No.184_コラム
Posted on 2025年10月1日(水) 10:46
コラム
私の咳を止めた一品と、その先にあった創業の物語
数年前から、一度出始めると止まらない厄介な咳に悩まされていました。特に室内にいる時に症状が出やすく、花粉症のアレルギー体質もあって、ハウスダストが原因ではないかと考えていました。
試しに導入したのが、今回お勧めする一品、ダイキン製の空気清浄機「MCK555ABK」です。効果は絶大でした。あれほど続いていた咳がぴたりと止み、今では事務所の空気がまるで森林公園にいるかのようにおいしく感じます。
この素晴らしい効果に惑動し、寄稿にあたって製造元であるダイキンについて調べてみることにしました。公式サイトで「ダイキン工業90年史」というPDFが公
開されているのを発見。400ページを超える大著のため、創業期である第一章「ダイキンの礎町工場から大企業への躍進(1924~1945) 」を読んでみました。
創業者の山田晃氏は小倉工業学校で機械を学び、軍の工場勤務などを経て、1924 年に「合資会社大阪金属工業所」(従業員15人、資本金1万5千円)を設立。これがダイキンの始まりです。同社は急成長を遂げ、1934年に「大阪金属工業株式会社」を設立し、1941年には従業員16,000 人を超える大企業となります。
その成長は軍需に応える形でしたが、山田氏は、1935年の工場増設の増資理由書にて、「軍需品のみに全力を傾倒することは必ずしも当社の使命ではなく、工場施設は軍民両用ならしむる」と記しています。これは、戦前から「和戦両様の備え」による政策があり、戦後の民需転換への慧眼を示しております。
山田氏は、激動の時代に「技術」と技術を担う「人」を尊重する経営スタイルで「技術のダイキン」の礎を築いたとされています。
私の事務所で空気を浄化してくれるこの機械が、創業者の理念から続く、およそ100年の歴史の結晶であると惑じた時、単なる家電製品とは思えない深い感動
を覚えました。優れた性能はもちろん、その背景にある物語も含めて、この一品を心からお勧めします。