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No.192_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS
2026年度第41回定期総会

学びと実践の歩みをさらに前へ

5月26日に開催された栃木県中小企業家同友会第41回定時総会に際しては、この一年の活動の振り返りと新年度の方針等の各議案につきましてご審議のうえ、ご承認を賜り、誠にありがとうございました。

会員の皆さまからお寄せいただいたご理解とご協力に、心より御礼申し上げます。

一方で、総会は単に譲案を承認する場にとどまらず、私たちが今どのような経営環境に置かれ、何を課題とし、同友会としてどの方向へ進もうとしているのかを共有する大切な場でもあります。当日ご都合により欠席された会員の皆さまにもこの紙面を借りてお伝えしたいとおもいます。

昨年度は「経営の畑を耕し、種まき、根をはる一年~一年で終わらない経営の畑づくり、3年は企業づくりを~」をスローガンに掲げ、多彩な活動を展開してきました。

この言葉には、企業も同友会も目先の成果だけを追うのではなく、時間をかけて組織の土台を耕し、学びを根づかせ、中長期の成長につなげていこうという思いが込められています。今回の総会開催に向けても、昨年1月の基調講演依頼を皮切りに、12月の戦略会議や毎月の理事会で議論を重ね、長い時間をかけて準備が進められてきました。

例会や支部活動、委員会活動では、経営体験報告や実践交流を通じて、自社の課題を見つめ直し、学びを実践へと移す取り組みが継続して進められてきました。

とりわけ長い時間を要する経営指針の成文化や、労使見解に碁づく人材育成の実践では、着実な成果も見え始めています。経営理念や方針を言葉にし、社員と共有しながら日々の実践へ落とし込んでいくことは、変化の大きい時代において企業の軸を明確にするうえで欠かせません。実践を積み重ねている企業では、経営者自身の考えが整理されるだけでなく、社内での対話が増え、社員が自社の方向性を自分事として受け止める動きにもつながっています。総会では、こうした地道な積み重ねこそが、企業の持続的な成長と地域への貢献を支える力になることが共有されました。

人口減少に伴う人手不足や採用難、物価やエネルギー価格の上昇、デジタル化・生産性向上への対応など、中小企業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。先行きが見通しにくい時代にあって、個々の企業が単独で課題を抱え込むのではなく、仲間と学び合い、知恵を持ち寄ることの重要性はますます高まっています。その一方で、前期は業務多忙などを理由に、活動に十分な時間を割けず退会に至る会員も多く見られました。総会では、こうした組織としての課題についても浮き彫りとなりました。

このような時代だからこそ、同友会の仲間とともに学び、実践し、知恵を出し合う場の価値があらためて問われていると惑じます。

総会では、同友会の原点に立ち返り、会員同士が支え合いながら未来を切り拓いていくことの大切さを伝えさせていただきました。自社の課題を持ち寄り、他社の実践から学び、自社に持ち帰って行動を変えていく−−その積み重ねが、企業の変化を生み、地域の活力にもつながっていきます。欠席された皆さまにも、ぜひ今後の例会や支部・委員会活動に足を運んでいただき、同友会の価値を感じてもらえればと思います。

新年度は、「経営の畑を耕し、種まき、根をはる一年~ 3年目の企業づくり、同友会づくり~」として、これまで積み重ねてきた学びと実践から行動変革へとつなげ、少しでも会員自身と企業の成長が実惑できるような一年となることを目指しています。経営指針の実践、人を生かす経営の追求、仲間づくりと組織づくり、地域に根ざした企業活動の推進など、それぞれの分野で学びを深めながら、時代の変化に主体的に向き合える力を相互に高めていきましょう。そのためにも総会での方針を一過性のものにせず、それぞれの活動の場でどう生かすかが、これから重要となってきます。

理事会は会員企業と地域の発展に寄与し、未来を明るく照らす一助となれるよう、努力してまいります。会員の皆様におかれましても総会でご承認いただいた方針の着実な実行に向けて、引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

[文責]小岩 圭一]
株式會社総研代表取締(代表理事)

No.192_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 03 栃木のNEWS
2026年度基調講演

“ふざけている”のではない、“戦っている”のだ

5月26日(火)、宇都宮ライトキューブにて、銚子電気鉄道株式会社代表取締役・竹本勝紀社長をお招きし、総会基調講演を開催した。講演タイトルは「絶対に諦めない」。

しかし今回の報告は、単なる“感動的な経営談”ではなかった。私はむしろ、「なぜ銚子電鉄は生き残れているのか」を、経営という視点で考え続けながら聞いていた。

銚子電鉄は、千葉県銚子市を走る全長6.4km のローカル鉄道である。平均時速は約20km。自転車YouTuberと競争したら負けたというエピソードまである。車両は昭和30~40 年代製で、導入時点ですでに中古車両だったという。「シニアモーターカー」という自虐ネタには会場も笑いに包まれた。

