Posted on 2026年1月29日(木) 15:22
Posted on 2026年1月29日(木) 15:15
News Topic 01 2026年挨拶
自分の心に水をやり、経営の畑を耕し続ける
2026年は、幕開けから激しい情勢の変化に揺れている。海外では、なりふり構わぬトランプ政権によるベネズエラヘの武力攻撃やグリーンランド領有への力の行使、イランの一凰9反政府デモヘの武力介入の示唆など、一刻も目が離せない状況が続く。
ロシアや中国の動向も不気味だ。国内に目を向ければ、衆議院選挙を控え、目先の負担減に重きを置いた政策案が先行している。
財政悪化懸念からくる円安や長期金利の上昇は、企業や家計の負担増という影を落とし始めている。人工知能(AI) の進化と浸透が効率や利便性を高める一方で、真実と偽情報を混在させたSNS の拡散は、社会の対立や疎外、分断を加速させている。総じて世相は暗い。
こうした強大な力による現状変更や支配、ポピュリズムによる民主主義の毀損(きそん)、そして対立や分断による「連帯」の喪失。この暗い世相を前に、我々はこのまま手をこまねいていて良いのだろうか。どんなに抗っても報われない経営環境があるとしても、ただそれを受け入れるだけで良いのだろうか。
ばさばさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
(「自分の感受性くらい」茨木のり子より)
中小企業家同友会は、先人たちの「中小企業は平和でこそ発展する」という教訓のもと、「中小企業の経営を守り安定させ、日本経済の自主的・平和的な繁栄をめざす」ことを目的の一つに掲げている。そこには、「自主・民主・連帯」の精神という、現在の情勢とは真逆の理念がある。
自主性を重んじるからには、自ら決断するための知恵を磨き、仲間と共有する。決め事は対話を重視した民主的な方法を模索し、一度決まったことは皆で汗をかいて推進する。他者を尊重し、違いを認めながらも深い信頼関係を築き、関わり合う。これらは非常に時間と手間の要ることであり、すぐには結果が出ないことも多い。
しかし、「自主・民主・連帯」の精神のもとに知恵を出し、汗をかき、関わり続けることで、不思議と道は拓けるものだ。何事も面白くなり、必ず誰かが手を差し伸べてくれる。
こうした歩みを着実に積み上げ、風土として組織に定着させていく。するとその組織は、ちょっとやそっとでは倒れない強い根を張り、確かな年輪を刻む太い幹となる。今年度の我々のテーマ「経営の畑を耕し、種をまき、根をはる一年~一年では終わらない経営の畑づくり、3年で企業づくりを~」は、まさにその風土を酸成しようとする挑戦である。
私自身の会社においても、今年の仕事始めに初めての「経営指針発表会」を開催することができた。指針づくりから発表会の開催まで、実に8 年もの歳月を要した。
しかしそれは、丁寧に経営の畑を耕し、種を蒔き、芽吹いた命を大切に育て、根付かせてきた結果だと、今なら胸を張って言える。畑に例えられる「風土づくり」や「企業づくり」の主体者は、まずは自らの心にたっぷりと水を与え、潤し、地に足を着けて、行く末を明る<照らす存在であらねばならない。栃木同友会の活動を通じて、私もまた多くの水と栄養を授かり、実践の技術を身につけることができた。
これから先、どのような事態が起ころうとも、我々中小企業家が平和な社会の先頭に立ち、まっとうな仕事で社会に貢献するという気概を持ちたい。同友会の活動を屈託なく推進することで、会社や会を通して、世の中を少しでも良い方向へ変えていく。今年一年、皆様とともに知恵を出し、汗をかくことをやり遂げたい。一年後、共に成長を実惑できる日が来ることを、今から心待ちにしている。
[文責]小岩 圭ー
栃木県中小企業家同友会 代表理事/株式會社 総研
Posted on 2026年1月29日(木) 15:01
News Topic 02 栃木のNEWS
戦略会議について
栃木同友会の戦略会議と、計画づくりの考え方
12月の第一週、今年も来年度の栃木同友会の運営方針を決める戦略会議を行いました。この会議の目的は、大きく分けて二つあります。一つは、同友会としてどのような考え方を大切にし、どの方向へ進んでいくのかを確認すること。もう一つは、各支部や委員会が一年間どのような活動を行うのかを整理し、全体として無理のない計画をつくることです。これは、なかなかに大変なことです。各人各様の意見を持っていますから、その意見をどうとりまとめるかが難しい。また、各自の意見を吸い上げることも、なかなか大変です。そこでこの会議で行っているのが、模造紙と付箋を使った意見統合です。一人ひとりが考えたことを付箋に書き出し、模造紙に貼りながら全体を整理していきます。
経営指針をつくる会でも行っているこのやり方は、考えが「見える形」になるのがいいところです。誰が何を考えているのかが分かり、話し合いが止まらずに前へ進みます。付箋を使うことで、後工程での意見集約もやりやすいのです。
世の中では「見える化が大事だ」とよく言われますが、実際には考えや判断まで見える形で進められている場は多くありません。付箋を使った方法では、意見を出しやすく、その場で中核となる問題(センターピン)を探し出したり、物事の決定を複数人で決めることができたりする、非常に実践的なやり方です。
