『 No.190 』カテゴリーの投稿一覧

No.190_目次

  • 発行日:2026年3月31日
    発行者:栃木県中小企業家同友会
    〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
    TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
    E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
    URL:https://www.tochigi.doyu.jp/
    企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
    ※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.190_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 2月県例会

「あなたの会社の経営理念は何ですか?」から始める
経営指針づくり

2月18日、宇都宮東市民活動センターにて参加者19名で全県例会が開催されました。テーマは「あなたの会社の経営理念は何ですか?」。

今回は「経営指針をつくる会』(以下つくる会)の修了生3名、(株)ボーダーレス中村あさみ社長、U-TEC(株)臼井進社長、(株)下野テレビ映像千野武久社長による体験報告が行われました。

本例会は学びの場であると同時に、2026年度つくる会への参加を呼びかける目的も担っていました。そのためアンケートでは「経営指針を作成する意思はあるか」と率直に問いかけるなど、運営としても一歩踏み込んだ内容となりました。

報告で印象的だったのは、3名のうち2名が現在「経営理念は保留中」と語ったことです。もちろん修了時には理念を作成しています。それでもなお、自社と向き合い続ける中で理念を問い直しているということでした。

残る1名は理念と経営指針を全社で実践しており、その過程での葛藤や変化が語られました。

3名に共通していたのは「経営指針づくりに取り組むこと自体が重要」という点でした。
そしてその場として、つくる会を強く勧めていました。

修了生が運営スタッフとして関わっているため営業トークに聞こえるかもしれません。しかしつくる会のスタッフは報酬を受け取るどころか、自ら参加費を払いながら運営に関わっています。それでも関わり続けるのは、この“場”に大きな価値を惑じているからです。

そもそも同友会でいう経営指針とは「経営理念」「ビジョン」「方針」「計画」を含む、自社の経営を総合的・長期的に考える取り組みです。だからこそ同友会ではこれを“経営の一丁目一番地”と呼びます。

現在、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。人口減少、労働力不足、市場縮小、金利環境の変化、そして国際情勢の不安定化。

こうした状況の中で、自社の経営を改めて総合的に考えることの重要性はますます高まっており、すべての会員企業に当てはまると言えます。

経営指針は一度作って終わりではありません。環境が変化し続ける以上、経営指針もまた更新し続ける必要があります。

そのためには一人で考えるだけではなく、仲間の視点や客観的な分析に触れながら、自社と向き合う場が欠かせません。

つくる会はまさにそのための場です。仲間と学び合いながら、自社の理念と向き合い、経営を見つめ直す機会になります。

人は弱いもので“見たくない厳しい現実”から目をそらしてしまいがちです。

「これは面倒だから後で考えよう」「売上は落ちているが利益率は良いから良しとしよう」など心当たりはありませんか?

ひどい場合には問題に気づかなくなるといった事さえありえます。

だからこそ仲間とともに現実に向き合うこの場所に価値があります。

カリキュラムは8回のワーク実習と発表を合わせた全9回。6月~ 10月にかけておよそ2~3週間ごとの土曜日に開催され途中2回の合宿もあります。前半4回は「現状認識」。分析対象は「内部環境」として「自社」と「自分」そして「外部環境」。

客観的事実と主観的意見、推測を区別する力を高めるワークも開催期間を通じて行います。

思い込みを排除し客観的事実の積み上げで現実を見つめると課題はおのずと見えてきます。

後半4回は「理念とビジョンの作成」そして「数値計画の作成」です。

すべて穏やかな雰囲気のもとで行われます。怒号響くスパルタ教育なんてことはありません。

ドレスコードがありスーツなど堅い服装は禁止。リラックスしながら素の自分で自社の現実に向き合います。合宿も強化合宿などとは違います。業務とも家庭とも切り離された空間で自社にのみ意識を集中してもらうための舞台です。