しかし、実態は笑って済ませられるほど簡単ではない。

鉄道事業の売上は約1.1億円。それに対して、ぬれ煎餅をはじめとした食品事業の売上は約1.9億円。本業より副業の方が大きいのである。しかも鉄道は設備産業だ。車両検査だけでも数千万単位の質用が発生する。観光資源も決して豊富とは言えず、普通に考えれば成立が難しい経営環境だと感じた。

では、なぜ銚子電鉄は生き残れているのか。

その答えの一つが、「弱みを付加価値へ変換する力」なのだと思う。

銚子電鉄は、「まずい棒」「鯖威張るカレー」「資金ショートケーキ」「お金クレープ」など、自社の厳しい経営状況を徹底的に自虐ネタヘ変換している。電車屋なのに「自転車操業」、お金がないことを「キャッシュレス経営」と表現し、苦境そのものをブランド化してしまう。

竹本社長は終始ユーモアを交えながら話されるので、聴講者はシビアなエピソードの途中でも思わず笑ってしまう。あまりにジョークが多いため、最初は「かなりふざける人だな」と感じたほどだった。実際“ふざけている会社”だとお叱りを受けることも少なくないという。

しかし、話を聞くうちに、それが単なる悪ノリではないことに気づかされた。

竹本社長は、AIDMAモデルやランチェスター戦略、資金収支分岐点分析など、極めて合理的な経営理論を土台として語っていた。つまり銚子電鉄のユーモアとは、「笑わせたい」からやっているのではない。「生き残るため」にやっているのである。

そして、その“生き残るための合理性”は、ネット活用にも表れていた。

前社長による1.9億円もの横領事件が起きた平成19年前後、銚子電鉄はすでにホームページを持ち、オンラインショップでぬれ煎餅を販売していた。当時としては、地方の中小企業としてかなり先進的だったのではないかと思う。

だからこそ、「ぬれ煎餅買ってください。電車の修理代を稼がなければならないんです」という切実な発信を全国へ届けることができた。

結果、1万人以上から注文が殺到し、会社は危機を乗り越える。

もしネット販売や情報発信の土壌がなければ、この反響は生まれていなかったかもしれない。

現在も銚子電鉄は、SNSや話題づくりを通じて広い市場へ情報発信を続けている。地方企業が地元だけの商圏で戦うのではなく、ネットを通じて全国へ価値を届ける。

この視点も、銚子電鉄の生存戦略を支える重要な要素なのだと感じた。

武器が少ないからこそ、人の注意を引き、話題を生み、情報価値を作らなければならない。だから徹底的に知恵を絞る。資金力に乏しい企業が、アイディアと情報発信によって付加価値を作り出している姿だった。

そして、その根底には「絶対に諦めない」という文化がある。

横領事件後、銀行からも融資を断られる中、唯一日本政策金融公庫(国金)だけが経営者の自宅担保を条件に融資を認めた。その際、綿谷専務という方が即断で自宅を担保に出し、資金調達を支えたという話にも強く心を動かされた。

経営トップではないにも関わらず、不安定な会社リスクを背負う。その行動には類まれな覚悟を感じた。

さらに綿谷専務は、「浮草を売れ」「たい焼きを焼け」と、小さな商売を積み重ね続けた人物でもある。

そこには、一発逆転を狙う経営ではなく、小さな行動を絶対に止めない文化があった。

正直に言えば、私は講演を聞きながら、「自分なら途中で心が折れていた」と何度も惑じていた。設備はいずれ老朽化し、地方人口も減少していく。未来は決して楽観できない。

それでも銚子電鉄は、知恵を絞り、情報を発信し、行動を積み重ね、人を巻き込みながら生き残っている。鉄道事業と食品事業は互いに価値を高め合い、今では「お化け屋敷列車」や「イルミネーション列車」といった“体験を売る事業”や、「アイドルマスター(ゲーム)」とのコラボを実現するほどのブランドカヘ発展している。

もちろん、その裏には失敗した無数の企画もあったはずだ。それでも挑戦を止めない。そして、成功した打ち手は人々の認知をつかみ、次の一手へと進化していく。

厳しさを増す経営環境の中で、一発逆転を狙わず、知恵を絞り、できることを積み重ねる。その姿勢には、中小企業が学ぶべき危機への抗い方があった。

「絶対に諦めない」とは、単なる精神論ではない。

文化であり、戦略であり、行動そのものなのだと感じさせられる講演だった。

 

