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No.106_News Topic:栃木の話題

News Topic 01 栃木の話題
~2月県例会~

経営者が変われば会社が変わる
宇都宮市東市民活動センター 参加者20名

林 弘子氏

林 弘子氏

2月8日(金)「経営者が変われば会社が変わる」のテーマで、(株)アシスト関東 代表取締役社長の林弘子氏と管理室長の小平愛氏の両名による報告が行われた。

(株)アシスト関東は、林氏の父が国税局を退職し、税理士事務所を開業した後これを母体に生まれたコンサルティング会社であり、林氏は父、夫の後に会社を引き継いだ三代目である。会社には夫が当時の社員たちとともに創った経営理念が存在している。会社の方針も、方針具現化のためのアイテムも揃っていた。長年掲げていた理念は社員にも理解されていると思っていた。

けれども現実は厳しい。クライアントのためだからという理由で価値やサービスに見合わない値引きが当たり前の状況になっていた。このままではいけないという不安から「経営指針をつくる会」に参加した。

つくる会に入会後、社員との会話を通して、これまでの経営理念が理解されていないことがわかった。また、当たり前のようにしてきた仕事だったが、実はそこに自社の特徴と価値があるのだということに気づく。また、自分自身は何のためにこの会社を継続させているのだろうかという原点に立ち返ることもできた。つくる会の仲間の発言から、誰にも経営の悩みを相談できずに自からの命を絶った経営者の姿を思い出したのだ。「絶対に経営者を孤独にしない」この思いが自分が仕事を継承した原点だった。このことを思い出した時に途端に腑に落ちた。「自分は本当にやりたいことをやってきたんだ」その思いを経営理念に書き表すと、方針、手段、日常の業務が線となって結び付いていった。これまで弱気から遠慮していた価格は自信が持てる価値あるサービスと価格に変えることができた。「私たちの仕事には価値がある。」社長が自信を持ったことは社員にとって仕事への誇りになった。

栃木同友会があってよかった

小平 愛氏

小平 愛氏

社員を代表して管理室長の小平氏が報告に立った「林社長は、まだ、経営者にはなっていなかったのだと思います。社員からみると、頼りない存在でした。しかし「つくる会」に参加してから、林社長は経営者として思っていること考えていることを率直に話してくれるようになり、隠しごともなくなりました。また、お客様に対して『このサービスが本当に必要なんだ』ということを自信をもって伝えることができるようになりました。林社長が経営者として成長しているなと実感していましたし、「つくる会」のメンバーに支えられているなと日々感じております。栃木同友会という場があったことに社員として感謝しています。」小平氏の報告に改めて同友会の存在意義を感じた。

No.106_News Topic:栃木の話題

News Topic 02 栃木の話題
~2月県中央支部例会~

パワーハラスメントを考える
宇都宮市東市民活動センター 参加者10名

斎藤丈威氏

斎藤丈威氏

2月13日(水)パワーハラスメントを考える〜社会問題化するパワハラ問題を考え、パワハラとは何かを知る〜をテーマに斎藤丈威支部長の報告を軸に車座となって座談会を行った。まず「パワーハラスメント」とは、同じ職場で働くものに対し職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える。また、職場環境を悪化させる行為とのこと。具体的には1.精神的な攻撃。2.身体的な攻撃。3.過大な要求。4.人間関係からの切り離し。5.過小な要求。6.個の侵害の6類型に分類される。さらに4つの段階にエスカレートし少々の違和感から、不快感に、更には怒り、嫌悪感の段階に進む。実際いじめ・嫌がらせに関する相談件数は10年前の2万件から現在は7万件と急増しているとの報告があった。

今の若者は自分の気持ちが一番大事

参加していたY氏は「私が相談を受けた事例では、部下が仕事をする力量が上がってきたと判断した上司が一段階上の仕事を与えたがなかなか上達しない。君ならできると励ましたがそのことが3.過大な要求と認識されパワハラを理由に退社した」とのことだった。しかし、仮に力量が上がってきた部下に一段階上の仕事を与えずにいれば上記の5.過小な要求によりパワハラで訴えられてもおかしくない。上司にしてみれば実に不条理な話だということになる。Y氏はこれまでの体験から、現代の若者は「やりたいことをやりなさい」「自分の気持ちが一番大事だ」と育てられているから、感情が何より大切になる。叱られた時点で感情がマイナスになると、それ以降の話は入っていかない。そこから先はパワハラに向かう4つの段階を進むだけである。彼らが感情的になっていると判断されるときには「今、彼らはライオンになっていると思うこと」そして、「文字や文章にてわかりやすく伝えること、更に、今の仕事がどんなことに繋がっているのか具体的に話してあげること。そういった面倒くさいことを丁寧に行っていくことです。」とのアドバイスをいただいた。個の時代と叫ばれ、社会人として育てあぐねる若者も急増している。こうしたパワハラ問題の根っこにある課題に真摯に向き合う姿勢が必要である。

No.106_News Topic:栃木の話題

News Topic 03 栃木の話題
~障がい者就労支援部会 現場見学例会~

かき揚げが絶品!おらがそば茶屋を訪問
社会福祉法人こぶしの会 おらがそば茶屋(芳賀町)

2月19日(火)芳賀にある「おらがそば茶屋」にて現場見学例会が行われた。こぶしの会はどんなに障害が重くても利用できる作業所を目指して1970年に生まれた。現在では職員130名を擁し宇都宮・芳賀・真岡・上三川に6施設と8か所のグループホーム、市貝に食堂、そして芳賀に「おらがそば茶屋」を運営している。当日はチャレンジセンター長の和田洋氏と主任代行就労支援員の小野敦生氏から報告をいただいた。

