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~第5回経営基礎講座~

なんで会計が必要なの?

最近、アルファードのようなミニバンをよく見かける事はないだろうか? 若い家族が600万円から1000万もする車に乗れるようになる、それだけ給与が上がったのだろうか。そう思い違いをする。そんなに給料が上がっているわけではない。実は、これにはカラクリがある。

残価設定型クレジットだ。5年間で支払う金額 + 乗り終わったあとにその時の車の価値(残価)で買い取ってもらうタイプのものだ。残価は車の状態で変わる。事故で大破してしまえば、残価分の金額は払わなければならない。

無事故と状態がいいことを前提に組まれる大雑把な見通しで買われる車。これに住宅ローンも入ればどうなるか。長い間に収入は変化する、その変わり方はだれもわからない。

でも、ローンの支払いは確定した未来。多くの若い夫婦はその意味を知らない。

経営指針をつくる会の事前学習として、第5回経営基礎講座が片平税理士によって、5/10 (土)、5/17(土)の2回にわたって行われた。この講座では会計の基礎、損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)を学ぶ。1年間にどれだけ利益が出たかを見るのがPL、創業してからの財産の積み上げを見るのがBS。この2つを経営判断するときの指標として使う方法の基礎がレクチャーされた。

会計は大きく分けて3つあるという。税金を決めるための税務会計、会社の価値を伝えるための財務会計、経営者が経営判断するための管理会計。よく、会計は会社のスピードメーターだと言われる。中小企業の経営で一番使われないけれど、一番重要な、管理会計がスピードメーターにあたる。会社運営をはかるには、とにかく毎月の状況を確認する月次決算が欠かせない。

管理会計的に見るために架空会社の税務会計決算書の組みかえをおこなった。ブロック図、ストラック図と呼ばれる形にする。決算書を数字だけではなく図であらわすことで、会社の状況をひと目でわかるようになる。いくら儲かっているか、どういう構造で儲かっているか、どこに注意を払わなければならないか。大きな括りで項目をまとめることで収入と支出のバランス、もっている資産の状況が目で見てわかりやすくなる。

それらを実務で使うときは毎月の収入と支出の確認をするために月次試算表をつくる。このときに、必ず守らなければならない大切なことが1つある。会計上のルールに則った、正しい数字をつかうこと。誤魔化した数字は判断を間違えさせる。

書き換えた会計を行うと、裏帳簿(真の帳簿)でも作らない限り、人は書き換えたことすらも忘れてしまう。5年10年と長い間にたまった誤情報は、経営判断をするときに足かせになる。

受講生たちはそういったことを改めて学んでいった。会計を理解すれば、銀行や株主との交渉、設備投資できるかどうかの判断に役に立つ。経営者は会計、決算書の意味を理解して使う必要がある。自社をどう運営していくのか、そのための指標としての会計は経営の基礎である。

お金の使い方や支払いの計画は、会社でも家庭でもとても大事だ。長期的な視点を知らない若い夫婦は一歩間違えれば、今後ローンのためにはたらくことになる。

我々経営者がそうならないようにするためには、基礎である会計、特に管理会計を実務で使える程度にはわかっていないといけないな、と考えさせられる講座だった。

[文責]株式会社共立 代表取締役
専務理事 石綱知進

栃木県中小企業家同友会

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