昨年度の栃木同友会初の戦略会議は、一泊二日で実施しました。県内の多種多様な異業種交流会や勉強会の中で同友会がどういった立ち位置にいるのか、今後どのような状態を目指すべきか。そして、同友会が地域の中でどのような役割を果たせばいいのかを確認しました。合わせて、これから数年間、どの方向を目指して活動していくのかも話し合いました。
今年の戦略会議では、昨年度に決めた大きな方針はそのままに、この一年間の運営を振り返りながら、「これからどうしていきたいか」を重ね合わせて計画をつくりました。計画を立てていくと分かりますが、すべての計画が同じ重さを持っているわけではありません。中心となる計画があり、それを支える計画があります。栃木同友会で言えば、中心になるのは「総会」と「経営フォーラムJです。これらを成功させるために、支部例会や委員会活動があります。最初に中心を決めることで、全体の方向がそろい、活動の意味が分かりやすくなります。
この考え方は、実際にやってみて初めて理解できる部分が多くあります。昨年一年間、この方法で運営してきたことで、「計画の立て方が、組織の動き方そのものを決めるところがある」ということが、はっきりと分かるようになりました。
最終的には、複数の支部や委員会が同じ場所で同時に計画を立て、すり合わせを行いました。そのため、全体の流れが自然と整います。もちろん、そのためには事前の準備が欠かせません。その積み重ねがあるからこそ、短い時間でも中身の濃い話し合いができます。
こうして、同友会の考え方(経営指針) と、実際の活動、理事会の行動が同じ方向を向くようになりました。考えと行動がずれないことが、組織を無理なく動かすためにはとても大切です。会社で計画を立てるのが苦手だと感じている人には、特に役立つやり方だと思います。
私自身、細かくて長い計画を立てるのは得意ではありません。時間をかけて作っても、世の中が変わり、そのまま使えなくなることが多いからです。だからこそ、計画は軽く立て、状況に合わせて少しずつ修正していくようにしています。
この考え方を「エフェクチュエーション」といいます。先の見えにくい時代だからこそ、完璧な目標を最初に決めるのではなく、「今あるものを使いながら進み、考え続ける」ことが重要だと惑じています。
栃木同友会では、この二年間で「何をやるか」ではなく、「どうやって考え、どうやって決めるか」を変えてきました。その結果、無理のない、疲れにくい運営に形を変えてきています。
学ぶことは遠回りに見えますが、実は近道です。基本的なことを知っていれば、今やっていることの意味もわかりますし、どこをどう変えればどう変わるかもわかります。そして、行く末を見通すこともできるようになります。
栃木同友会の戦略会議では、こうした手法を使って大きな運営を進めています。
2026年度は、「経営の畑を耕し、種まき、根をはる1年~3年目の企業づくり、同友会づくり」(仮)を進めてまいります。
[文責]石綱 知進
専務理事
Posted on 2026年1月29日(木) 14:52
News Topic 03 全国のNEWS
令和8年度税制改正大綱について
昨年12月26日、令和8年度税制改正大綱が公表されました。今回の改正は、物価高対策と「税負担の公平性」という考え方が色濃く反映された内容となっています。
令和8年度の目玉は、以前より話題となっていた「年収178万円の壁」への対応です。課税の最低限度額を引き上げることで所得税の減税を行う方針が盛り込まれました。その他、法人税を含む税金全般にわたる改正案が示されており、今後開催される通常国会にて正式に可決・成立する見通しです。
そもそも「税制改正大綱」とは、毎年12月に政府が税制改革を行う際の基本方針や内容を示す文書です。新たな税制の創設や、既存の税制の延長・廃止がここで決まります。「令和8年度」と銘打たれてはいますが、数年後から適用される項目もあり、一般的には分かりづらい側面もあります。
公表直後は新聞やニュース、インターネットなどで大々的に取り上げられますが、その後はメディアへの露出が減るため、つい関心が薄れてしまいがちな存在でもあります。正直なところ、税制改正は自分に関係しない項目も多く、あまり気にされていない方も多いでしょう。いわゆる会社員などの一般納税者の方は、ご自身でコントロールできる項目が少ないため、それほど神経質にならなくても大きな問題はありません。
しかし、会社の経営者にとってはそうはいきません。例えば、法人税法における「少額減価償却資産の損金算入」の特例ですが、2026年4月から対象が「40万円未満(現行30万円未満)」に引き上げられる予定です。これは会社にとって明確なプラス要素であり、金額規模は小さくとも、着実な節税効果が期待できます。また、インボイス制度に関しても変更が予定されており、これらは消費税のみならず、実務上の手間や取引判断といった会社経営の根幹に影評を及ぼします。
このように、税制改正の多くは単なる数字の話ではなく、会社経営そのものに直結するものです。では、どこまで理解すべきかという点ですが、全体像を網羅するのは我々プロである税理士の仕事です。経営者の皆様は、税制も「経営の一部」であると捉え、自社に関わるポイントを絞って理解しておくことが大切です。
内容が複雑で分かりづらいと感じる場合は、まず顧問税理士に**「今回の改正で、自社に関係することはありますか?」**と一言聞いてみるだけでも十分です。経営者がアンテナを張り、知っておくことが、自社の経営をより良く活かすことへと繋がります。
[文責]片平 芳明]
こいあい税務会計 税理士