Posted on 2025年4月30日(水) 08:00
News Topic 04 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部3月支部総会~
3月26日に開催された鹿沼・日光支部の令和6年度支部総会の様子を皆さんにお伝えする。今回は2部構成となっている。
第1部では、鹿沼市経済部の方と栃木同友会代表理事 斎藤 秀樹 氏より報告がなされた。第2部では、支部における議案の審議が行われた。早速、第1部から報告する。
まずは、鹿沼市経済部の方から中小企業・事業者支援策として補助金を中心に報告を頂いた。昨今の物価高騰、円安、賃上げ要望など中小企業や個人事業主を取り巻く環境が大きく変化し、厳しい状況が続いている。その中で、中小企業や個人事業主がこの厳しい状況の中でも自分の事業を発展させようとすることを支援するための国、県、鹿沼市の支援策を報告頂いた。参加者からは、「この補助金なら○○さんの事業に活かせるのでは?」とか、「この補助金は○○さんに教えてあげたほうがいいのでは?」と同友会の仲間を思っての発言が出た。
次に、斎藤 秀樹 氏から「支部活動で得られた自身と自社の成長」を題して経営体験の報告がなされた。
小さい頃に斎藤氏の祖父から言われた「土地を護ってくれ。」という言葉が幼少期の斎藤氏の心に刻まれたエピソードから始まり、経済を志し、経済学部に入学し、公認会計士を目指して合格したエピソードをはさみ、東京で公認会計士として活躍する中で栃木県の企業の代表者と知り合い、企業を支援する喜びを味わったエピソードはサクセスストーリーのようでした。
しかし、順風満帆な公認会計士の活動をしている中で、斎藤氏の祖父が言われた「土地を護ってくれ。」という言葉が斎藤氏の心には深く刻まれていることから、このまま東京で公認会計士として活躍していくべきか、出生の地である鹿沼市に戻って鹿沼市の為に活躍するべきか、と大きな悩みにぶつかった葛藤ストーリーは聴いていて心にグッときた。この悩みは先程も書いたが斎藤氏の祖父の言葉が判断の大きな要素となり、栃木県に戻ってきて起業したストーリーへと進んだ。
その頃に中小企業家同友会と関わったようですが、最初はうまくいかず幽霊会員をしていたというエピソードは今の斎藤氏からは想像できないものでした。その後、同じ栃木県中小企業家同友会の仲間から誘われた事業(「人がかがやく経営指針をつくる会」)で大きく同友会活動に関わることになったと報告され、自社でも同友会で学んだことを実践しながら、従業員からの指摘に悩み、従業員とも喧々諤々議論をしながら自社を発展してきたエピソードは今の斎藤氏からは想像できなかった。
鹿沼市での活動も御自身の家族の言葉や行動から活動の方針が大きく影響し今の事業を行っていることが報告された。
本当に掻い摘んで報告したが、本当はもっと斎藤氏の歩みを記載しなければ理解できないものであった。
皆さん。良かったら支部に講師として読んでこの話を聞いてみて頂きたい。斎藤氏の見方がより良い方向で大きく変わりますよ。
次に、第2部の報告です。こちらは本来の支部総会です。
浅野支部長から2024年度の活動実績が報告され、2025年度の活動計画が説明された。その後、本年度は役員改選時期の為、新役員案が上程された。その後、全議案について承認されました。
浅野支部長は重任されましたが、新しい役員とともに今年度の鹿沼・日光支部の事業を執行していくものと期待している。
以上、報告です。
[文責]株式会社コメノイ 代表取締役
鹿沼・日光支部長 浅野知則
Posted on 2025年4月30日(水) 07:00
コラム
カルチベートされる
ちょっと長い引用。
「勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物でも、物理でも化学でも、時間のゆるす限り勉強して置かなければならん。日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。何も自分の知識を誇る必要はない。勉強して、それから、けろりと忘れてもいいんだ。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。(中略)学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても。その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものなのだ。これだ。これが貴いのだ。勉強しなければいかん。そうして、その学問を、生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ! これだけだ、俺の言いたいのは。…」
太宰治の「正義と微笑」の中に出てくる言葉。若き黒田先生は、最後の授業で主人公たち生徒にこう語った。「真にカルチベートされた人間になれ!」先生は言う。
太宰は、何をいいたいのか? 同友会を使って説明してみる。
「同友会ってどうゆうかい?」と聞かれることがある。公式通りなら、「良い会社をつくろうとする経営者の会」「良い経営をしようとする経営者の会」あたりだろう。
栃木同友会にはないが、他県の同友会には同友会大学、経営者大学という、幹部社員・後継者・経営者自身が総合的な能力を身につけるための講座がある。肝は、総合的な能力。
太宰の言う、「その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているもの」を、大人になってもつかもうという学びにあたる。
学んだから何か直接的な功利が得られるわけではない。得られるものは茫洋として、掴みどころのないものだとおもう。でもそこで学んだものは、自分の中に、「一つかみの砂金」として残る。世の中を理解して困難な世界を読み解くための基礎力となる。
