Posted on 2021年1月31日(日) 10:00
News Topic 02 栃木のNEWS
~県南支部12月例会 12月7日(月)ZOOM開催~
“経営フォーラム振り返り”と“未来を見通すには”
今回の県南支部例会では3回にわたって行われた経営フォーラムの感想と討論、会員各企業の現状報告と展望等が話し合われた。
経営フォーラムについては3回開催という長丁場とそれぞれの内容が全く違う構成なので支部例会においても色々な視点での討論が出来たと思う。
自分として3回のフォーラムを通じて一番印象に残ったのは初回林事務局長の「変化に目を閉ざす事がもっとも危険」という印刷業界の事例である。抗う意思、順応する意思、これらの意思を持って動いたところは残り、何もしないで静観していたグループが消えていったという。
これは今のコロナについて手立てが打てないと何もしないで座している現状を大いに反省させられる仕儀となった。
また支部例会において会員各企業の報告もコロナ対応で模索しながらも利益を出す企業もあり「周りが不況なのでうちも不況」は通用しないと反省しきりだった。ここにフォーラム2回目の小沼氏の世界状況分析の話で世界が同時に不況の訳ではなく国内においても変化の兆しがある事、ウィズからアフターを見込んだ予想は大いに参考になった。
そして方法論として3回目の玄地氏の自社と社員さんたちを巻き込んだ報告が来る、フォーラムの〔現状>未来>方法〕という流れは実に的を射た流れと思った。
言うまでもないが今は本当に大きな変化点であると思う、先の予測を行いどういう動きを取るか、その再認識が必要であることを突き付けられた。
[文責]三ツ村義康
(株)三ツ村製作所
Posted on 2021年1月31日(日) 09:00
News Topic 03 栃木のNEWS
~鹿沼・日光支部例会 12月15日(火)ハイブリッド開催~
南摩で“食育と地域づくり”
~畑を通して「食べる」を考える。里山百手プロジェクト~

鹿沼・日光支部例会
出身地の鹿沼市南摩で『一本杉農園』を営む福田大樹氏。彼の事業の中心は農薬、化学肥料を使わない農業。5反の畑を活用し小麦を育て、野菜を育てている。収穫された麦、小豆、ジャガイモ、野菜でパンをつくり販売し、さらに加工、調理しカフェ「蒔時」、おでん居酒屋「湯気」では6次化(一次産業+2.3次産業)して提供している。
コロナ禍の今年、彼の営みは中学生への「畑を通して考える授業」の中で伝えられた。里山百手プロジェクトである。時代が百手先まで進んでも通用するような、根源的な知恵や哲学を学んでほしいという彼の思いで始められ、これまで12回の授業(里山百手プロジェクトnote‥ブログに詳しい)が行われた。生徒たちが野菜を育て、とれたものを加工して販売する。畑に出て作業をし、教室に戻り考える、作業と思考の連続だ。農作物に無駄はない、稲わらは牛が食べ、そのフンは畑の土に戻る。大きくならなかった玉ねぎは刻んでドレッシングになる。
カフェを生徒たちが企画し営業する。地域の皆さんに感謝を伝えるカフェとはどんなカフェか?グループに分かれてテーマカフェをつくり、店名からサービスの仕方を生徒たちが検討し実践する。体験を積んでいく課外授業だが、その間に生徒たちは様々なものを獲得していく。自分たちで作ったものを地域の方々に提供する中で、働くことがこれほどに人を育て得るのかということに驚ろかされる。もともと労働の中で人は育ってきた“はたらく”ことの中で人が育つという営みが、鹿沼市の南摩で展開されている。修学旅行も運動会もなかった中三の彼らにとって、この体験は何ものにも代えがたい経験だ。座長を務めた(株)コメノイの浅野社長は「生きていくことの大切さが彼の価値観の本質では無いかと感じられた。同じ南摩地区に関わる者として共に活動できればと切に思わされた講演だった。」と語った。
※是非〔里山百手プロジェクト|note〕を検索してみてください。
[文責]事務局
Posted on 2021年1月31日(日) 08:00
