No.188_News Topic:2026年挨拶

News Topic 01 2026年挨拶

自分の心に水をやり、経営の畑を耕し続ける

2026年は、幕開けから激しい情勢の変化に揺れている。海外では、なりふり構わぬトランプ政権によるベネズエラヘの武力攻撃やグリーンランド領有への力の行使、イランの一凰9反政府デモヘの武力介入の示唆など、一刻も目が離せない状況が続く。

ロシアや中国の動向も不気味だ。国内に目を向ければ、衆議院選挙を控え、目先の負担減に重きを置いた政策案が先行している。

財政悪化懸念からくる円安や長期金利の上昇は、企業や家計の負担増という影を落とし始めている。人工知能(AI) の進化と浸透が効率や利便性を高める一方で、真実と偽情報を混在させたSNS の拡散は、社会の対立や疎外、分断を加速させている。総じて世相は暗い。

こうした強大な力による現状変更や支配、ポピュリズムによる民主主義の毀損(きそん)、そして対立や分断による「連帯」の喪失。この暗い世相を前に、我々はこのまま手をこまねいていて良いのだろうか。どんなに抗っても報われない経営環境があるとしても、ただそれを受け入れるだけで良いのだろうか。

ばさばさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

(「自分の感受性くらい」茨木のり子より)

中小企業家同友会は、先人たちの「中小企業は平和でこそ発展する」という教訓のもと、「中小企業の経営を守り安定させ、日本経済の自主的・平和的な繁栄をめざす」ことを目的の一つに掲げている。そこには、「自主・民主・連帯」の精神という、現在の情勢とは真逆の理念がある。

自主性を重んじるからには、自ら決断するための知恵を磨き、仲間と共有する。決め事は対話を重視した民主的な方法を模索し、一度決まったことは皆で汗をかいて推進する。他者を尊重し、違いを認めながらも深い信頼関係を築き、関わり合う。これらは非常に時間と手間の要ることであり、すぐには結果が出ないことも多い。

しかし、「自主・民主・連帯」の精神のもとに知恵を出し、汗をかき、関わり続けることで、不思議と道は拓けるものだ。何事も面白くなり、必ず誰かが手を差し伸べてくれる。

こうした歩みを着実に積み上げ、風土として組織に定着させていく。するとその組織は、ちょっとやそっとでは倒れない強い根を張り、確かな年輪を刻む太い幹となる。今年度の我々のテーマ「経営の畑を耕し、種をまき、根をはる一年~一年では終わらない経営の畑づくり、3年で企業づくりを~」は、まさにその風土を酸成しようとする挑戦である。

私自身の会社においても、今年の仕事始めに初めての「経営指針発表会」を開催することができた。指針づくりから発表会の開催まで、実に8 年もの歳月を要した。

しかしそれは、丁寧に経営の畑を耕し、種を蒔き、芽吹いた命を大切に育て、根付かせてきた結果だと、今なら胸を張って言える。畑に例えられる「風土づくり」や「企業づくり」の主体者は、まずは自らの心にたっぷりと水を与え、潤し、地に足を着けて、行く末を明る<照らす存在であらねばならない。栃木同友会の活動を通じて、私もまた多くの水と栄養を授かり、実践の技術を身につけることができた。

これから先、どのような事態が起ころうとも、我々中小企業家が平和な社会の先頭に立ち、まっとうな仕事で社会に貢献するという気概を持ちたい。同友会の活動を屈託なく推進することで、会社や会を通して、世の中を少しでも良い方向へ変えていく。今年一年、皆様とともに知恵を出し、汗をかくことをやり遂げたい。一年後、共に成長を実惑できる日が来ることを、今から心待ちにしている。

[文責]小岩 圭ー
栃木県中小企業家同友会 代表理事/株式會社 総研

栃木県中小企業家同友会

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