2026年度のつくる会では新たな受講生を募集しています。

まだ参加したことのない方は、ぜひ一度その門を叩いてみてください。皆さんと共に学び合えることを楽しみにしています。

[文責]山寄 俊也]
2026年度経営指針をつくる会主幹役・県南支部長 タカマチ産業(株)代表取締役

No.190_News Topic:全国のNEWS

News Topic 02 全国のNEWS

労基法の約40年ぶりの大改正!?【後編】

前回は、7つの改正案のうちの1.連続勤務の上限規制(14日以上の「連続勤務」を禁止)、2.勤務間インターバル制度の義務化、3.つながらない権利に関するガイドラインの策定、の3つを見た。それでは早速残り4つの改正案を見ていこう。

4.副業・兼業の「労働時間通算」ルールの簡素化
現行:労働時間および割増賃金の算定は、本業と副業・兼業先の通算することと定められている。つまり複数の会社で働く際、「全ての会社の時間を合算して残業代を計算する」というもの。
改正案:副業・兼業者の割増賃金の算定において、本業と副業・兼業先の労働時間通算)レールを適用しない。つまり「副業先の残業は副業先だけで計算する」とする。
目的:会社が副業を認めやすくするための緩和措置となる。

5.有給休暇の賃金計算を「通常賃金」に一本化
現行:年次有給休暇取得時の賃金の算定方式は、(1)平均賃金方式、(2)通常賃金方式、(3)標準報酬日額方式の3種類があり、企業はいずれかを選び、就業規則に定めることが義務付けられている。
改正案:有給を取った時の給料の計算方法を、「普段と同じ給料を払う方式(通常賃金方式)」に原則としで一本化(通常賃金方式:所定労働時間で支払われる通常の賃金)。
影響:時給制のパート・アルバイトの方にとって、有給を取った際の手取りが分かりやすくなる。

6. 「週44時間労働」特例措置の廃止
現行:法定労働時間は週40時間が原則だが、従業員が10人未満の特定業種(「飲食店」「理美容店」など)の事業場では、法定労働時間を「週44時間」まで延長できる特例が認められている。
改正案:「週44時間まで働かせてOK」という特例を廃止し、全業種で週40時間を基本に統一する。
背景:厚労省が行ったアンケート調査で、特例対象事業場の87.2 %が特例を利用していない、という結果が示され、特例措置はおおむね役割を終えたと判断された。

7.法定休日の「事前特定」の義務化
現行:労基法では原則として週1日以上の休日が義務化されている。ただし、どの日、どの曜日を法定休日に特定するかの義務はない。
改正案:就業規則などで、「何曜日が法定休日(絶対に休む日)か」を事前に指定することを義務化。
目的:休日出勤が発生した際、それが「35%増しの割増賃金」になるのか「25%増し」なのかを明確にし、トラブルを防ぐため。

前編、後編と2回に渡って労基法の改正案を見てきたわけだが、会社としては改正案に対処するため、社内でのミーティングや就業規則の見直しが必要となる。なるべく早く対応して行くことが大切だ。

[文責]八木澤 和良]
八木澤社会保険労務士事務所 県北支部長

No.190_コラム

コラム
今月の書籍紹介

産業のつながりを考える本

『0からトースターを作ってみた結果』という本を知っていますか?
ちょっと変わったタイトルの本です。この本は、「パンを焼くトースターを自分一人で作ってみる」という挑戦を記録した本です。
さて、「トースターを作る」と聞いて、あなたはどう考えますか?
「部品を買い集めて組み立てる」「自分で設計図を書く」―そう思う人が多いと思います。でも、この本の作者はもっと手前から挑戦を始めました。「材料そのものから自分で用意してみよう」と考えたのです

そこで著者がやろうとしたことは…

鉄鉱石を自分で探す、銅を自分で手に入れる、雲母やプラスチックの原料を集める、それらを自分で加工する、部品の形に仕上げる、最後に組み立てるという、すべての工程を自分の手でやってみることでした。

その結果わかったことは?