訃報
栃木同友会代表理事(1992 ~ 1993年)日野川勇一氏

故 日野川勇一氏
1992 ~ 1993年に栃木同友会代表理事を務められた日野川勇一氏(株式会社栃木合同計理センター)が昨年6月12日ご逝去されました。コロナ禍の折、通夜密葬の儀は近親者のみにて執り行われたとのことでした。故日野川氏は栃木同友会の創立メンバーでした。栃木同友会の設立にかかわり、生前交友があった中同協国吉昌晴顧問から「日野川さんは税理士ですから、人前に派手に出てくるタイプの方ではなかったのですが、その分裏方として栃木同友会を守り、育ててきた方です。生前のご活躍に感謝致します。」との言葉をいただいております。改めまして日野川元代表理事のご冥福をお祈りいたします。
Posted on 2021年1月31日(日) 07:00
特集コラム
コロナが見せてくれたもの
思いもかけないものが思いもかけないものを見せてくれることがある。
昨年のコロナ禍は色々隠れていたものを加速させた。
1つには、経営者には自分たちのビジネスの強い点と弱い点をマザマザと見せつけられた。弱点を持っているビジネスは問題を大きくクローズアップされ、強みが内包されたビジネスはさらに強みが明らかになっていく、そんな1年。これから収束まではまだまだこの路線は続く。
社会構造の弱点も明らかにされた。少子化は加速し、病院が根本的に足りないことも露呈した。生活の変化が、精神に変調を起こす人があらわれ、逆に束縛から開放されていきいきとする人たちも出てきた。繋がりのあり方が人に影響することが目に見えるようになってきた。
リアルで会えないからやらないという選択をするもの、なんとか繋がりを持とうそして模索するもの。電話を使ったり、メールを使ったり、LINEを使ったり、FAXを使ったり。みんながアレヤコレヤと工夫をして対処していった。そんな中で昨年大きくクローズアップされたのがインターネット会議システムのZOOMというツールだ。
栃木同友会では2020年4月から段階的に、ZOOMを取り入れていた。主に経営労働委員会からはじまり、各支部でも行われるようになる。実際にビジネスの現場で取り入れた会員企業も現れた。営業ツールとして使うものもあれば、遠隔地との通信手段として使うもの、感染症対策として使うもの、使い方はそれぞれだ。
実際に使っている事例を会員企業から教えてもらうことがあった。営業系や福祉系での利用の例。特に福祉系ではZOOMを導入することで、対面で何かをすることがすごくプレッシャーだった施設の利用者が、より頻繁に施設の作業に参加するようになって来たという。そのことは6月ごろに教えてもらっていたのだが、その時点では、そういう事例があるんだなぁという感覚しかなかった。
ところが、先日インターネットラジオを聴いていたら、大学生の退学率が下がってきていて、例年よりも授業の成績が上がっているという。それは、いままでリアル対面では先生や同級生の前で発言できなかったり、目立つ子の影になって気にかけられていなかった子たちがZOOMを使うことで先生との1対1の関係性から“無視されていない”と感じるようになり、大学を退学しなくなり、学習意欲も高まっているということであった。
ここで、少し大きな視点で見ると、福祉施設の話と大学で起きていることがつながってくる。人は関係性があれば健やかに育つのではないか?ということだ。これは、どんな場合でも言えるのではないだろうか。家庭でも、仕事でも。
太田堯先生の生き物の特徴「ちがう」「かかわる」「かわる」がここでも顔を出す。
今までのやり方ができなくなり、新しいやり方が現れると、目立つプレイヤーがかわる。今まで目立っていた人とは「ちがう」人たちの登場だ。それが、先生や職員との「かかわり」の中で、自信をつける。そんななかから、それぞれが「かわり」はじめる。これは、経営者自身にも言えることだし、社員にとっても同じことだ。
