No.133_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部5月例会~

生きがいの創造を地域に広げる
~人が大切。誰もが主役になれる地域を広げる~
鹿沼・日光支部5月例会

報告者: 石綱 秀行氏 NPO法人福聚会 統括責任者
障害者就労継続支援B型『わたの実』管理者

石綱氏例会報告の様子

和久井亭石綱氏

NPO法人福聚会 石綱さんは、運営統括責任者としてトップと事業所管理者の間を取り持つ役割を担っている。福聚会は常に地域と共に歩み、設立当初5人のメンバーから80人の職員を雇用するまでに発展してきた。地域課題を解決するには、人を大切にすることはもとより、制度にないことも「どうしたらできるのか」を常に考え、新しい働き方をつくってきた。

高齢者デイサービス「和久井亭」は、当初3年は赤字経営で廃業の危機であったが、地域にHELPを出し、自治会や民生委員等実力者の協力を得て、地域の困りごとをともに解決する中で、評価され経営の安定化につながった。

具体的には、駄菓子屋を開き、近所の高齢者に販売や鍵の管理を任せ、子どもたちが気軽に立ち寄れる場所とした。障害のある若者、不登校からひきこもりとなっているグレーゾーンの若者を採用し、高齢者と若者が多世代で交流できるようにした。また、買い物に困っている高齢者のニーズに応え、移動販売を開始、地域の声を聞きながら、商店と委託契約を結び、必要なサービスを展開した。

さらに地域フォーラムを開き、少子高齢化社会に必要な地域づくりを地域住民に考えてもらい、「いき活きこっとん村」という任意団体が生まれ、市民協働モデル事業を受託、地域から無償貸与を受けた畑にたくさんのボランティアや見学者が訪れるようになった。

「いき活きこっとん村」に来ていた利用者が増えた結果、障害者の就労継続B型事業所「わたの実」を設立することができた。50歳代の無保険、無年金で悩んでいた利用者の方は、常勤職員として採用することができ、8050問題の解決の一つのモデルとなった。

営利事業は高齢者のデイサービスと障害者就労継続B型事業であるが、非営利事業である「誰でも活躍できる地域の居場所」の役割が大きく、ボランティアから利用者へと関係性を途切れさせずに移行することができている。

また、新しい働き方としては、短時間勤務、託児、有償ボランティアなどの多様な仕組みを作り、シングルマザーの応援などもしている。福祉施設はインフォーマルな部分でも地域との協働が可能であり、様々な可能性に満ちているという講話に沢山の刺激を受けた。

[文責]NPO法人CCV 理事長
福田由美

栃木県中小企業家同友会

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