現代の製品は、一人の人間の手ではほぼ作れない
ということです。
これは、今の私たちの暮らしにも当てはまります。
私たちの日常生活は、目には見えないたくさんのつながりで成り立っています。そのつながりのどこかーか所が壊れるだけで、思わぬところまで影響が広がってしまいます。

たとえば、海の重要な航路(海峡)が通れなくなったとします。「石油やLNG (液化天然ガス)が届かなくなる」だけではなく、次のようなことが連鎖的に起こります。

ガソリンの値段が急に上がる、ガソリンそのものが手に入らなくなる、都市ガスが使えなくなる、発電できる量が減り、地域ごとに順番で停電が起きる(輪番停電)、LNG は肥料の原料にもなるため、肥料が不足して食料が作れなくなる(野菜だけでなく、お米なども)、重油が使えなければ漁船が動かず、魚が獲れなくなる、物流(トラックや船での運搬)が止まれば、スーパーの棚から食べ物が消える、電気が止まれば、水道まで止まる。
しかも、これが東日本大震災のように回復するわけではありません。代替えを探すことができません。下手をすれば数年間にわたって続くかもしれないのです。

この本を読むと、見えてくることがあります。

私たちの足元にある「当たり前の暮らし」は、実は信じられないほど複雑で、精密なしくみの上に成り立っています。
「平和」という言葉を、あなたはどう惑じますか?普段は「きれいごと」のように聞こえるかもしれません。でも、この本を読んだ後では、平和がなければ自分たちの生活がどれほど簡単に崩れてしまうか、リアルに感じられると思います。また、「なぜ多様性(いろいろな国・人・考え方とつながること)が大切なのか」についても、改めて考えてみてください。

この本は、世の中のしくみの複雑さと、そのしくみがいかに精巧にできているかを教えてくれます。

[文責]石綱 知進]
専務理事 (株)共立 代表取締役

No.190_コラム

コラム

Alと会話しながら自動会計システムを作ってみた話

はじめに正直に申し上げます。私はIT業界の入門資格であるITパスポート試験にも挫折したほどのIT初心者です。本コラムは、そんな私がバイブコーディング(AIと会話しながらプログラムを作り上げる手法)に挑戦した体験記です。より良い方法やセキュリティ上の問題点もあるかもしれませんので、あくまでも参考記事としてお読みください。

今回挑戦したのは、数百枚あるレシートの現金出納帳の自動化です。

【必要だったもの]

使ったものは以下のとおりです。レシートのスキャンには「ScanSnap」、プログラミング言語は「Python」、それを動かす開発環境は「VSCode」、会計ソフトは以前購入していた「弥生会計」を使いました。レシートの内容を読み取って判断するAIには「Vertex AI」のAPIを利用しました。Googleのサービスで、企業データの取り扱いが非常に堅牢とされているため選択しました。

システム構築の相談役(壁打ち)にはGemini、実際のプログラム作成にはClaudeを活用しました。Claudeは一度に処理できる量に制限がありますが、プログラミングの精度はGeminiよりも高いと感じました。

【レシート自動転記の流れ】
ScanSnapでレシートをスキャンし、所定のフォルダに保存します。次にVSCodeからPythonプログラムを実行すると、Vertex AIがレシート画像を読み取り、日付・金額・店舗名・勘定科目を自動で判断します。結果はブラウザで確認できるレポートと、Excelで修正できるファイルとして出力されます。内容を確認・修正したうえで弥生会計に取り込む流れです。修正した内容は、AIの学習データとして蓄積されるため、使えば使うほど精度が上がっていく仕組みになっています。

【やってみて感じたこと】
以前なら専門業者に依頼すると何十万円もかかるようなシステムが、初心者でも作れてしまいました。マネーフォワードのような便利な会計サービスもありますので、資金に余裕のある方はそちらの方が手軽です。ただ、小さな業務効率化の成功体験を積むことで、「自社独自の大きな業務効率化やアプリ開発が必ずできる」と感じました。上記のシステムの構築は、文章にすると難しく感じるかもしれませんが、プログラミングの知識は皆無です。

iPhoneは、電話・iPod ·インターネットの組み合わせで世界を変えたと言われています。AIとプログラミング、そして自社に蓄積した知識や強みを掛け合わせることで、大きな可能性が生まれると感じます。

一方で、本格的に業務で導入をするためには、AIが作成したプログラムをそのまま稼働させることへの不安があります。セキュリティ面に詳しい方がいれば、ぜひご意見をいただきたいです。同じような挑戦をされている方とも、ぜひ情報交換できれば嬉しいです。

[文責]齋藤 丈威]
理事 サイトウ行政書士事務所代表

栃木県中小企業家同友会

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