No.131_特集コラム

特集コラム

「世の中の付箋を読む」

ユーミンの歌に「目に映るすべてのことはメッセージ」というフレーズがあります。目の前にあるものには、わたしたちに読む力があれば、何らかのメッセージが含まれている。それは言葉でも同じです。

例えば「キャスタ」という言葉がある。この「キャスタ」にも意味の付箋があります。一般的にはニュース「キャスタ」とか、イスの下についている車輪の「キャスタ」があります。変わったところではピザ窯などに使うキャスタブル耐火材も通称「キャスタ」と呼びます。今思いつくだけでも3種類の意味がある。言葉を見た人によって何が一番に来るかはかわってきます。

目の前にある事柄も同じように読む人によって読み解く付箋の種類がかわる。

コロナ禍も、リモート関係の機器を扱っている会社にとっては儲けどころだったのではないでしょうか。実際に、ウエブカメラやマイク、ヘッドセットは昨年の5,6月は非常に手に入りにくく、家電量販店やネットで買うのも一苦労でした。多くの方が同じような体験をされたと思います。マスクもぜんぜん手にはいりませんでした。

また、飲食で助成金をもらっているところでも、大勢社員がいるような店は厳しい状況だと思いますが、夫婦でやっているような店は逆に余裕があるところも出ているそうです。

また、政府や地方自治体もそうで、制度をつくっている行政がどこの付箋にフォーカスするかによって制度の出来上がりも変わります。

困っている人を助けることを最優先にするのか、不正がされないようにすることを優先するのか、自分たちが責められないようにすることを優先するのか、上の面子を最優先にするのか、自由を最優先にするのか。

また、コロナ禍はすぐ治まると考えてGoToキャンペーンをするのか、次に備えて医療や補償制度の整備をやるのか。

自分のところの能力や限界を考えて政策を立案するのか、実態をみないでアイデアだけで突き進むのか。

経営者も、何を優先するかによって経営のやり方が変わってきます。多くの経営者は利益を最優先としますが、その利益も「何が利益か?」で、「なんのために?」なのかによっても変わります。

利益は顧客、人、モノ、体験、金銭、時間etc といろいろ考えられます。一つの指標で見るのがいいのか、複数の指標の中で考えるほうがいいのか。経営者によって判断は違ってきます。

おかれた立場や地域、時期なども判断に影響してきます。これらにも付箋はついていて、どの付箋を重要視するかが大切になります。

新型コロナウイルス禍のいま、優先度はかわり、その上でいろいろな決断を皆さんはされていることと思います。昨年やってきたことを一度整理すると、自分が何を大切にしているのかが見えてきます。

整理のために一番手っ取り早いのは、第三者に話してみること。話しているうちにだんだん自分の中で整理がついてきます。

今年の総会のテーマは「変化を生き抜く『シコウ』と『シンカ』」(仮)です。

シコウとシンカがカタカナなのは、みなさんの思う付箋を入れてもらうための、自分でピッタリなものを探してもらうための、余白です。

総会の報告では余白部分を男女4名、40代のパネリストに語ってもらい、グループ討論では参加者の今の思いを意見交換していきます。

あなたも、昨年度の振り返り、今年度の方針を自分自身の付箋の確認のために5月19日の総会に参加してみませんか。

追伸 総会テーマはちょっと○○っぽいですが、偶然です。

[文責]専務理事
石綱知進

栃木県中小企業家同友会

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