らみがある方で叩くためである。
- 握る柄の部分が楕円の形状をしているが、その理由は、釘の打ち込む際、視覚的な判断に頼らずとも持ち手を容易に変えて適切な打撃面ですぐに叩けるようにするためである。
つまり、デザインとは課題を解決することであり、人工物や商品の形には何らかの意味があり、そこにデザインが施されているのである。
次にインナーブランディングとアウターブランディングについて講義があり、企業にとってブランドとは何か、そしてブランドを作り上げるためには内外のコミュニケーションがいかに重要なのか説明いただいた。
インナーブランディングとは、社員一人ひとりに自社のブランド価値を理解してもらい、共感してもらうための取り組みである。これにより、社員のモチベーションが上がったり、顧客への良いサービスにつながったりする。
アウターブランディングは、顧客や取引先など社外に自社のブランドイメージを伝え、好印象を持ってもらうための取り組みであり、広告やPR活動などがこれに該当する。
インナーブランディングとアウターブランディングは車の両輪のようなもので、バランスよく動かさなければならない。
有限会社芯和は、グラフィックデザイン・Webデザイン・プログラミング・コミュニティ運営・企画など総合的にクライアントのブランディングデザインを行なっており、お客様のデザインをするためにはコンセプトが重要だと話す。このコンセプトは、同友会のテーマである経営指針に該当するのだと感じた。
グループ討論では、自社のデザインについて、討論した。自社のロゴや名刺のデザインの歴史や想いについて各会員が語り、自社の事業ドメインについて改めて考える機会となった。
討論の結果、ブランドとは表面的なイメージだけでなく、会社の内側にある「人」「文化」「価値観」から生まれるものであることを認識することができた。
今回の例会は全3回のシリーズで行われる。デザイン面から経営を考える珍しいテーマであり、次回も楽しみである。初回に参加できなかった会員さんであっても、次回例会も、楽しく参加ができると感じた。

[文]サイトウ行政書士事務所
齋藤丈威