No.187_News Topic:栃木のNEWS
Posted on 2025年12月26日(金) 13:19
News Topic 01 栃木のNEWS
2025経営フォーラム
「わからない」からはじまる「ひと」の育ち合い
~学ひ合う文化をすべての組織に~
11 月21 日、栃木県総合文化センターにて栃木中小企業家同友会2025 経営フォーラムが開催された。同友会会員30名、オブザーバー11名の合計41名が参加され、基調講演では都留文科大学教育学部教授の古屋和久氏を講師としてお招きし、ご講演いただいた。
私が初めて古屋先生を知ったのは、「学び方を学ぶ」をテーマとした2023年県央支部10月の映像例会だった。『28の瞳~学び合う教室~ NHK ETV8』(2012年2月にNHKで放映)における、古屋先生の独特で斬新な子どもたちへの関わり方は印象深かった。当時、私と同様に古屋先生の教育方針に魅了された参加者と、実際にお会いしてもっとお話を伺いたいと感想を伝え合った記憶がある。
その後、2024年8月神奈川県同友会開催の講演会で古屋先生が講演されると聞き、私自身、数名の方と迷わずオブザーバーとしての参加を決めた。実際に講演を拝聴し、念願かなって直接お会いできた時の感動は忘れられない。おそらく今回の経営フォーラムの企画は、この時点でほぼ決まっていたように思う。
基調講演の18時35分から約80分間、参加者全員、古屋先生の独特な雰囲気での語り方に菓中して聞き入っており、とても短く惑じた。その後約50分間、グループに分かれての討議や活発な話し合いが行われ、数グループからの質問に古屋先生が応えられ、最後は座長の小岩代表理事のまとめで会を締めくくり閉会となった。
古屋先生が考える教育とは、児童や学生が自主的に問題点に向き合い、仲間たちと協力し合って答えを導き出す経験を活かし、教師はその一助となることが望ましいということかもしれない。言い換えると、教室で学ぶ者は、柔軟な考え方を持ち、相手の考えを尊重し、仲間と関わりながら成長していくことが大切なのだ。教師が解決策を与えてばかりでは、本当の意味での成長には繋がらないとも捉えられる。この事は中小企業家同友会の考え方と近似しているのではないか。
「わからない」ことを「わかった」振りをしてしまうよりも、「わからない」ということを素直に認め「わかろうとする」ことが非常に大切なのだと、先に述べた2年前の県央支部例会時の映像でも伝わってくる。これは、私たち中小企業家にも言えることである。経営者自身、社員や関係業者に「わからない」と言えているだろうか。素直に「わからない」を言い合える関係性を持つことは、自他ともに成長するためには必要なことだと考える。学校での「教室文化」は、会社内の「企業文化」にもおおいにつながるものな
のだ。
今回オブザーバーの中には6名の教職員が含まれている。6名の内訳は、中学校教諭2名、高校学校教諭4名であるが、講演後のグループ討議では、それぞれの立場で各々の考え方を伝え合い、私たちと共にグループ討議に参加され、教育関係者として今後のヒントを持ち帰られたなら幸いである。同友会のフォーラムや例会の企画の中で、産官学金の中の「学」に関わる方がここまで多く参加された企画は今までなかったのではないだろうか。
私たちにとっても、6名の教育関係者から間接的に私たちの中に落とし込めることが多くあったことも確かであり、今回の企画は、教育の観点から「学び合う文化の大切さ」をわかりあえる、非常に有意義なフォーラムであった。
今後、全県行事のテーマは、今回のテーマから引き継がれることとなる。学びの共同体はまさしく、栃木県中小企業家同友会の今後のあゆみを形容するものである。
[文責]臼井 進
U-TEC株式会社 代表取締
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