No.187_News Topic:栃木のNEWS
Posted on 2025年12月26日(金) 12:03
News Topic 02 栃木のNEWS
長野同友会塩尻支部道中記
(木曽路は遠かったです)
きっかけは、ある人の軽いひと言だった。
11月某日の昼すぎ、LINEが入る。
「新しい事務所を出したから、あそびに来ない?ひまだからw」
なんだそれ、と首をかしげたが、気は向いた。
理由は分からない。けど、こういう誘いは断りづらい。
「14時半なら行ける」と返した。
新しい事務所は、宇都宮市の住宅地の中。
ガレージハウスみたいな外観で、これまでの会社の場所を思うと、かなり意外だ。
外階段を上がってインターホンを押すと、本人が顔を出す。
なかに入ると、青いバランスボールがいす代わり、モニターが二台、うしろには本棚。
士業とか、クリエイターが好む空気だった。
ひと仕事をすませた彼が戻ってきたので、「なんでここに事務所?」と聞くと、ちらしを一枚出された。
作業着の猫がいて、今までの仕事とは違う文言が入っていた。
ここは新しい商いの拠点だった。
仕事の話、世間話、いろいろ話しているうちに、外は夕方。
帰ろうとしたら、また声がかかる。
「11月下旬に、長野の例会に行くけど、空いてる?あいてたら一緒に行かない?」
その日は、自分の誕生日だ。
予定はなかったので、OK した。
当日、自分は三十一歳。
その人を車に乗せ、塩尻に向かう。山に入ると、まこうして、あの人のひと言でひらいた誕生日の予定わりは暗い。
会場そばには保存地区の看板があり、ルートに迷いながら、なんとか奈良井の宿場町へ。
公民館には「熊注意」のポスター。
受付をすませ、名簿を見ると、四国からの参加者までいた。
話し手は同い年。「人が成長する条件」というテーマ。熱い話、こちらの胸も動いた。
そのあと、懇親会の「なべを囲む会」の案内があったが、場所が精密機械工場。
さすがに帰り道3時間はかかるので、ことわって帰る。
帰り道の運転中、日が変わり誕生日はしずかに終了。濃い霧の中をゆっくり運転する。
次の日はいつもどおり出社。
社員に「ねむそうですね」と言われる。
顔に出る自分に、ため息まじりの笑い。予定の管理は大事だと痛感した。
こうして、あの人のひと言でひらいた誕生日の予定は終わる。
そして、“このこと書いてみない?”のひと言で、これまでとひと味ちがう商い話が、また動き出した。
[文責]八木匠
株式会社シンデン 専務取締役