[文責]山寄 俊也]
タカマチ産業株式会社代表取締役(県南支部長)

No.191_目次

No.191_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 01 栃木のNEWS

県央支部総会

於)宇都宮市東市民活動センター
参加者12名

第1部総会では、会員数の減少という現実にも触れながら、それでもなお「学び続ける場を大切にしたい」という思いが共有された。県央支部も含め、栃木県全体で会員が減少しているという現状も共有されたが、それゆえに一人ひとりの存在がより大きな意味を持ち、学びの質を高めていくことの重要性が語られた。

第2部では、栃木県よろず支援拠点の乾泰夫氏に「経費高騰にどう向かい合うのか」というタイトルでお話いただいた。その内容を一部紹介したい。

「単なるコスト削減にとどまらず、価格転嫁と付加価値向上をバランスよく進めていく視点」について、まず価格転嫁については、自社の原価がどのように変化しているのかを丁寧に把握し、取引先にしっかりと伝えていくことが大切だと説明があった。これまでの慣習にとらわれるのではなく、根拠を持って説明することで、無理のない価格の見直しにつながるというお話だった。

一方で、自社の強みを磨き、価値を高めていく取り組みも欠かせないと強調された。「この会社だからお願いしたい」と思っていただける価値を育てていく大切さを改めて実惑した。さらに、変化に対応するための各種補助金や支援制度の活用を選択する場合は、デジタル化や業務改善など様々な選択肢が考えられる。

その際は、よろず支援拠点へ連絡すれば相談に乗っていただけるとのことだった。

後半は、お話しいただいた内容をもとにグループトークが行われた。お二人のお話を伺い、自分の中での気づきもあり、時間が短く感じた。

グループワークでの気づきとしては、環境の変化に振り回されるのではなく自ら選び取り整えていく経営が求められている自分も進まなくてはと実惑した。

そして自分は自社は何を選択するのかを異業種の交流の「社長の学校」で学び実践を一歩一歩積み重ねていくことの大切さを、改めて惑じましたが
・一人では実行し続けることは難しい
・やっているつもりでも時代についていっていない
・もっと効率的な方法がある
などなどいろいろな課題にぶつかっても気づかずに過ぎていきそうなので、この中小企業家同友会の学びを続けたい。

時には目の前の仕事に翻弄されることもありますが会報や例会などで原点に立ち返ることができる場になっている。

[文責]高橋 和子]
(有)芯和常務取締役・県央支部副支部長

No.191_News Topic:栃木のNEWS

News Topic 02 栃木のNEWS

県南支部総会

3月18日、あいとぴあにて県南支部総会が開催されました。

第1部は総会、第2部は1月20日に行われた県央支部の新春例会『あなたの仕事はその地域で成り立ちますか?』の資料を基に学びました。

第1部では総会として前年度の振り返りと新年度方針の確認が行われましたが、本稿では続く第2部の学びの内容に焦点を当ててご報告いたします。

人口減少と都市の関係を考えると、ビジネスは市場となる人口規模に大きく左右されることがわかります。例えば小売りは500人、マクドナルドは27,500人スターバックスは175,000人がビジネス成立の目安とされています。人口16万人の小山市にスタバが5店舗!!もあるのは、単純な人口だけでなく、人の流れや立地の影縣などがあるのかも知れません。

今、国全体では都市部への人口集中が進むストロー現象が起きています。都市部の力は距離ではなく「どれだけ早く行けるか」で決まり、交通の要所に人や機能が躾まってきます。一方で、そこから外れる地域では人口減少がより早く進む傾向があります。栃木県でも新4号から離れるほど、早くから人口が減っている印象があります。

また、少子化や未婚化、個人主義の進行により、人口減少は世界的に見ても止められないということが印象的でした。引退後の期間が長くなっていることも含め、社会の形そのものが変わってきているのを感じました。これからは、コンパクトシティやICTを活用したまちづくりが進み、都市の姿もさらに変わっていくでしょう。

こうした外部環境は自分たちでは変えられませんが、その前提を理解しておくことで、考え方や選択肢は広がることがわかりました。

与えられた環境の中で、自分たちにできることから積み上げていくエフェクチュエーションの考え方は、これからの時代にとても大切だと思いました。

[文責]中村 あさみ]
(株)ボーダーレス代表取締役

栃木県中小企業家同友会

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