同友会の学びは、直接的に役に立つものもあれば、中長期的に自身を成長させるものもある。特に、自分自身の成長には、ものすごく時間がかかる。10年単位はザラ。
黒田先生が言っていることは、自分を大切に育てなさいということなのだと思う。
そういった学びをするための、一助として、今年も栃木同友会では、5月には総会、11月には経営フォーラム、また6月からは経営指針をつくる会、年間を通じては支部活動や共同求人・インターンシップ受け入れ活動、ダイバシティ委員会などの行事と講座をおこなう。
5月の総会では、基調講演として、京都大学名誉教授、地域経済学がご専門の岡田智弘先生をお呼びする。これから地方で何が起きていくのかを、長年の地方経済の研究された方の視点で語ってもらう。
11月には経営フォーラムをおこなう。都留文科大学教授の古屋和久教授をお迎えして、主体的・対話的で深い学びを進める教育の実体をお聞きする。自社の教育にも必ずや役に立つものと思う。
また、喫緊では、6月から経営指針をつくる会をおこなう。変化の時代にあらためて自社を見つめ直すのに活用してもらいたい。去年から続く、大学生とのコラボレーションによるインターンシップ受け入れ活動もますます活発に活動している。
みなさん、ことしも是非一緒に活動してみてほしい。
太宰が言っている、カルチベートは英語のcultivateのことで「耕す、育てる、磨く、高める」という意味だ。人も会社も促成栽培はできない。だからこそ、タイパ(タイムパフォーマンス)・コスパ(コストパフォーマンス)ではなく、きばらず・せかず・あきらめずで行きたい。
[文責]専務理事 石綱知進
Posted on 2025年3月31日(月) 12:00
発行日:2025年 3月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:https://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。
Posted on 2025年3月31日(月) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~4月県例会(in 県南支部)をやります!~
栃木県中小企業家同友会会員の皆様
いつも会運営へのご理解・ご協力をいただき誠にありがとうございます。
朗報があります! 2025年度にはついに「県例会」が復活します。その先陣を、我が県南支部が担当させていただくこととなりました。この場を借りてよろしくお願い申し上げます。
初回らしいテーマを意識し、同友会理念を出発点とした企画を用意致しました。皆さまは同友会の三つある理念の一つ、「三つの目的」のうち二番目の「良い経営者をめざす」をご存じでしょうか?
先日3月の県南支部総会で支部会員に参加目的を尋ねたところ多くの方が「良い経営者になるために学びに来ている」と答え理念との一致が確認されました。しかしながら「具体的に何を学べば良い経営者になれるのか」はまだ明確ではありません。
そこで第一回県例会では『「良い経営者には何が必要?」~求められる知識や能力は何だろう~』をテーマに掲げ深堀りしてみます。
皆様の多様な知見を活かし、互いに意見から学び合う、同友会らしい例会を目指します。
開催地は小山市です。全県からのご参加を心よりお待ちしております!
[文]タカマチ産業株式会社 代表取締役
県南支部長 山嵜俊也
Posted on 2025年3月31日(月) 10:00
News Topic 02 全国のNEWS
~第55回中小企業問題全国研究集会 in 愛媛~
参加して得られた学び
2025年2月6日・7日に、愛媛にて第55回 中小企業問題全国研究集会 in 愛媛(以下、「全研in 愛媛」)が開催され、1173名が参加した。
実行委員長 渡部伸哉氏((有)三和興産 代表取締役)からは、「全研in 愛媛では、『労使見解』50年の歴史の中で学び実践してきた先輩方と歴史に思いをはせ、私たち一人ひとりが『生きるとはどういうことなのか』を見つめ直し、未来のために自分自身が変わるきっかけの場にしたい」「さまざまなことが目まぐるしく変化する時代だからこそ、次なる50年を創り上げていくため、多くの学びとつながりをつくっていきましょう」と挨拶された。
1日目は全部で14の分科会が開催され、私は第6分科会に参加し、「誰もが最後まで“ごきげんな”社会をつくる~高齢化先進県だからこそ生み出された、しまねの仕事づくり~」と題した野津積氏(モルツウェル(株)代表取締役/島根同友会代表理事)の報告を伺った。
野津氏は、島根県の人口が93万人から30年で63万人に減り、2040年にはわが国の労働市場において1100万人が供給不足となり、採用コストに耐えられない会社は生き残れない、と鋭く指摘。
その上で、野津氏の社長としての時間の60%を人材採用に費やし、年間1000人の学生に「何のために経営をしているか」を伝え、15年で35名の新卒採用を行っている。
さらに、介護施設向け調理済み食材の製造・販売を行う同社では、介護施設厨房のDX化と指導員の役割を果たす社員の共育により、引き籠りであった人材にスポットワーカーとしてはたらける環境を提供しているとのことであった。
2日目の特別講演では「地域と人をつなぎ、次世代に心の豊かさを残す ~ポテンシャルが潜む地方で挑み続ける経営者(元日本代表監督)~」と題し、岡田武史氏((株)今治.夢スポーツ 代表取締役)が講演をされた。
岡田氏はこれからの未来を「どこにもデータはない現実」と表現し、エラー&ランを繰り返し、試行錯誤でつみ上げて現実をつくること、ミスをおそれず相手をおそれず、楽しんでプレーする必要性を話された。
お二人のお話から、高齢化が進み若者が減っていくこれからの社会において、われわれ中小企業経営者が意識すべきことと持つべき経営姿勢とは何かを考える機会となった。
今回の学びを、自社と栃木同友会の今後を考える際に活かしていきたい。
[文](株)ウィステリアコンパス 代表取締役
栃木同友会代表理事 斎藤秀樹