宇都宮では先駆的な存在であるこぶしの会だが、設立から40年目に入り、利用者と親の高齢化が進み、新たな課題が生まれている。

一つには「おらがそば茶屋」は2011年にコンビニの跡地につくられた。当時はメイン道路に接したロードサイド店だったが、新道路がつくられると交通量と共に客足も減っている。もう一つには、この間、2006年に施行された障害者自立支援法(障害者総合支援法)により、就労作業所も大きく形を変えたということ。時代の流れによって取り組むべき課題が変わり、作業所の形も変わっていく必要がある。そんな中でも基本を忠実に守り、丁寧に仕事をする「おらがそば茶屋」の皆さんは素晴らしい仕事をしていた。皆がこぞって頼んだ盛りそばとかき揚げのセットは、温かい天つゆと冷たいそばつゆが添えられ、その味と心遣いは参加者を唸らせた。同友会会員の皆様には是非この美味しいおそばを食べていただきたいと思った。

おらがそば茶屋 見学例会

No.105_目次

発行日:2019年 1月31日
発行者:栃木県中小企業家同友会
〒321-0968 栃木県宇都宮市中今泉2-3-13
TEL 028-612-3826 FAX 028-612-3827
E-mail:t-doyu@ninus.ocn.ne.jp
URL:http://www.tochigi.doyu.jp/
企画編集:広報委員会 印刷:有限会社 赤札堂印刷所
※左の画像をクリックするとPDF版がご覧いただけます。

No.105_News Topic:栃木の話題

News Topic 01 栃木の話題
~2019新春講演会/鹿沼・日光支部設立総会 鹿沼商工会議所アザレアホール~

日光鹿沼支部設立総会

佐藤信鹿沼市長

佐藤信鹿沼市長

斎藤秀樹支部長

斎藤秀樹支部長

平成31年1月24日、栃木県同友会に新たな支部が設立された。他県同友会からのお力添えもあり、83名の参加による講演会/設立総会となった。会は栃木同友会代表理事八木仁氏の開会挨拶、鹿沼市長 佐藤信様の来賓挨拶、その後新春講演会が行われ、鹿沼・日光支部設立宣言に繋げられた。

鹿沼・日光支部準備会は、昨年2月より毎月の例会を重ね、仲間を増やし、周辺の会社訪問で地域の課題を掘り起こし、論議を深めながら設立の日を迎えた。斎藤秀樹支部長は「鹿沼・日光は栃木県内に於いても人口減少が著しい地域ですが、一方同友会メンバーの企業連携によって新たに雇用が生まれ、移住者が増える取り組みも行われています。私たちは地域の10年後、30年後を見据え、この地で人が豊かに生きていくために、どんな課題があって、何をしていかなければならないのか、そういったことを率直に話し合える場をつくり続けて参ります。」と力強く鹿沼・日光支部の設立を宣言、22名での発進となった。

2019新春講演会

石頭悦氏

(株)幸呼来JAPAN 石頭悦氏

設立宣言に先立ち行われた栃木同友会2019新春講演会では、岩手同友会の株式会社幸呼来JAPAN 代表取締役 石頭悦(いしがしら えつ)氏を報告者に迎え【「さき織」で岩手から世界へ!】~社員と共に付加価値を生み出す地域実践~と題して講演が行われた。

・・皆さんは『さき織』をご存じだろうか。「裂き織」と書き、着古した着物を裂いて織り直し、帯などに仕上げて再利用する、という江戸時代から東北地方にある伝統技術である。石頭氏はこのさき織を高等支援学校に訪問したときに知り、そしてさき織に魅かれた。支援学校でさき織の技術を学んでもその技術を活かした就職の場所がないと知り、さき織の事業を立ち上げる。しかし経営は順風満帆というわけにはいかなかった。障がい者の就労に関する考え・想いが、石頭氏と福祉を専門で学んできた従業員では違っていたのだ。石頭氏の「障がい者が楽しく働く職場にしたい、事業として成功させたい」という想いと、「障がいを持っている方には気持ちを一定に保つことが大切で、楽しく嬉しくという感情の起伏があるのはかえって良くない」と考える従業員。そんな考えの違いがあれば従業員が辞めていくのは必然だった。今度は自分の想いの丈を伝えて従業員を雇い入れた。同じ想いの従業員を雇い入れたのだが、今度は自分自身の考えに揺らぎが生じた。企業経営と、障がい者の就労への想い、さき織への想いが迷走し、従業員たちとの間に溝ができてしまった。この時期、同友会とは距離を置いていた石頭氏であったが、再度同友会に入会し、改めて「何のために」を考えることとなる。そして障がい者とともにさき織を事業としてやっていくことを確認するに至った。伝統技術の継承「裂き織」、障がい者雇用「活きる職場」、企業残反処理問題「リサイクル」。この3つ柱を基に日々活動を続け、2018グッドデザイン賞を受賞、また、オニツカタイガーとのコラボ事業の大成功など、日々の活動・想いが認められていった。・・同友会に学び経営指針を策定実践していくことが揺るぎない経営に繋がることを学ばせて頂いた大変勉強となる講演であった。

2019新春講演会 講演の様子

[文]県北支部長 八木澤和良
(八木澤社会保険労務士事務所)

栃木県中小企業家同友会

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