先日の中同協主催、吉田敬一先生ZOOM講演では面白いことが起きていた。オンラインの講演なので、もちろん聴衆は画面の向こう。吉田先生からみたら無味乾燥な講演になるはずだった。最初は普通に資料をみながら聴いている。先生の話が進んでいくと、みんなの視線が上がってくる。画面の吉田先生を凝視する視線に変わる。画面の向こうの聴衆が話にひきつけられて熱を帯びるのがわかる。みんな
が変わっていく。
また、県央支部の例会ではZOOMを使った近況報告例会をおこなった。12名が参加。リアルで会えない状況の中、やはりお互いに話したいことがたくさん出てくる。数ヶ月押さえつけられていた思いが、話したいこと、聞きたいこととして溢れ出てくる。お互いに言葉をかけ合い交流がすすむ。楽しい時間だ。あっという間の2時間。みんなの気持ちが溢れ出ていた。
面白いものは面白いのだ。1年、実際に動いたことで、リアルかZOOMか、ではなく、どう関係を作っていくのかが大切だということがわかってきた。
リアルで会うこと、ZOOMで話すこと、それぞれに一長一短がある。特徴を掴み、うまく活用して行くことで私達は、まだまだやれることがある。
2021年度の総会はこの状況下、今までのように開催することは難しい。そんな中、ZOOMだけを使ったものになるか、ZOOM+対面のハイブリットになるかは今後の状況次第になる。
総会講演会ではパネルディスカッション形式をとり、昨年を振り返り今年を展望したい。その上で、グループ討論で参加したみんなの思いの丈をはなしてもらおう。
許されるなら本当は対面で行いたい。だめならば、この1年間で培ってきたZOOMのノウハウを盛り込んだものに挑戦してやろう。
皆さん、2020年度の栃木同友会の総決算をみてほしい。
[文責]専務理事
石綱知進
Posted on 2020年12月31日(木) 11:00
News Topic 01 栃木のNEWS
~2020栃木同友会経営フォーラム~
「2020経営フォーラム」は2020年11月11日・18日・25日の3回、リアル会場、サテライト会場、本部事務所それぞれの場にて延べ30名を超える会員の手によって開催された。今回のフォーラムでは3回の講演の流れを統一するため、第2回報告の小沼氏、深澤氏は第1回の林局長の資料を読み込んだうえで準備し、更に第3回の玄地氏は、第1回、第2回のDVDをしっかり見てから資料を作成し報告された。膨大なデータに基づく豊富な資料に加え、講師陣の皆さんの熱意ある真摯なご報告で毎回、強烈なインパクトを残した経営フォーラムとなった。
※経営フォーラムに参加されなかった方、また、聞き逃されたという方には3回分の資料とDVDを販売しておりますので事務局にご連絡ください!
経営フォーラム第1回「コロナ禍で変わる日本のこれから」
一般社団法人 東京中小企業家同友会 事務局長 林隆史氏

林隆史氏
令和2年11月11日、第1回経営フォーラムが開催された。報告者は一般社団法人東京中小企業家同友会事務局長林隆史氏。本年の経営フォーラムはオンラインでの開催ということもあり、報告者を3人の方に依頼し開催を3回とした、今回はその第1回目となる。
中小企業とともに歩み続けて30年、中小企業家同友会の生き字引といわれる林氏の報告は、とても濃い内容であった。
新型コロナは、我々にとって推し量ることのできない災厄である。その災厄を災厄として終わるかチャンスととらえるか、どう判断してどう動くかが、経営者の資質が問われている。経営者が情勢の困難さを口実にして経営者としての責任を十分はたせなかったり、あきらめたり、なげやりにすることは間違いである。
経営者にとって変化に目を閉ざすことがもっとも危険である。新型コロナが世界に蔓延している現在、変化の時計は少なくとも5年は進んだといわれる。デジタル経済、テレワーク、etc。この変化に目を閉ざして会社が生き残っていくことができるだろうか。
コロナがもたらす変化、それは豊かさの「レス社会」。トラベルレス、レストラン居酒屋レス、ワークスペースレス、レスリアルコミュニケーション、ラグジュアリーレス、レスサプライチェーン。個々の詳細は割愛するが、この「レス」の裏面には大きなチャンスが眠っている。
コロナ時期は脱皮のチャンスといえる。補助金助成金を活用できるし、新しい挑戦や企業変革のチャンス社員の意識や考える時間的にも恵まれた状況であるから。ピンチに目をこらせばそこにチャンスを見出せる。
- 経営者が情勢に目を向け変化を掴み指針を描く事
- 従業員と経営者が情勢認識を共有し課題を共有する事
- 理念を軸に経営者と社員が力をあわせて変化の波に立ち向かう事
報告の中で、このようなことを言っていた、「ニーズはなくならない、問われるのはアプローチ」と。
[文責]八木澤和良
八木澤社会保険労務士事務所
経営フォーラム第2回「コロナ禍で変わる世界のゆくえ」
絆アセットマネジメント(株) 代表取締役 小沼正則氏

小沼正則氏
コロナ禍の真っただ中、改めて米中の強さ、ダイナミズムが際立っている。
米国では、あれほど患者数、死者数が増え続けているにもかかわらず10月の製造業景気指数は2018年11月以来の高水準、自動車などの物の需要も高水準で、雇用統計や小売り売上高も急回復している。
一方の中国では強権的手法でコロナを封じ込めてから旺盛な国内需要に支えられて企業業績は驚異的に回復してきており、まさに独り勝ち状態になりつつある。
一方、振り返って我が日本はというと、追い風を受けるICT関連、巣篭り需要を取り込める業界を中心に回復してきているが、悪い業種はまだまだ回復には至らずまだら模様、先が見えない状況である。
米中経済の強さは、国内需要の強さにあり、その源泉はGDPに表れている。リーマンショックを挟んでの過去15年間、一人当たりGDPを順調に伸ばしてきた他国に比べ、日本はほとんど上がっていない。一人当たりGDP ≒個人所得と考えれば国内需要が伸びないのはあたりまえ、少子高齢化ばかりが原因ではない。
今後コロナ禍からの回復の過程では、雇用の大部分を占める我ら中小企業の役割がますます重要だと感じた。
[文責]小山研一
(有)赤札堂印刷所
経営フォーラム第3回「これからを生きるための経営ビジョン」
東洋産業(株) 代表取締役 玄地学氏

玄地学氏
2020/11/25(水)ZOOMによるオンラインにて、東洋産業株式会社 代表取締役社長 玄地学氏より「これからを生きるための経営ビジョン」をテーマに経営フォーラム最終回が開催された。
同社は元々ライバル会社だったものを縁あってM&A氏が社長に就任した。当初は清掃用品の卸売り業のみだったが、現在は「総合衛生プロデュース業」と事業領域を改め食品衛生やヘルスケア事業、オリジナル洗剤のメーカー、衛生教育、清掃オペレーションと事業内容を広げている。
買収直後は酷い有様で業績もよくなかった。同友会の経営指針をつくる会に参加した氏は先輩より「目を逸らしてるが10年後には君の会社はなくなる事をわかっているはず」と指摘される。主力の床用ワックスの売上が年4~7%ずつ減少していた。背景にはワックス不要床材の登場という環境変化が。氏はその事実に向き合い経営課題の解決に取り組む事で会社を維持発展させてきた。そんな氏は現状分析の重要さを力説する。
客観的事実、データに基づいた現状分析に注力し経営課題を明確にしていく事ではじめて会社の未来を作る道筋がみえてくる。問題と課題は違うのだ。その作業を社員と一緒に取り組む。それは経営指針の全社的実践の一つの具体例であり、社員の成長を促す事であると報告頂いた。
例えば売上減少が問題ならその解決策が課題だ。課題はより具体的につき詰める事で明確な行動目標となり会社を前進させていく。
この報告から「変化を続ける世界で、自らも変化対応し続けていく事こそが経営」であるという事を学ばせて頂いた。その取り組みこそ経営指針の成文化と全社的実践であり、だからこそ同友会は全ての会員にそれを薦めている事を改めて認識できた。自社の取り組みを基にわかりやすく教示いただいた貴重な報告であった。僅かな文字では語り切れない濃密な報告を頂いた玄地氏にあらためて感謝したい。
[文責]山嵜俊也
(株)タカマチ産業